ロンドンの魚屋事情

2002年3月2日 日曜日

今週は金曜からロンドンに行きました。用事は金曜の夜で終わったのですが、土曜の夜を宿泊するとユーロスターが異様に安くなるので、土曜もロンドンに泊まることにしました。で、土曜日は、魚屋と魚図鑑探しをすることにしました。

まず午前中、ロンドンの先輩に教わった、有名なマーケットのひとつであるPortobello Roadに行ってみることにしました。ここは地下鉄のNotting Hill Gateから歩いて5分くらいの場所から始まる長大なマーケットで、アンティークや食器、洋服などが中心のマーケットですが、一部に生鮮食品を扱っている場所があるそうなのです。

このマーケットは月曜から金曜までは通常の商店街ですが、土曜は出店がたくさん出てパリのマルシェ状態になります。駅に降りると、このマーケットに向かう人で道路は大混雑でした。

さて、マーケットを眺めながら延々と歩くと、やっと生鮮食品を売っている場所に到着しました。しかし、八百屋とパン屋ばかりで、魚屋はありません。前日ロンドン在住の方から、ロンドンには魚屋は少ないと聞いていたので、マーケットにも出ないのかなあ・・・と思っていると、ありました。魚屋です。

しかし、売っているのは半分くらいが干物の魚で、生鮮品はサバ、タラ、タコ、イカなど、ごく限られた種類だけです。珍しいのは一種類だけで、カスミアジに似た魚の冷凍品が売られていました。

鮮度もイマイチの感じで、生で食べれそうなものはありません。パリのマルシェとはだいぶ違うようです。やはりロンドンでは、魚は生では食べないものなのでしょうか。

しばらく歩くともう一軒魚屋を発見しました。こちらには、前の魚屋よりも少し多めに魚があります。しかし、圧倒的に冷凍物が多いのです。カスミアジも冷凍されていました。

他に、もう一種類だけ見たことのない小魚がいましたが、これも冷凍されていました。まあ、これらの店は冷凍車でやってきて、屋台で店を出す方式の魚屋ですから、基本的に冷凍物でないと扱えないのかもしれません。

この日のうちにパリに帰るのであれば、カスミアジを買ってみたいところですが、残念ながらこの日もホテル宿泊の予定なので買うわけにはいきませんので諦めました。

不思議なことに、店頭の魚には名札や値札がついていないものが多く、値段も分りませんでした。交渉して買うものなのでしょうか。

さて、このマーケット、数キロに及ぶ長大なマーケットですが、生鮮食料品を売っているのは300mほどで、またアンティークなどの食品以外のマーケットになります。どこまで続いているのだろうと、どんどん歩いていると、地下鉄のLadbroke Grove駅を過ぎてもまだ続いています。

こうなったらやけだ(笑)と思いながら歩いていくと、突然前方に店がなくなり、マーケット自体が右折します。そして・・・そこに魚屋がありました。これまでの2軒のように、冷凍車で乗り付けて屋台を開くような魚屋ではなく、完全常設の「魚屋」です。

魚の種類もさすがに多く、見たことの無い魚がたくさんあります。

上の写真で、中央左の赤いタイ、その上の黒いフエダイ、真ん中下のシマアジ、右上の青ブダイなど、どれもパリではあまり見かけない魚です。特にシマアジに見える魚は、カスミアジかもしれませんが、いずれにせよ鮮度がよければ買って刺身で食べたい魚です。写真には一部しか写っていませんが、左上には黒い太刀魚もいました。

パリとロンドンは、漁場は同じはずですし、例えばシマアジやカスミアジは地中海でしか獲れないはずなので、なぜロンドンの魚屋にいてパリの魚屋にいないのか不明です。でも、今回はロンドンの魚屋さんを発見し、色々新しい魚を見ることができたので、大収穫でした。

午後は本屋廻りをして、魚図鑑を二種類買ってきました。世界一大きいといわれるピカデリーサーカスのWater-stoneという本屋には、魚図鑑がほとんど無かったのですが、London在住の先輩に教えていただいたFoylesには、色々な魚図鑑がおいてありました。ただ、オーストラリアや南アフリカの魚図鑑、淡水の魚図鑑はたくさんあるのに、何故か英国周辺の海の魚図鑑はほとんどありませんでした。やはり英国人は海の魚には興味がないのでしょうか・・・・

ところで魚には何の関係もありませんが、ロンドン旅行のエピソードを一つ。

日ごろより私は、自分が中国人に見えることには自信を持っているのですが、今回もロンドンで、日本人の若い女性から、「チャイナタウンはどこですか?」と英語で質問されてしまいました。ロンドン在住の中国人に見えたということですから、喜ぶべきでしょうか(笑) で、ちゃんと英語で教えてあげました。彼女、最後まで私を中国人だと信じていただろうなあ・・・・

ではでは。