2010年12月下旬

今回の狙い

途中で一週間休みがあり、釣り場を変えつつあったといっても、三回連続セイゴ⇒カニコースを辿ったので、今回は久々に別の魚を目指すことにしました。と言っても、ネット上に好調な釣果情報はありません。やむなく、定番の場所で、アイナメ狙いをしつつ、初のメジナ釣りに挑戦してみることにしました。

メジナ用にウキフカセ仕掛けを研究し、とりあえず作成します。メジナ用の針は、あえてグレ針を使わず、カワハギ針を使うことにしました。仮に釣れたとしても30センチ以内のサイズなので、懐の深いグレ針は必要ないという判断です。ついでに、ウマヅラがまだいる可能性もあるので、通常のカワハギ仕掛けを二段にして、メジナ狙いに下針も取り付けた、ウマヅラ狙い用仕掛けも作製します。

投げ釣りの方は、前回底の様子が変化して根掛かりが多くなった気がしたので、基本1本針で、カレイ狙いの金玉と淡水真珠をちもとに付けてみました。これで準備万端。出発です。

途中の餌屋では、悩みつつも赤イソメも小さいパックを購入。オキアミと、イワシがいたときのためにアミコマセも購入します。釣果情報が悪い時は、どうしても保険をかけてしまうので、道具も餌も大量になってしまい、荷物が重くて大変です。

釣り場到着は7時前。きむさんの「イワシは早朝だけ」のアドバイスに従い、まずはウマヅラ狙いの仕掛けをイワシ仕様にセットして投入します。

何故かジンタ・・・タナゴ、そしてサバ

釣り開始は7時過ぎです。底のメジナを意識しつつも、表層にいるはずのイワシを狙って、浅いポイントから探りますが、浮きに反応が出ません。気温が低く、コマセもオキアミもなかなか溶けないので、餌が十分に供給できないのも原因のようです。徐々に探る場所を深くしていると、小さなあたりがあり、魚が上がってきました。イワシではなく、アジ・・・それもジンタサイズの小鰺です。

7:20

この時期に小鯵は驚きましたが、とりあえずエサ用に生かしてキープすることにしました。さらに何度か探ると、ぽつぽつとこのアジが釣れ、4匹揃ったところで、今度は浮きに明確な当たりが出ます。お、と期待したのですが、上がってきたのはウミタナゴでした。コマセが効きはじめたようで、ウミタナゴが集まってきたようです。

7:30

ここから先、ウミタナゴの入れ食いが始まります。と言っても、毎回釣れるのは一匹です。釣ってはリリース、釣ってはリリースの繰り返しです。そうしているうちに、またも強い引き。今度は手ごたえもウミタナゴとは全く違います。これは、やっと本命のメジナか、ウマヅラか・・・・・と思ったのですが、なんと上がってきたのは30センチ弱のサバでした。

7:49

まだこのサイズのサバまで湾内にいるようです。きむさんの測定では、表面水温も12度あるようですから、まだまだ水温が高いですね。サバはこの一匹だけでしたが、本格的に狙えば、ちゃんとつれそうな雰囲気でした。でも、サバはいらないので、リリースです。

このあたりから、ウミタナゴではなく、オキタナゴが釣れるようになってきました。オキタナゴとしてはサイズの良い20センチ程度のものが、ポツポツと釣れます。

7:59

最初の頃はこれもリリースしていたのですが、良いサイズが連発するし、今日は他に釣れそうもない気がしてきたので、とりあえずオキタナゴをキープしてみることにします。ちょうどこの頃、きむさんが投げ釣りで良型のドンコを釣り、持ってきてくれたので、これをクーラーに入れたこともあり、自分の釣った魚も何かクーラーに入れたくなったのです。

しかし、面白いもので、キープすると決めると、突然サイズダウンして、大きなものが釣れなくなります。しばらく釣っても、サイズアップしないので、とりあえず休憩して投げ釣りの準備をすることにしました。

投げ釣りは無音

投げ釣り開始は8:30頃です。とりあえず竿を2本準備し、根掛かりゾーンをよけて、外側に遠投します。下は砂地のようで、根掛かりはありません。しかし、魚の気配もありません。餌は時々なくなりますが、この犯人はヒトデのようです。

きむさんはタコ釣り遠征のようですが、これも芳しくないようです。今日はウミタナゴ以外は釣れない気がしてきました。きむさんから、メジナをまじめに釣るように指示が出たので(笑)、ついにウマヅラ・メジナ両天秤仕掛けをあきらめ、完全ウキフカセとします。しかし、初のウキフカセ・・・・難しいですね。餌がゆっくり沈むように、小さながん玉しかつけていないので、沈んでいく途中で、小魚に餌をとられてしまうようです。しかし、その当たりはよく分かりません。

きむさんが表面にいる小魚を釣って、その正体を暴きました。うるめイワシでした。しかし、サイズが小さいので、メジナ仕掛けには掛かりません。トリックサビキで・・・と思ったのですが、アミコマセが解けていないので、餌が針につきません。このウルメイワシ釣りは早々に諦め、しばらくウキフカセを続けますが、やはり当たりが取れません。まだウミタナゴでも釣れるだけ、ウマヅラ仕掛けの方が楽しいですね。

余りに釣れないので、さらに投げ竿を2本準備し、内側にも投げ込んでみることにしました。さらに、小鯵の生き餌仕掛けも1本作り、これも投げ込んでみます。ともかく何でもやってみよう・・・・という状態ですが、釣果は芳しくありません。

