98年5月23日(土曜日) 那珂湊
今週はARCサーフ会長の近藤さん(近さん)が久々に茨城にやってきます。当初の予定は那珂川でフッコ・セイゴの爆釣をしようということだったのですが、AFISに掲載されているフィッシュオンやフィッシング大洗の情報をみても、どうもセイゴ・フッコは急に不調になったようです。そんな中、近藤さんが目をつけたのが、フィッシング大洗のサヨリ情報でした。ということで、今回は那珂湊周辺で、サヨリ、ソイ、セイゴ、イシモチ、うまくいけばクロダイの5本立てで行くことにしました。
私は、今週は特に忙しく、水曜から金曜まで、ほとんど寝ずに仕事をしたので、金曜の午後には使い物にならなくなり、珍しく9時過ぎに東京を出てつくばに戻りました。でも、それから翌日の仕掛け作りをしたので、結局寝たのは2時過ぎ。土曜は午前中あゆみの学校のバザーがあったので、結局、きむさんの車に同乗して筑波を出発したのは12時過ぎでした。
途中近さんに電話したところ、近さんも同じようなタイミングで向かっているようで、平磯のフィッシュオンで待ち合わせをしました。到着は午後1時10分。ここで色々情報を頂き、とりあえずサヨリ釣りに向かうことにしました。フィッシュオンの御主人によると、平磯港でも前日には25cmを越えるサヨリが釣れていたようです。とりあえず、まずサヨリに向かい、夜にぶっこみ釣りをすることにしました。
残念だったのは、フィッシュオンに餌の予約をしなかったので、赤イソメが手に入らなかったことです。途中で那珂湊港入り口の赤沢釣具店にも寄りましたが、やはりそこも売切れ。諦めて青イソメのサンマの切り身で我慢することにしました。ということで、この時点でクロダイが候補から落ちます。もちろん青イソメでもクロダイが釣れることはありますが、やはりクロダイブッコミには赤イソメが必要ですよね。もちろんサヨリ釣り用の餌はアミエビです。
さて、サヨリを釣るため、涸沼川についたのは、午後2時半頃です。先週一緒に釣りをしたノビタさんに教わった場所で、ノビタさんも午前中はそこで釣るとのことでした。到着してみると、まだノビタさんの姿があります。
「こんにちわ。釣れました?」
「3匹だけ。隣のおじさんが5匹。」
「サイズはどうですか?」
「小さいんだよね。大きいのはバラシてねえ。隣の人なんか2匹もハリス切れで逃げちゃったんだよ。」
といって見せてくれた袋の中には30センチ級のサヨリです。
「これで小さいんですかぁ。これなら十分だけどなあ」
ということで、ともかく釣れることが分かったので、早速準備開始です。でも私は、ドジな事に、前日準備したサヨリ釣り用の延べ竿を、きむさんの車に乗せかえるのを忘れてきてしまったのです。仕方が無いので、イシモチ浮き釣り用の3号竿を使うことにしました。しかし、ノビタさんによると、堅い竿だとバレ易くなるそうです。
「その竿じゃあ、大きいのが足元でバレて悲しい目に会うよ。」
「Gakuさん、竿貸してあげようか」
近さんときむさんの二人から優しい言葉が掛かりますが、私は磯竿を折るのが得意?なので、ちょっと人には借りられません。
「いいよ、今日はこの竿でサヨリを上げる練習だ。」
「じゃあ、ドラグゆるゆるにしとくといいですよ。」
この近さんのアドバイスが、後になって効いてきます。
さて、早速サヨリ釣りを始めたものの、全く当たりがありません。サヨリは相当時合いが厳しいようで、サヨリ釣りベテランのノビタさんも休憩中です。私も浮気をしてセイゴ狙いで1本ブッコミ竿を投げ込んでみますが、こちらにも全く当たりがありません。
きむさんは日和見主義計画?で、誰か釣れるまでは釣らない体勢に入っています。私もぼんやり時合いを待っていました。しかし近さんは違ったようです。時合いはまだと見て、別の釣りをしていたようです。で、突然近さんが魚を釣りあげます。銀色の魚体が見えますが、サヨリにしては太いようです。
