98年7月3日(土曜日) 平磯・日立

ここしばらく鹿島方面ばかりだったのですが、AFISのHPで平磯のフィッシュオンからの情報をみると、アイナメが相当良さそうです。それに、大洗や日立港でイカが釣れているという噂もあります。これらの情報の真偽を確かめるため、今日は久々にきむさんと日立方面に行くことにしました。

前日にきむさんがフィッシュオンに電話して聞いたところ、アイナメは早朝でないと大型は望めないようですし、ここしばらくは少し調子が落ちているようです。でもチャンスはあるかもしれないということになり、8時に筑波を出て、一路平磯のフィッシュオンに向かいます。

「おはようございます。ちょと遅くなっちゃいました。アイナメ釣れてます?」

「うん、今朝も朝早くに釣れたみたいだよ。こんなタケノコメバルも釣れたんだよ。」

「イカはどうですか?」

「大洗の新堤で釣れてるみたいだね。あと磯崎でポツポツかな。」

「じゃあ、まずアイナメ狙いかな。」

ということで、平磯の磯でアイナメを狙ってみることにしました。ただ、困ったことに今日は昨日に続く猛暑です。フイッシュオンに到着した9時半には、既に外に出るのが嫌になるくらい暑い太陽が出ています。でもせっかく来たのですから、釣らないわけにはいきません。とりあえず赤イソメと青イソメを買って、平磯海岸に行くことにしました。

平磯海岸はほぼ完全な磯場ですが、磯のすきまの所々に砂地があるので、そこを狙って釣るのがセオリーです。今日は根掛かりに強い捨て錘式の1本針で勝負することにしました。

アオマム餌にして投げると、割とすぐ当たりがあり、20cm弱のクジメが釣れてきました。

「きむさん、釣れたよ。」

「アイナメ? クジメ?」

「クジメみたいだね。」

幸先良いスタートができたので、何とか暑さも我慢できそうです。しばらくしてまたクジメが2匹連続で釣れますが、その後は当たりが遠のきます。1時間ほどして釣れたのはダイナンギンポ。クジメは来なくなりました。

きむさんの方も最初は釣りをしていたのですが、あまり釣れないようです。見ていると、竿を置いて、なんだか岩場で格闘しています。潮溜りの穴の中で何かをとっているようです。

「どうしたの?」

「ほら?」

「なに、それ」

「ソイだよ。」

「えー、どうしたの?」

「手で取ったんだよ。」

「すごーい」

この後きむさんは立て続けに2匹のソイを素手で捕まえます。サイズもそれなりに立派で、十分塩焼きにはなりそうです。私の方にも当たりがあり、釣れたのは小型のソイ。でも、きむさんが手で取ったほうが大きいんですから、ちょと悔しいものがあります。結局これで打ち止めで、暑さに耐えかねて、12時過ぎに納竿しました。ここでの釣果はクジメ3匹、ダイナンギンポ1匹、ソイ1匹でした。

この季節、暑くて昼間は釣りになりません。午前中だけで手は火傷のように赤くやけてしまいました。そこで、ファミリーレストランで休憩することにしました。3時前頃までファミレスで粘り、途中水分補給のためセブンイレブンに寄ります。l小型ペットボトルを2本持ってレジに行くと、レジのお姉さんが話しかけてきました。

「今なにか釣れます?」

「朝方はポツポツでしたよ。この時間は暑いから休憩ですよ。」

「やっぱり昼間は釣れないんですか?」

「魚によっては釣れるんですけど、人間の方が干上がっちゃうでしょ。」

「そうですよね。昨日イカ釣りに行ったんですけど釣れなかったんですよ。」

「イカがいなかったんですか?」

「いや、釣れてる人もいるんですけどねえ。」

「そうですか、我々も夕方はイカ釣りしようって言ってるんですよ。」

「やっぱりイカも夕方がいいんですか。」

「そうみたいですよ。」

ということで、思いもしないところでイカの情報を得てしまいました。さすが日立のコンビニですね????

この情報を頼りに、さらにAFISに情報を下さっている、日立フィッシングセンターに行ってみました。

「イカ釣れてます?」

「釣れてますよ。」

「仕掛けあります?」

「専用のはみんな売れちゃったからねえ。」

「どうやって釣るんですか?」

「みんなはこのヤリイカ用のすってを買っていって、これにイワシをくくりつけてるみたいよ。」

「じゃあ、これ買って行こう。何色がいいんですか?」

「あんまり色は気にしてないみたいだけどねえ。あと餌はいらないの?」

「餌はイワシを釣って、それを使おうと思うんですけど。」

「釣れなかったらどうするの?冷凍イワシ買って行ったら。」

「じゃあ、そうしようか。二人で1パックでいいよね。あと、ハゼ釣れてますか?」

「ハゼは久慈川に行かないとね。」

「ハゼ釣ってマゴチ釣りたいんですよね。」

「おにいさん、考えすぎよ。イワシ釣ってイカとか、ハゼ釣ってマゴチとか。海に行ったら何も考えないでボーッと釣らなくっちゃ。考えすぎちゃあ駄目よ。筑波からなら学生さんでしょ。学生さんは考えすぎるから駄目よ。」

