98年3月7日(土曜日) 日立港

今週もまた日立です。今回のメンバーは私ときむ(木村)さんに加え、昨年イシモチ釣りを一緒にした金子さん(カネゴン)です。金子さんは大物投げ釣り師としてAFISの投げ釣りコーナーを担当しているので、先週の私の釣果を聞いて、早速釣りに来たのです。私も先週と同様、朝3時半までかかって淡水真珠を使ったカレイ専用仕掛けを5組準備してきました。きむさんもまた工夫してきたようです。

ところで、先週の釣り日記で、詳しいマップ入りの日記を書いたところ、数人の方から情報が詳しすぎると、そこに人が集中するので良くないのでは?とのご指摘を頂きました。確かにこのホームページは、毎週200名以上の方がコンスタントに見ておられますので、この寒い時期はともかく、暖かくなってくると釣れたと報告した場所だけが混雑しそうですよね。でも、よく釣れる場所は刻一刻と変わるので、あまり場所を限定するのは良くなさそうです。ということで、今週からは詳細なポイントは書かないことにしました。

ただ、写真があるので、地元の人にはすぐ分かると思います。それに、もし場所その他詳しいことが知りたい方は、私宛てにメイルを頂ければ、すぐにお教えしますよ(^^)。

さて、前回と同様平磯のフィッシュオンで赤イソメと青イソメを買い、8時前に日立港着です。カネゴンは夜明けから来ているはずなので、まず荷物を降ろさずにカネゴンのところに行って聞きます。

「釣れた?」

「うん、1匹上がった。38.5センチ」

「やったね。でも結構混んでるね。」

「うん。朝5時に来たのに、もうこの場所しか空いてなかったんだよ。」

「こりゃー3人は無理かなあ・・・」

「まあ、いいじゃん。半分譲るからやったら?」

と、カネゴンの優しい言葉で、早速釣り開始です。ただ、今日は小潮で流れは無いはずと予想していたのですが、目の前は相当な急流です。軽すぎる仕掛けは駄目かもと思いながら一応先週の経験から、軽目の仕掛けをセットします。

しばらくして、カネゴンが30センチ弱の2匹目を上げます。わたしときむさんにはなかなか来ません。しかし、ついにきむさんの竿がしなります。

「なに?引く?」

「ううん、ごみかも」

「でも、相当重そうじゃん。糸も泳いでるみたいだし・・・ほらカレイだ」

慌ててタモですくいあげます。上がって来たのは、44.5cmのマコカレイ。先週の私の記録がもう塗り替えられてしまいました。

「念願の40センチ超だ。」

「ついにやったね。記念撮影だ。」

と喜びつつ、二人が釣ったので、ちょっと焦りが出ます。しかし、私の竿にはカレイは来ません。目の前はすごい急流で、錘がどんどん流され、お祭りの連続です。25号の海草でも流れるので、ついに久々のスパイクテンビンまで登場させますが、それでも場所によっては流れます。どうも堤防の外側は大荒れのようで、沖堤防を波が越えています。そのせいで湾内も急流になっているようです。3色半(85メートル位)飛ばせば、流れの緩やかなところがあるので、集中的にそこを狙います。

しばらくして、カネゴンがまた38.5センチのマコカレイを抜き上げます。さらにきむさんは30センチ弱の中型を上げます。どんどん二人が釣り上げる中、私だけが釣れません。いや、実は、シャコとハゼは釣れたのです。でもカレイは来ません。色々仕掛けも換えてみますが、だめです。

徐々に焦りが出始めた頃、50メートルほど離れた場所の人が帰り支度を始めました。そこで、私だけそこに移ることにしました。どうも、我々以外は誰も釣れていないようで、どんどんと人が帰りはじめます。多分そこの人も釣れないので帰るようなので、今の場所の方が良いのは明白ですが、少々釣れなくても、お祭りにならない方がいいですもんね。

新しい場所で竿3本を投げ終わった頃あゆみから電話です。

「パパ、釣れた?」

「だめ、でも他の人はすごいんだよ。木村さんが44センチで、金子さんも40センチ近いの2匹も釣ったんだよ。他に小さいのも2匹釣れたし。」

「パパは?」

「シャコとハゼだけ。」

「ふーん。パパ先週釣りすぎたんだよ。」

「みんなにそう言われるよ。」

「まあ、がんばってね。」

と電話をしている間に、予想外のことが起こります。相当離れているので安心と思っていた仕掛けが急流に流され、結局きむさんと、その隣の人とお祭りしてしまったのです。そしてもう一本はやはり私ときむさんとの間にいる人とお祭りです。2本同時4人巻き込みのお祭りはパニックでした。

しかし、パニックの中で、きむさんの側にカネゴンがタモを持って駆け寄っています。何事かと遠目に見ていると、カレイです。きむさんが私の仕掛けと絡みながらカレイを上げたようです。早速きむさんと絡んだ竿の道糸を巻きながらきむさんのところに行きます。