「釣れたの?」
「なに、この魚?」
どうも悩んでいるようです。近さんの近くにはきむさんがいたので、きむさんに声を掛けます。
「きむさんなら分かるでしょ」
といったものの、近くで見ているきむさんも悩んでいるようです。
ノビタさんが近寄って言います。
「ああ、マルタだ。ネコマタギって言うんだよ。美味しくないから。」
確かに、マルタでした。
「ふーん、でも写真撮っとこう。」
「どうやって釣ったの。」
「アオイソメでさびいてたんだよ。我々はサーフを名乗るんだから、やっぱり投げてさびかないとね。」
さすがARCサーフ会長です。実は、マハゼの写真が必要で、狙っていたそうです。その後近さんは、ハゼも釣りますが、これは淡水系のハゼでした。
しばらくして、50メートルほど左の釣り人がサヨリを上げます。これを見て、きむさんと私も俄然やる気が出ます。ただ、真剣にサヨリを狙うのは初めてなので、要領が分かりません。一応市販のサヨリ仕掛けを買ってきたので、浮きはシモリ浮きの5連です。でも、ノビタさんや他の方はみな玉浮き1個で釣っていました。
ともかく餌を付け替えては打ち返していると、突然左に流れていた浮きが止まります。あれ?と思いながら軽く合わせると、魚の感触。一気に抜き上げたのは30cmのサヨリでした。
「釣れましたよ」
「やあ、本命だ。よかったね。」
ノビタさんも喜んでくれました。2月にノビタさんに聞いて以来、釣りたいと思っていたサヨリです。やっと釣れたので安心しました。ただ、この時、サヨリが簡単に抜きあがったのが、少し尾を引きます。
しばらくして、今度はきむさんの竿に掛かりますが、途中でバラします。やはりサヨリはバレ易いようです。ノビタさんや、隣のおじさんは40センチ級を釣ります。
ところで、ノビタさんの写真の後ろに写っている、このおじさんは、我々とは全く別の釣り方です。2本の竿を置き竿にして、浮きを流しているだけです。それなのに、結構な確率で釣ります。御本人は、足を痛めて歩けないから、こういう釣り方をしているんだとおっしゃってましたが、実は効率的な釣り方なのかもしれません。
私の方は、その後2回当たりがありますが、餌だけ取られます。しかし、合わせが早すぎたことに気づくのは、もう少し後です。
しばらくして、近さんがついにサヨリを釣りました。これは40cm級の大型です。
「やったね。」
と声を掛けているうちに、私の竿にも掛かっていたようです。竿を上げようとすると、サヨリが海面に跳ねます。あっ、と思ったときにはサヨリは外れていました。
「あーばらしちゃった。」
その5分後、またバラシです。しかし、やっと浮きの変化にも慣れてきて、サヨリの当たりが分かるようになってきました。ともかくサヨリは、下に引くのではなく横に走ることの方が多いようです。浮きの動きも、横方向に注意するのがポイントのようです。
しばらくして、来ました。サヨリの当たりです。浮きが横に走ります。そこでこれまで通り合わせると、思いもかけないことが起こりました。ドラグから糸が一気に出ていったのです。そうです、近さんに言われて、ドラグをゆるゆるにしていたのを忘れていたのです。しかし、これが良かったようです。サヨリを少し泳がせて、慎重に上げると、上がりました。これがサヨリ?と思うような、40cm近いサヨリです。
「やあ、これは大きいね。」
「ええ、やっと釣れました。」
「よくバレなかったね。」
「近さんに言われたドラグゆるゆるが良かったみたいです。ねえ、近さん、ゆるゆる良かったよ。」
「でしょ、常識ですよ。」
