2002年9月14日 土曜日 カメノテの塩茹で  

収穫の秋

「あゆみ、今日は何食べたい?」

「鯛の霜皮造り」

「お前、最近そればっかじゃん。」

「だって、気に入ったんだもん。

ということで、今日の1品はタイに決定です。私としては、今週はちょっと落ち込む出来事もあり、ヤケ食い気分だったので、今週こそウニが出ていないかと期待しながらベルサイユに向かいましたが、残念ながら今週もまだウニは出ていませんでした。今年はウニの終りが遅かったので、始まりも遅いのかもしれませんね。

今日のベルサイユの市場は、何故か小さい魚が目立ちました。イワシやアジ、それにサバやシタビラメも小さいものが入っていましたし、ヒメジの小型や、小型のクロダイまで、色々な魚が入っていました。ちょうど日本の秋と同じで、今年の春に生まれた魚がこういうサイズになってきたのでしょう。

しかし、これといって目を引く魚はありません。ともかくタイは必ず売っているので、まずは甲殻類の方から調査します。

すると、今週も活きクルマエビが出ていました。今週は活きLangoustineはありませんでしたので、まず1品はこれに決定です。これを買おうとして周りを見ると、珍しいものが目に入りました。Pousse Pied(カメノテ)です。

このPousse Pied、カルフールには良く売っているのですが、ベルサイユの魚屋で見ることは稀です。しかし、今日のPousse Piedは新鮮でいかにも良さそうです。このPousse Pied、職場のスペイン派の方々には絶大な人気で、これを食べたいがためにスペインまで旅行に行くという人までいます。

私も一度食べてみたいと思っていたので、一房買ってみることにしました。値段は安いので、まあ気楽に買えます。

クルマエビとPousse Piedを買った勢いで、その横にあったものまで買う気になってしまいました。アワビです。アワビは高いので、この一つで8ユーロ以上しますが、ここのところあまり出ていなかったので、久しぶりに買ってみることにしました。

さらにその隣にあったVioletにも興味を引かれたのですが、今回はさすがにVioletに手を出すのはやめました。Violetはホヤのようなものだとは聞いているのですが、私はホヤがあまり好きではないので、このVioletにもどうしても手が出ません。

さて、ここまで甲殻類に徹したら、徹底的にということで、さらにムールを買うことにしました。それも、いつも買う加熱用ではなく、生食用のムールです。値段は500gで4ユーロ程度ですから、普通のムールよりは高いものの、他の貝に比べると、それほど高いものではありません。

さらにおまけでエスカルゴまで買ってしまいました。エスカルゴはダース売りなので、一ダース買いました。

 

これでヤケ食い気分を満足する超豪華食材は揃ったのですが、魚を全く買っていません。そこで、タイを買おうと魚のコーナーに行くと、魚屋のお姉さんがしきりにヒラメ(Barbue)を薦めます。最近Barbueはあまり買ってなかったので、これもいいかなということで、タイとヒラメを買って、今日の買い物を終りにしました。

超豪華御刺身

さて、今日のタイはあゆみの希望通り、霜皮造りにします。残りのものは単に並べるだけで刺身になるので、料理としては超簡単です。ムールはレモンで食べるので、レモンを飾りにしました。

ムールの生はちょっと苦味があることがあるのですが、あゆみはちょうどこの苦いムールに当たってしまったようで、一個でギブアップでした。家内も一つしか食べませんでしたので、結局私がほとんど全て食べました。

確かに活きムールもたまに食べるのは美味しいのですが、やはりワイン蒸しが一番美味しい気がしますね。

Pousse Piedの方は、塩茹でで食べると美味しいと聞いています。塩加減は海水程度の濃い塩だということだったので、今回は3.5%食塩水でゆでてみることにしました。ゆで時間も良く分からなかったのですが、とりあえず10分ほどゆでてみます。

茹で上がったPousse Piedは、見た目は茹でる前とあまり変わりません。一本ずつちぎって、皮を剥くと、仲から身が出てきます。これをつるっと食べます。食感はマテガイの細いものか、イカの腕の部分という感じでしょうか。意外と美味しいので驚きました。

今回の塩加減はちょっと強すぎたようで、塩辛くなってしまいました。2%程度がちょうど良いかもしれません。でも、癖になる味で、ご飯のおかずには向きませんが、御酒の御つまみにはピッタリだと思います。また食べたくなる味でした。

翌日はヒラメの煮付け

さて、翌日は、ヒラメの煮付け、エスカルゴ、それに鯛のあらとエビの頭で作った御味噌汁になりました。

これらは定番ですので、美味しく頂きました。ただ、ヒラメは鱗を取り忘れたので、娘に叱られました。実は、Barbueはもう一種のヒラメ(Turbot)と違って、鱗があるのです。魚屋さんでは、この鱗を一応取って売っているのですが、そこはフランスの魚屋さん、縁側あたりの鱗の処理はいいかげんですし、裏側は全く取っていなかったりします。刺身にするときは、もう一度鱗をきちんと取り直すので良いのですが、今回は煮つけなので、それを完全に忘れていました。

でも、まあ美味しい煮付けだったので、満足です。

さて、来週こそウニが出て欲しいなあ・・・

ではでは。