37歳の私に向かって学生さんとは驚きましたが、まあ、きむさん共々筑波の研究者(私は元ですが)なので、あたらずとも遠からずですね。やっぱり考えすぎちゃあ駄目だそうです。

ということで、日立フィッシングセンターのおばさんの面白いアドバイスを背に、日立港に向かいます。(イカ釣りの場所は日立フィッシングセンターに行って聞いて下さいね。写真ではわかりにくいでしょ。メイルでもいいですよ。)

日立港では既にかなりの人が釣っていますが、それでも普段に比べると格段に空いています。やはりこの暑さでみんな退散したようです。残った人にもあまり釣れている様子はありません。ただ、スカリを浮かべている人が3人だけいて、これらの人のスカリの中にはちゃんとイカが入っています。イカはコウイカ類のシリヤケイカのようです。

早速我々もイカ釣りに参入です。まずイワシを釣るためにサビキ仕掛けをセットしますが、イワシはいないようです。日立フィッシングセンターのおばさんの勧めに従って成功でした。で、イカ釣りの浮き釣り仕掛けをセットします。といっても良く分からないので、周りの人を見て、それに合わせます。浮き下は水深を測って合わせました。で、他の人は堤防の近くで釣っていたのですが、私はちょっと沖まで投げてみました。でも、イカの浮き釣りは始めてなので、浮きに当たりがどのように出るのかさえ分かりません。どうなるのかなあとぼんやり眺めていると、突然浮きがグンと引き込まれ、消えてしまいました。まさか?と思いながら巻いてみると、重さを感じます。

「きむさん、タモ手伝ってくれる?釣れたみたい。」

「えーもう?、ほんとに?」

「ほら、ついてるでしょ。」

「ほんとだ。もうちょっと寄せて。」

「難しいなあ・・・あ、逃げた。」

イカは掴んでいたすってを放して逃げてしまいました。何しろイカ釣りは始めてです。どの程度合わせて良いのか分かりません。この後さらに2度連続で乗ったのですが、これもみなタモ入れに失敗して逃げてしまいます。

「イカ釣りって難しいねえ。このままじゃあカネゴンの二の舞だなあ・・・・」

(以前カネゴン(カレイ釣りを一緒にした金子さん)は伊豆でアオリイカを何匹も掛けたのですが、一匹しか取り込めなかったことがあったのです。さすがにカネゴンはその次週に再挑戦して沢山釣った様ですが。)

この3匹目の当たりを最後にイカの当たりが途絶えます。イカはどこかに行ってしまったようです。しばらく何も釣れない時間が過ぎます。このままイカの姿を見ただけで終わるのだろうかと不安が頭を過ぎります。

しばらくして、当たりの無いまま、餌を交換しようと巻き上げてみると、どうも重いようです。

「きむさん、乗ってるみたい。タモよろしく。」

「また来たの?」

「うん、多分小さいけど。」

水面に現われたのは小型のイカです。今回はうまくタモ入れに成功しました。

「やったー釣れたー。やっとイカだあ。」

小型ながらコウイカをやっと手にすることができました。別名スミイカと呼ばれるだけあってすごい墨の量です。墨を吐かせるために何度もバケツの水を交換しました。

その後、私が1匹、きむさんが1匹、また私が1匹と、ミス無しで釣り上げることに成功しました。サイズはだんだん良くなります。やっとイカ釣りにも慣れてきたようです。

しかし、この頃から、遠くで雷鳴が轟きはじめました。時々稲妻も光っているようです。結局この後、私が1匹釣ったところで、雨が降り出す直前に納竿としました。

ここでの釣果はコウイカ(シリヤケイカ)4匹でした。

今日はアイナメは釣れませんでしたが、イカが予定通り釣れたので満足でした。何しろイカを釣ったのは始めてですから。イカが意外と魚と同じように浮きを引き込み、上げるときにも抵抗することが分かって驚きでした。うまくすっての針に掛かりさえすればそんなにバレることもないようです。

このイカ、いつまで釣れるか分かりませんが、また挑戦してみたいですね。でも来週は娘と二人で西伊豆へ海水浴遠征です。本当は家族揃って沖縄の予定だったのですが、諸事情で中止されでしまいました。もちろん伊豆では釣りもします。カネゴンのご指導の下、アオリイカ釣りにも挑戦する予定です。さて、釣れるかなあ。

では。