98年5月4日(月曜日) 日立港

GWの4連休は、一日だけ釣りに行く予定で、一応3日にしておいたのですが、寒冷前線が来るというので中止し、4日の月曜にしました。朝方は曇りでしたが、徐々に晴れてきていいお天気の一日でした。

今日はあゆみの希望で日立です。昨年の5月4日に、あゆみは日立港で40cmのカレイを釣ったのですが、今日はカレイ狙いではなく、シャコ狙いだそうです。3月にパパが釣ったシャコが口内炎のため食べられなかったので、あゆみはシャコが食べたくて仕方が無いのです。

6時に起床して取りあえず日立に向かいます。一日中釣れるシャコ狙いなら、こんなに早起きする必要はないのですが、ゴールデンウィークのさ中ですから場所取りが難しそうです。そこで、とりあえず少し早目に出ることにしました。日立港到着は7時半です。

今日の狙いはシャコということなので、第一埠頭、第二埠頭、第五埠頭のどれかが良さそうです。本当にシャコだけなら、以前きむさんと29匹のシャコを釣った第二埠頭が最適という気はしたのですが、私はカレイも狙いたいので悩みます。さて、どの埠頭を選んだでしょうか? ヒントは右の写真です。足元にあるのは石炭です。(もうお分かりですよね)

埠頭に着いてみると、すごい強風の北東風です。北側はとても釣りになりそうにありません。しかし南側には船が入っていて釣りができません。先端にあたる東側は満員です。やむなく、北側に風除け場所を見つけ、そこを基地にして東側でシャコ釣り、北側でカレイ釣りをすることにしました。あゆみは久々の早起きがきいたのか、まだ車の中で寝ています。

まず、私のカレイ仕掛けをセットし、北東に向かって投げます。でも2色程しか飛びません。まあ、カレイは近くにいることもあるので気にせず、4本竿を投げ込みます。仕掛けは遊動天秤にカレイ針14号段差2本、餌はアオマムです。しかし、餌がそのままの状態で戻って来るくり返しです。

その頃あゆみが起きたのであゆみの方も4本竿を作ります。こちらはシャコ狙いですから、7号流線3本針で、餌は青イソメです。

「パパ、餌は短く付けたでしょうねえ。」

「大丈夫。シャコ釣るんでしょ。」

「うん。どこがいいの?」

「シャコは埠頭の先端がいいよ。ちょっと隙間に入れてもおう。シャコはチョイ投げだから大丈夫。」

ということで、ちょうど先人の一人帰って空いた先端部の角の隙間に入ります。ちなみに、その先人は、ここでよく見かけるおじさんで、「当たりなかんべ。帰るわ。」と一声かけて帰っていきました。

「シャコは10メートルくらい投げればいいからね。」

「そんなんでいいの?じゃあ、私がやる。」

「どうぞ。風が強いから右に流されないようにね。」

と言ってる側から右45度方向に錘が飛んでいきます。これは風のせいではなく、投げ方が悪いんですね。

「あーあ、絡んじゃったかなあ」

「隣の人も右に流れているみたいだから大丈夫じゃない?ちょっと巻いてごらん。」

「うん。そうみたい。よかった。」

シャコは置竿での待ち釣りですので、このまま20分ほど置きます。

9時半頃、私の竿を上げようとすると魚の引き込みです。クイクイという、カレイ独特の引きです。サイズはそれほどでもなさそうですが、待望のカレイの引きですので、期待が膨らみます。足元近くまで寄せてみると30cm位のマコカレイです。

さて、ここで困りました。まだタモを組み立てていなかったのです。カレイ狙いとしては最大の失策です。あゆみを呼んで竿を持たせようか・・・とも思ったのですが、以前ヒラメで同じ事をして途中で逃げられ、あゆみが大ショックを受けたので、また同じ事が起きて、あゆみがショックを受けるとると困ります。

結局あゆみに見えないように背中で隠しつつ抜き上げることにしました。針は14号ですから、30cmなら抜けるという気がします。まあ、このサイズだから落ちてもいいや、という気持ちが頭を過ぎります。これが最大の失策でした。

「えい」、と抜き上げ、カレイが1メートルほど水面から上がった瞬間、ふっと軽くなります。皆さんの御想像通り?カレイはさっさと海に帰っていってしまいました。後ろであゆみが叫びます。

「パパ、落としたでしょう。」

「うん、ごめん。見てた?」

「見てたよ!。サイズはどのくらいだった?」

「30cmくらい。」

「パパ、悔しいでしょう。」

「うん、悔しい。あゆみを呼ぼうかと思ったんだけど、あれくらいなら抜けるかと思ったんだよね。」

「ちゃんと呼んでくれなきゃ駄目でしょ。まあいいや、また釣ってね。ねえ、はやくシャコ上げに行こう。」

「ちょっと待って、カレイの時合だから、これ投げ直す。」

「そんなの、あとでいいじゃん。カレイよりシャコの方が大事だよ。」

「えー、シャコの方がいいの?」

「うん。カレイはもう飽きた。シャコが釣りたい。」

カレイに逃げられて、悔しい思いをしている私だけでなく、他のカレイ釣り師が聞いてもショックを受けそうなあゆみの発言です。しかし娘には勝てません。とりあえず私の竿に急いで餌を付け、もう一度同じ場所に投げ込んで、シャコの竿を上げに行きます。

「どう?」

「うん。ちょっと思い。ヒトデかなあ。あ、シャコだ。やったね。1匹GETだぜ。」

この後もシャコとヒトデが1対2くらいの割合で釣れます。巻き上げているときはシャコとヒトデの区別は結構難しいので、上がってきたときのお楽しみです。シャコの数は着実に増えます。ハゼも釣れました。しかし私の方は何も釣れません。

