97年8月24日(日曜日) 涸沼

今日は涸沼ファミリーハゼ釣り大会です。この大会は茨城県の釣り振興団体が毎年行っているもので、上州屋などが協賛しています。わたしは喜多先生からこの大会の存在を教えて頂き、上州屋で参加券を入手しました。

6時半から受付ということだったのですが、集合場所の「秋の月公園」というのがどこだか分らなかったので、ちょっと早目に出発し、6時20分頃涸沼の秋月に到着しました。すると涸沼自然観察公園でテントを張って準備をしているのが目に入ります。早速そこに入り受付を済ませました。既にかなりのグループが到着していましたが、みんな関係者の方々らしく、我が家の受付番号は1番です。参加料500円のうち、300円が入漁料で、200円がジュース代(ジュースを2本もらいました)だそうです。ということは、参加賞や大会の賞品は全て協賛品ということで、これは絶対参加したほうが得な大会だと感じました。

さて、集合場所には続々とファミリーが到着しますが、中にはかなり本格的なハゼ釣りスタイルの人もいます。我が家は涸沼では一度も釣ったことが無い上に、ハゼ釣りはあまりしないジャンルなので、最初からハゼ総重量での入賞はあきらめ、一発大物狙いで行こうとあゆみと相談します。

7時10分から簡単な説明があり、釣り開始です。少しは釣れる場所の説明があるだろうと期待していたのですが、驚いたことに、釣り場の限定はなく、どこに行っても良いそうです。みんなは車で思い思いの場所に走っていってしまいます。我が家は全く土地勘がありませんので、みんなが走っていったあとを追いかけますが、バラバラに分かれていくのでどうしようもありません。とりあえず近くにある広浦港に行くことにしました。

広浦港も釣り大会のメンバーで一杯です。我が家は、あゆみの投げがまっすぐ飛ばないこともあるので、他の人に迷惑にならないように、人のいない側の堤防の、さらに人のいない先端部分に入り、釣り開始です。ちょうど、その辺りでだいぶ前から釣っていたというお二人が竿をしまうところだったのです。

「釣れましたか?」

「ぜんぜん、何も釣れなかったよ」

お二人はあまり釣りに慣れていない感じでしたが、それでも何も釣れないっていうのはちょっと不安な言葉です。

「あゆみ、どうやって釣る?」

「投げ釣り」

「ハゼはさびいたほうがいいよ」

「わかった」

ということで、あゆみは自分の竿で釣り始めますが、全く何も釣れません。私もあゆみの準備を終え、自分の竿を作って釣ってみますが、あたりすらありません。

あゆみは既にサビクのをあきらめ、置き竿モードです。10分ほどして、その置き竿に初めてのハゼが来ました。

「ぱぱ、ハゼ釣れた」

「やったね。」

cmほどのチビですが、ハゼがいることが分り安心です。最初の大会事務局の説明で、1匹でも釣れば賞品が貰える可能性が高いと言っていたので、これでノルマ達成です。

しかし後が続かないので、私は堤防の先端で釣ることにしました。先端の内側で餌をゆっくり動かしていると、ハゼとは違う強いアタリです。上がってきたのは10cmほどのセイゴ。

「おーい、セイゴが釣れたぞ」

「いいなあ。私もセイゴ釣りたい」

既にハゼ釣り大会であることは忘れて、二人でセイゴ狙いをします。しかしなぜかそこでハゼが釣れはじめます。当たりはぽつぽつで、針に乗らないことも多いのですが、それでも少しずつハゼの数が増えていきます。

「あ、引いた。あれ?エビが釣れた」

あゆみが今度は手長エビを釣り上げます。

「これ面白い。あ、痛い痛い。」

あゆみは手長エビに指を挟まれ大騒ぎです。でも何か釣れれば楽しいのが釣りです。

しかし9時頃になると堤防上は暑くて釣りにならなくなってきました。

「あゆみ、ジュースでも買ってこない。」

「なんで私が行くのよ」

「だって、パパの方がハゼ沢山釣ってるじゃん」

「じゃあ私の好きなもの買ってきてもいい?」

「うん」

あゆみは買い物に行きアイスクリームを買ってきます。

アイスクリームを食べながらハゼ釣りをしていると、向かい側にいた大会役員さんが声をかけてきました。

「お、お嬢ちゃん何か釣れたね」

慌てて後ろを振り向くと、あゆみが竿と格闘しています。

「パパ、重くて上がらないよう」

「大丈夫、大丈夫」

と言いながら手伝ってあげてみると、何とヘラブナです。サイズは24cm。大会役員さんからまた声が掛ります。

「大物賞候補だね。餌は何」

「青イソメですよ」

「青イソメでヘラブナですかあ」

苦笑いをしつつヘラブナをスカリに入れます。あゆみは久々の大物に大喜びです。

しかしその後は大きな動きも無く、退屈したのでルアーでセイゴを狙ったりして、ハゼ釣りの趣旨をほとんど忘れた釣りになってしまいました。結局10時半の集合時間にあわせ、10時15分に納竿としました。

結局ハゼは14匹で70グラム。外道にヘラブナ、セイゴ、手長エビという結果でした。本部に戻ったところ、フナはもっと大きいのを釣った人がいて大物賞は駄目でしたが、グッドマナー賞を頂けることになりました。ハゼ釣りの順位は12位で1位は41匹も釣っていました。やはり地元の人には全くかないませんね。でも結構楽しい釣りになりました。午後は大洗の水族館で巨大シマアジに感動して帰ってきました。来年の大会も楽しみです。