2002年111日 金曜日 淡水魚  

ロアールの城廻り

今週はフランスはお休み週間でしたね。娘の学校もお休みです。そこで私も水曜と木曜に休みを取り、家族と日本からのお客さんと共にロアールの城廻りに出かけました。二日間で5つの城を見学したのですが、その間ロアール川を越えること、なんと8回。道順が悪かったといえばそれまでですが(笑)、ロアールの流れと城、そして紅葉の美しさを堪能してきました。

で、帰り道、家内が突然言います。

「ロアールのサンドレ食べたかったなあ・・・・」

「え? 有名なの?」

「うん。ロアール名産だって。」

「じゃあ、買ってこようか?」

「売ってるの?」

「ロアール産かどうかは分からないけど、サンドレなら魚屋に売ってるよ。」

「じゃあ買ってきて。」

「他には何が食べたい?フランスらしいもの?」

「やっぱりフランスといったら牡蛎じゃない?」

「じゃ、牡蛎買う? 生牡蛎?」

「うん。生がいい。大きめのを買ってきて。」

「了解。他には?」

「他はパパに任せる。でも、あんまり沢山魚買っちゃ駄目よ。」

先週ちょっとおかずが多すぎたので、きっちり釘を刺されてしまいました。

祝日のベルサイユ

さて、金曜日は休日です。家内とお客さんは二人で一日ベルサイユ宮殿廻りをするそうです。で、二人をベルサイユまで送った帰り道、ベルサイユの市場に寄ってみます。

今日は休日なので、市場が営業しているかどうかちょっと心配だったのですが、ちゃんとやっていました。金曜日は市の立つ日なので、広場もお店で一杯です。早速魚屋さんを覗いてみることにします。

しかし、ここで問題を発見しました。ベルサイユの朝市はいつも通りですが、どうも魚市場はお休みだったようです。いつもなら新鮮な魚で溢れているはずの金曜日の店頭に、新鮮な魚があまり見られません。こんな時に頼りになるマグロでさえ、良いものがあまりないのです。鯛だけは刺身になりそうなものを発見しましたが、鯛は先週食べたところなので、イマイチです。

今日一つだけ興味を引いたのは、全長15センチほどのアンコウです。すでに頭が取り除いてあるので、残った身は、まるで大型の「メゴチ」のようです。「メゴチ」は釣り人以外にはあまり知られていない魚ですが、天ぷらにすると絶品なのです。もしかすると、この小型のアンコウも、天ぷらにしたら美味しいかもしれませんね。ぜひ機会があったら試してみたいです。

とりあえず、まずはサンドレを探します。しかし、いつもなら、どこの店頭にも売っているサンドレが、今日は殆どありません。やっと見つけた一軒でも、二匹しかなく、うち一匹は鮮度が落ちていました。そこで、4人分としてはちょっと不足ですが、このサンドレを1匹だけ買います。初の、日本に生息しない淡水魚購入です。

他にはどうも買いたい魚がありません。で、悩んでいるところで、ふと思い立ったのが鮭です。実は先週、職場の同僚が、小型の鮭の切り身を見つけて塩鮭にしたら美味しかったという話をしていたのです。それに加え、先週行った日本食レストランで食べた「鮭の皮巻き」がすごく美味しかったのも印象に残っています。正月も近いことだし、一度フランスの脂っぽい鮭で塩鮭を作ってみたらどうなるのかを調べるのも面白そうです。そこで、なるべく小さい鮭を一匹購入しました。小さいといっても50センチ以上、1.5kg程度はあります。鮭も半分は淡水魚。今週の魚は淡水魚シリーズです(笑)

これで魚は終りです。

牡蛎はいつもの店で、生牡蛎用としては少し大きめのNo.2を一ダース買います。この牡蛎を買っているときに、ふと近くに箱詰めブロン牡蛎が売っているのを見つけました。折角日本からのお客さんですから、元々日本産の牡蛎ではなく、フランスの牡蛎を食べて欲しいところです。そこで、このブロン牡蛎も一ダース(一箱)買うことにしました。

以上で、今日の買い物は終りです。

塩鮭製作中

自宅に帰って、早速塩鮭の仕込みに入ります。塩鮭は、最近では甘塩作りという、生鮭に塩を一振りしたようなものが主流になっていますが、私は焼くと塩が噴き出してくるような濃塩作りの塩鮭が大好きなのです。そこで、昔ながらの「山漬」という塩鮭の作り方を参考にしつつ、熟成「鮭の塩漬け」を作ることにしました。

「山漬」の場合、名の通り、塩をまぶした鮭を戸外に山積みして熟成させるのですが、パリの外気はまだ少し暖かく、それに一匹だけでは重しがないので完全な山漬にはなりません。そこで、水が沢山出る最初の一日だけは戸外で塩漬けにし、その後は冷蔵庫に入れてゆっくり熟成させることにしました。

塩は塩田で作られた粗塩を使いました。日本の鮭の場合、鱗はとらずに処理することが通常のようですが、こちらの鮭の鱗は日本のものより堅い気がするので、一応鱗はとりました。全身に塩をまぶして受け皿に入れます。このとき、析出してきた水に身が漬かると臭みが移るので、ちょっと浮かしておくことがポイントです。

二日目からは冷蔵庫で熟成して、一週間後くらいに塩抜きをして干して完成予定です。来週には食べてみる予定です。さて、どうなることやら・・・・

牡蛎とサンドレ

金曜の夕食は、牡蛎とサンドレです。牡蛎は、日本タイプのものはカキフライにして、ブロン牡蛎を生牡蛎としてたべることになりました。ブロン牡蛎は普通の牡蛎に比べて開けるのが少し難しかったのですが、殻を少し切ってから開けると簡単に開くことが分かりました。

ところで、このブロン牡蛎ですが、桶にはディスプレイ用の海草と、牡蛎が13個入っていました。店頭で牡蛎を一ダースと言って買うと、13個入れてくれることが多いのですが、これはお店のサービス(クレーム予防)だと思っていたのです。しかし、箱入りの牡蛎まで一個多めに入っているとは・・・牡蛎の世界では、一ダースといえば13個のことなのかもしれませんね(笑)

サンドレは、素直に塩焼きになりました。初めての魚の味をみるためには、最も良い調理方法だと思います。味は、かますとスズキの中間、白身でこくのある味でした。とても淡水魚とは思えない洗練された味です。フランス人が好むのも分かる気がしました。

以上で今週の魚は終りです。来週は塩ジャケで御茶漬けかな(笑)

ところで、先日カメノテの情報を頂いた方から、追加情報を頂いたのですが、その中にあったHPがとてもよく出来ていて、なんとマンボウの食べ方まで載っていました。これを参考に、マンボウを買って食べてみたいですね。

http://www.syoku-my.com/bouz/zukan/

ではでは。