風は益々強くなります。先端にいた人たちもどんどん帰っていきます。先端で景気のいい声を上げているのはあゆみだけです。

「やったー、またシャコGETだぜ!」

この声が聞こえたのか、右隣の人が、帰り際にシャコを2匹下さいました。

「おじょうちゃん、シャコあげようか。」

「ありがとう。」

あゆみは、下さるものは何でも素直に貰うたちです。

「これもあげるよ。」

今度は左隣の人が1匹下さいました。あゆみは大喜びです。シャコを下さった方々、ありがとうございました。特に左隣の方は、我々がシャコ釣りに割り込んだので、何度かお祭りもしてしまい、申し訳ありませんでした。

「これで8匹になったから、あと1匹釣れば、みんな3匹ずつ食べれるね。あと1匹釣ったら帰ろう。サヨリ見に行くんでしょ。」

「うん。」

「何処に見に行くの。」

「涸沼川だよ。きのう喜多先生が4匹釣ったんだって。」

「ふーん。パパも釣ったら。」

「うん、釣ってみるね。」

「じゃあ、早く行こう。あとシャコ1匹だ。」

さて、私の方の竿もそろそろ終盤戦です。青イソメの残りが少なくなってきました。そこで、いつもは入ると追い出される立ち入り禁止区域に入り込んで、真北に投げてみます。さすがに今日は監視員さんが来ず、この立ち入り禁止区域でも多くの人が釣っています。といっても、釣れているのを見たのは10cmほどのカレイだけですが。

しばらくして、この竿を手にとって見ると、魚の感触です。早速合わせて、巻きますが、どうも小物のようです。でも、先ほどの失敗もありますから、取りあえずあゆみを呼びます。

「あゆみー」

ちょっと離れているので、どうも聞こえないようです。「まあ、小さそうだからいいか、」と思いながらあげてくると、だいぶ近づいたところで、強い引き込みを見せます。これは良型の感触です。慌てて再度あゆみを呼びます。

「あゆみー」

「なに?」

「タモ持ってきて。」

「えー、なんか釣れてるの。」

「うん。カレイだと思うけど、まだ見えない。」

あゆみがタモを持って走ってきます。

「早く巻いてよ。」

「ほら、やっぱりカレイだ。あゆみ、タモ降ろして構えといて。」

カレイを誘導してタモにいれます。

「やった、カレイGETだぜ!。パパ、朝のカレイのかたきをとったね。サイズ測って。」

「うーんと、35cmだね。」

「やったね。いい型じゃん。写真とったげるよ。」

「うん。」

何とか朝のカレイを釣り直して、パパの面目を保ちました。あゆみは最後に2匹のシャコを確保して、もらったシャコも含め10匹のシャコを確保しました。

結局これを最後に、1時半頃納竿しました。帰りにやまがた釣具店に寄って御主人に報告した後、サヨリを目指して涸沼川に向かいます。しかし、さすがにGW。どの道も込んでいて、涸沼川についたのは3時半過ぎでした。あゆみはこの間ぐっすりお昼寝です。

涸沼川では沢山の人が釣っていますが、ほとんどの釣り人が、投げ釣りのハゼ?狙いかルアーのセイゴ狙いです。サヨリ釣りをしている人は見えません。サヨリ取りの網も動かしていません。ということは、サヨリはいないのでしょうか。

「パパは釣ってみるね。あゆみはどうするの?」

「いい。パパが入れ食いで釣れたら釣るから教えて。」

私以上に日和見主義のやつです。まあ、私の、「釣りは釣れているときに釣れているものを釣れ」という教えが染み付き過ぎているのかもしれませんね。(^^;;;

私の方は取りあえず空いているところに入って、サヨリ釣りをしてみます。コマセを少しずつ撒きながら、のべ竿での釣りです。しかし、当たりは全くありません。水が濁っているので、魚がいるのかどうかは分かりませんでしたが、30分ほど粘っても、結局何も来ませんでした。(30分じゃあ、コマセが効く前ですね。)

どうもサヨリ釣りには結構コツが有りそうですが、私は普通のサヨリ釣りもあまりしたことが無いので、良く分かりません。とりあえず、あまり遅くなると道が混むので、4時半くらいには納竿して、帰宅の途につきました。ちなみにこの間あゆみは何をしていたかというと、側の土手で花を摘んでネックレスや腕輪を作っていました。

「あゆみ、帰るぞ。」

「えー、もう帰るの。私もっと自然の中にいたい。ここ、「自然!!」って感じがするんだもん。」

「筑波だって自然だろ。」

「うん。でも筑波は木は多いけど、お花が無いじゃん。」

GWの渋滞はいやですから、あゆみを説き伏せて帰ります。帰りは筑波まで、きむさん得意の下道で帰りましたが、この裏道さえ、所々で渋滞して、筑波に着いたのは6時半頃でした。

「今日はシャコをいっぱい釣ったから満足だい。」

「あゆみはシャコ10匹釣ったから100点だね。パパは2匹のうち1匹しか上げられなかったから50点かな。」

「じゃあ、私は7匹釣っただけで10匹になったから130点だ。」

「うーん、なるほど。」

何で130点かは分かりませんが、あゆみは完全に目的を達しました。他人にとっては外道でも、それが主目的なら立派な釣果ですね。私の方も、今期最後のつもりのカレイ釣りで、2枚掛けることができて(上げると書けないのが辛い)満足です。この状況なら、もう1回くらい挑戦してもいいかなという感じです。

さて、今週の土曜は久々に北新堤防のサバとアジの様子を見に行く予定です。そろそろ来ているかも。来てなければ、夕方は南浜のイシモチ狙いかな。

では。