2002年216日 土曜日 カツオとタラちゃん

先週、日本から来たお客さんにお土産で「辛子明太子」を頂きました。で、自宅でそれを美味しそうに食べてたら、娘が・・

「パパ、いいなあ。私も食べたい。」

「これ、すごく辛いよ。」

「辛いのヤダ。甘く煮たタラコが食べたい。」

「タラコ? 塩タラコじゃなくて?」

「うん。甘く煮たやつ。」

「じゃあ、今週末買って来てやるよ。他には?」

「カツオの刺身。ウニはもう飽きた。」

「ウニが飽きた? なんて贅沢なやつだ。」

「だって飽きたんだもん。カツオが食べたい。」

「じゃあ、いいソウダガツオが入っていたら買ってくるよ。」

ということで、今週末のメニューは、甘く煮たタラコとカツオの刺身に決定です。

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土曜朝、早速ベルサイユに出発です。

まずは一軒目、いつもタラコが置いてある店で、今日もタラコが売られているのを確認します。もちろん、タラコとは書いてありません。「œuf de poisson」の名札ですから、「魚卵」ですね。日本のタラコはスケソウダラの卵巣ですが、こちらの「œuf de poisson」はどの魚の卵かは分りません。ただ、この時期が産卵期で、形もタラコに似ていることから、多分タラの仲間の卵巣だと思われます。

このタラコ、一年中売っているわけではなく、やはり卵巣が大きくなる、秋から冬にかけてだけ売っているようですし、店によっては全く売っていない店もあります。値段もすごく安く、1kg買っても5ユーロ程度です。今日は500gだけ買いました。

次に、カツオ探しですが・・・・今日はどの店にもソウダガツオ(ヒラソウダ)は出ていませんでした。

他に珍しいものも特に無かったのですが、一つだけ、正体不明のものがありました。violetというホヤのような食べ物です。このviolet、カルフールにも良く売っているのですが、これまで貝類ではなく、ホヤの仲間か海草の一種だと思っていたので、あまり注意していませんでした。しかし、今日売られているのを見ると、まるで貝類のようです。ホヤなのか貝なのか・・・・どなたか、ご存知の方はお教えください。

さて、カツオは結局いつのも店で、ハガツオを発見しました。ハガツオはこれまで買ったことがありません。カツオに比べ鮮度が落ちやすく、鮮度が落ちると味も落ちると聞いています。で、この魚屋のものも鮮度抜群という状態ではありませんでした。

しかし、今日は娘がカツオと言っていたし、私もハガツオが食べてみたかったので、買って帰ることにしました。少なくとも内臓がまだ取られていなかったので、内臓の様子を見ることはできそうです。内臓を見て、生では無理そうなら、煮魚にして食べることにしました。

そうなると、刺身が全く無い可能性があります。その時目に入ったのが、イカ(Encornet)です。冷凍の解凍物とは思いますが、鮮度がよく、刺身にできそうです。ヤリイカではなく、多分スルメイカに近い種類でしょう。

イカは冷凍の解凍物でも、冷凍状態がよければ刺身で全く問題なく食べられます。このイカも、珍しく透明感のある良い状態で出ていました。

このイカを買って、今日の買い物は終りです。

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さて、料理です。まずタラコは、半分を家内に依頼して甘い煮付けにしてもらい、残り半分を塩タラコにすることにしました。辛子明太子を作ってみても良かったのですが、材料が揃わなかったので諦めました。ちなみに、辛子明太子の作り方は下にあります。塩タラコの作り方のページは発見できなかったので、自己流です。

http://www.dad.on.arena.ne.jp/otoko/make/mentaiko.htm

煮タラコは、タラコがちょっと大きすぎで、味が十分に染みなかったのですが、一日煮汁につけておくと、美味しくなりました。塩タラコはまだ製作中です。来週には成果が発表できるでしょう(笑)

イカは刺身にしてみましたが、残念なことに、少し堅すぎて、刺身向きではありませんでした。で、これも家内に煮てもらったところ、すごく柔らかくなって美味しくなりました。なお、このイカ、内臓(茶色い部分)を煮付けに使えるほど新鮮でしたので、内臓と一緒に煮てもらいました。これはすごく美味しいですよ。

最後にカツオですが、内臓を見たところ十分新鮮だったので、半分をタタキに、半分を刺身にしました。タタキは金串が無かったし、あぶるための火はガスバーナーしかないので苦労しましたが、皮が一緒に食べられるのがタタキの良いところですよね。ポン酢で美味しく頂きました。刺身のほうはしょうが醤油で食べましたが、食べ比べてしまうと、やはりカツオはたたきの方が圧倒的に美味しいですね。

結論として、ハガツオはソウダガツオより血合い分が少ないので味は淡白ですが、ソウダガツオより鮮度が落ちにくく、美味しいと感じました。ソウダガツオとハガツオが並んでいたら、迷わずハガツオを買うべきですね。並んでいるのを見たことはありませんが(笑)

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ところで、土曜日の午後に、職場の近くにあるrue Ponceletの魚屋を覗いてみたところ、これまで見たことの無い名札の魚がありました。

Veau de Mer (海の子牛)という名の魚で、切り身の状態で売られているので、元の形が分らないのです。Veau marin ならば、アザラシですが、この肉はどう見てもサメかイルカです。

で自宅に帰って調べてみたところ、Veau de Merは、Requin-taupe(ネズミザメ)の別名であることが判明しました。ということで、図鑑のインデックスにVeau de Merを追加しておきました。

まだまだ色々な魚が出てきそうですね。

ではでは。来週は何かなあ・・・