この大型のサヨリには、早合わせや、強い合わせは禁物のようです。1匹目の30cmクラスであれば、簡単に抜き上げることも可能ですが、大型のものは、軽く合わせて針掛かりさせた後は、しばらく泳がせて落ち着かせてから抜き上げるのが良いようです。
この1匹に気をよくして、さらに狙います。しばらくして、また当たり、今度もうまく泳がして、抜き上げます。今度はどう見てもサンマより大きい良型です。お腹は卵で一杯のようです。(自宅で測ってみると、41.5cmでした。)早速ノビタさんに写真を撮ってもらいました。
一応家族分の3匹が釣れたので、安心しました。ノビタさんは5匹目に40センチ級を上げて、先にお帰りです。今日は最初から、5匹が目標だったそうです。潮止まりになり、置き竿釣りのおじさんも午前中と合わせ、10匹近く釣って帰っていきました。時合が終わると釣れないのか、釣り人はみんな一斉に帰ってしました。残ったのは我々3人だけです。潮は完全に止まっています。
「こうなると釣れないんですかねえ。」
「また流れはじめるまで待ちます?」
などといいながらぼんやりしていると、突然近さんが魚を釣ります。30cmクラスのサヨリです。
「ちょっと遠くに投げてさびいてたら釣れたんですよ。」
サビキ派近藤?の面目躍如です。
「やっぱり魚はいるんですね。」
とうことで、やる気を復活させた我々ですが、その後はサヨリは釣れませんでした。潮が逆に流れはじめても駄目なようで、結局6時前にこの場所は納竿としました。まだ、次の那珂湊でのイシモチとソイ狙いが残っているので、あまり遅くまでここで粘るわけにはいかないのです。
コンビニによって、那珂湊港の外側に到着したのは、午後7時過ぎ。既にほぼ暗くなっており、海底の様子が分かりません。取りあえず天秤仕掛けを作って投げ込みます。しかし、下は根が多い様で、根掛かりが頻発します。特にサビくのを身上としている近さんには辛い場所のようで、3投3根掛かりで、早々とリタイアです。我々も場所移動しようかと相談しているところで、きむさんがドンコを釣り上げます。私の竿にも当たりが出始めますが、なかなか針掛かりしません。きむさんはドンコをぽつぽつ釣っていますが、ソイやイシモチは来ないようです。ドンコのサイズも小さく、全てリリースです。
その時、私の竿に大きな当たりがあります。慌てて竿に飛びつき合わせを入れますが、どうも先が根掛かりしているようです。魚は間違いなく掛かっていて、手にゴンゴンと当たりが伝わってくるのですが、その先が根に入っているようで、抜けません。この当たりはイシモチっぽいので、ぜひ上げたかったのですが、結局途中で切れて、魚は上がってきませんでした。
その後もポツポツ当たりが来ますが、どうもドンコのようです。私もついにドンコを釣ります。結局ここはドンコの山と判断し、8時半に納竿としました。近さんはこれでお帰りです。きむさんと私は、平磯で最終戦をすべく、フォッシュオンに戻って、いろいろ情報を集めます。で、イシモチなら先端しかないということになり、平磯港の先端に入ることにしました。
先端まで行ってみると、10本近い竿が出ていますが、全く釣れていないようです。我々も参入して、いろいろ試してみましたが、結局根掛かりで針を取られただけで終わりました。で、11時過ぎに諦め、今日の釣りを終わりとしました。
まあ、今回は目的のサヨリが釣れたので満足でした。特に、40センチ級のサヨリは、魚屋でも見たことの無いサイズだったので、嬉しいですね。もう今年のサヨリ釣りは終わりのようですが、また来年、ぜひ行ってみたいですね。
那珂湊の夜釣りは、もう少し仕掛けを工夫すれば楽しめそうです。そのうちもう一回挑戦してみます。でも、イシモチ釣りはやはり鹿島ですね。ということで、来週は鹿島でイシモチ釣りの予定です。家庭の都合で、6月はほとんど釣りが出来ないかもしれないので、早く釣っとかなくっちゃ!!
では。