「やったね。また釣ったの。」

「Gakuさん(私のことです。)のだよ。」

「え?何?」

「Gakuさんの仕掛けで釣れてるんだよ。」

「ええっ?ああ、ほんとだ。」

「折角やった!、と思ったのに、天秤の上にカレイが付いてるんだもん。変だと思ったんだ。」

「ごめんね。でもきむさんはもう釣ったからいいよね。」

ということで、やっとカレイ1匹確保です。38.5センチでした。釣れた仕掛けは小名浜で日本記録を生んだ「音出し仕掛け」です。

で、別の人と絡んだもう1本の竿ですが・・・実はこれにもカレイが掛かっていたのです。これもお祭りして上がってきたので、どちらの仕掛けを食っているのかすぐには分かりませんでしたが、調べてみるとカレイが食っていたのは私の仕掛けでした。お祭りで迷惑をかけたので、差し上げましょうか?と言ったのですが、いいですよ、と譲ってくださいました。本当に、ありがとうございました。しかし、2本も同時にお祭りして、4人も巻き込むなんて大ヒンシュク物ですね。ご迷惑をおかけした皆さん、申し訳ありませんでした。

ところで、この2匹目のカレイ、上がってくるときにお祭りに自分も巻き込まれたらしく、ラインで尾びれが切り取られてしまいました。で、サイズが分かりませんが、30センチ強というところでしょう。

さて、お祭り大ヒンシュクを反省し、私はさらに遠くに離れることにしました。その頃(1時頃)にはほとんどの人が帰ってしまい、場所が空いたのです。そこで4本竿を遠投して、気持ちよく釣りを再開です。

とりあえずカレイは2匹確保したものの、どちらも自力で釣っていないので、後味は悪いままです。何とか自力で・・・と思っているところで、当たりです。小さいアタリなのでちびだなと思いつつも、空揚げサイズを期待してあげてくると、やはり20センチクラスのカレイです。やったね、と思いながら抜き上げて愕然とします。マコカレイではなくヌマカレイです。当たりに合わせただけあって、針はちゃんと口に掛かっていましたが、ヌマカレイではねえ・・・

「ヌマカレイ釣れちゃったよ。」

「Gakuさん、食べないと駄目だよ。」

「分かってるよ。」

ヌマガレイは味が落ちるのであまり好きではないのです。(でも、このヌマガレイ、空揚げにしたら結構美味でした。)

結構数が集まったので、3人で全部並べて写真を撮ることにしました。上の3匹がカネゴン、左下の2匹がきむさん、右下の3匹が私です。

「ほら、これ尾びれが無いんだよ。」

「ほんとだ。あれ?これイシガレイじゃない?」

「え? あ、本当だ。気づかなかった。」

カネゴンのおかげで、尾の切れたカレイはイシガレイであることに気づかされました。私には初のイシガレイです。公式にサイズが出せないので悔しいですね。でも、これで今日は5目釣り(マコ、イシ、ヌマカレイ、シャコ、ハゼ)を達成しました。

さて、その後しばらくして、やっと私の竿にもまともなサイズのカレイが来ます。重さとアタリで、良型のカレイだということはすぐ分かりました。ポンピングで慎重に寄せつつ、もう一本の手でタモを準備します。何しろ他の二人から見えないところで釣っているので、応援は頼めないのです。慎重に寄せ、タモ入れして一安心。サイズは38.5センチでした。

この後、しばらく釣れない時間が続きます。3時頃、急に数人の釣り人がやってきます。みんな夕マズメのカレイを狙って来たようです。私の側でも3人が釣りを始めます。で、またお祭りです。釣りはじめは流れが急なことにみんな気づかないので、軽い錘やジェット天秤を使ってしまい、どうしても流されてしまうのです。このお祭りをきっかけに、私も元の場所に戻ることにしました。

ちょうどその頃、カネゴンが本日4匹目を上げます。44.5センチのビックサイズです。私は5匹目として15センチのマコカレイを釣り、数だけはトップに立ちます。そしてきむさんが本日3匹目を上げます。35センチです。

「これでGakuさんに、ダブルスコアになるのだけは避けられたぞ。」

「なに言ってんの。サイズ見れば圧倒的にきむさんの勝ちじゃん。」

といっているところで、夕闇も近づき、納竿としました。結局サイズに関しては他の二人に敗れましたが、私としては初めてのイシガレイが釣れたので、満足でした。もちろん44.5センチが釣れた他の二人も大満足です。

釣り具やさんや、地元の人の話、Nifty情報を総合すると、今週は外が荒れたので、日立港全体がカレーフィーバーに沸いたようです。隣のおじさんも同じクラスのカレイと、40センチ近いアイナメを釣っていました。もっと荒れていた水曜日は第3埠頭辺りでたくさん釣れたそうですし、第一埠頭もよかったそうです。日曜日には沖堤防で50センチクラスを含め、45センチ以上が2桁以上上がったようです。やはりカレイはその日の潮によって釣り場所を選択することが最大のポイントですね。

今日は、3人で44.5センチ2匹、38.5センチ4匹、35センチ1匹、30センチ弱2匹、15センチ1匹、イシガレイ推定30センチ1匹、ヌマガレイ24センチ1匹でした。これは希に見る大漁です。よっぽどタイミングが良かったのでしょう。私の仕掛けは最初の2匹以外は淡水真珠仕掛けでした。淡水真珠は少し有効かもしれません。

帰りがけに「やまがた釣具店」にお邪魔して釣果を報告しようと思ったのですが、残念なことに臨時休業でした。来週は私はいけるかどうか分かりませんが、AFISのメンバーはまた日立港に行くようです。どこが釣れるかは前日までの情報収集が命です。さて、来週はどこが当たりかなあ・・・