とりあえずウキフカセを続けていると、後ろできむさんの投げ竿の鈴が鳴ります。きむさんは遠く離れたところに遠征中です。音が続かないので、ドンコかな・・・と思ってみていると、突然強い引きで、竿尻が跳ね上がります。これはいかんとあわててその竿に駆け寄り、巻き上げると、少し大きめのタイのような魚影が見えます。そこできむさんに声を掛け、仕掛けが太いことを確認して抜きあげてみました。

タイだと思ったのは、残念ながらウミタナゴ。しかし、25センチを超える良型です。このサイズのウミタナゴは初めて見ました。10:30頃の出来事でした。

風が強くなってきた

この頃から、段々と風が強くなってきました。今日の予報は、12時から3時の間に5m程度の風が吹く時間帯があることになっていたのですが、少し風の始まりが早いようです。風向は西ですので、天気予報通りです。段々と内側での釣りが辛くなります。

そこで、外側に移動し、風を背中に受けて、静かな海面でウキフカセをしてみることにしました。すると、きれいにエサも出て、ウキフカセらしい釣りができることが分かりました。ここでウキフカセの練習・・・と思ったのですが、当たりが全くないので、つまらない釣りです。まれに釣れるのはフグ・・・・そして、しばらくコマセを撒いていると、やはりここでもウミタナゴ・オキタナゴが釣れ始めました。

風は一時間ほどで弱まってきましたが、釣況に変化はなく、オキタナゴを釣っては、近くで待っているカモメに食わせる連続です。投げ釣りの方も、ヒトデが釣れるか、餌が無くならないかのどちらかなので、根が掛かり覚悟で近くに投げ込んでみたら・・・・・やはり根掛かりで、仕掛けを2つ失います。

ちょうどそのころ、目の前に漁船が現れ、カニ網を投入していきます。ロープに数珠つなぎにされた網を一つずつ投入していくのですが、それが堤防から50m程の距離なので、根掛かりゾーンと砂地との境目あたりを狙っているようです。これで投げ釣りがし難くなります。手前を狙うか、その先を狙うか悩むところです。手前はアイナメ狙いの根掛かりゾーンですが、そこはきむさんが攻めて釣果が芳しくないので、ダメもとで、仕掛けをジェット天秤に変え、その網の先の砂地でカレイを狙うことにします。あげるときにジェット天秤で浮かせれば、カニ網のロープには引っかからないという作戦です。

やっとアイナメ

しばらく投げ釣りをしていると、隣できむさんがついにアイナメを釣りあげます。しかし、25センチほどの微妙なサイズです。続いて、もう一匹・・・・一応アイナメの時合のようですが、サイズは同じです。

そして、足元に垂らしておいた私の竿にも当たりがあり、同じサイズのアイナメが上がってきました。今日はこのサイズしかいないようです。

13:38

これはさっさとリリースしますが、この後も投げ釣りはヒトデしか釣れません。遠投すればヒトデだけは確実に釣れるのですが、重いだけで動かないので、上げているとすぐにヒトデと分かり、がっかりします。一度だけ、ヒトデと思ったら、シャコが上がってきました。こんなことなら、最初からシャコ狙いをすればよかった・・・とも思ったのですが、手遅れですね。

13:39

きむさんも、ウニを釣ったり、ドンコを釣ったりしていますが、芳しくないようです。

しかし、この中で、きむさんが面白いものを釣りました。良型のアナハゼです。これは久々にみる釣果でした。南日本の魚だったはずのアナハゼもどんどん北に進出しているようですね。

13:52

起死回生の逆転

結局、これといった釣果もないまま、片付けモードに突入です。竿を一本ずつ片付けます。そして、外側に遠投した竿を上げようとすると、魚の感触が伝わってきました。

しかし、その感触は一度だけで、あとは重いだけです。カニ網のロープに掛からないように、何とか早く浮かせようとするのですが、浮いてきません。

「何かかかったの?」

「うん。魚だけど・・・・重いけど余り暴れない。小さい魚とヒトデじゃない?」

「なかなか浮かないならカレイじゃない?」

ときむさんは言いますが、今日は一日裏切られ続けで、釣れそうな気がしないので、期待が持てません。しかし・・・・やってきたのはカレイでした。きむさんにタモ入れしてもらい、上がったのは45センチの立派なマコガレイ。産卵前ですから肉厚もたっぷりで、久々に美味しそうなカレイです。ちょっとサイズ的には一番おいしいサイズを超えていますが、このサイズは必ず雌なので、卵もたっぷり持っていそうです。

、14:37

エサは赤イソメはとっくに使い終わっていたので、青イソメの房掛け。仕掛けは市販の2本針で、その2本とも食べていました。しかし、腹が汚れているので、あまり活発に動いている状態ではないようです。偶然に食事時間になったカレイの目の前に餌があったということでしょうね。

このカレイでバタバタしたので、片付けが遅れてしまい、最後はあわてて堤防を離れました。

帰りがてらに、数日前の大荒れで座礁した貨物船を見学して帰りました。沢山の見学者が来ていました。2隻のタグボートで引っ張って海に戻すようですね。成功すると良いのですが・・・・

悩む料理

さて、今回の釣果は、カレイ1匹、ウミタナゴ多数、オキタナゴ多数、豆アジ5、サバ1、シャコ1、フグとヒトデ少々・・・といった感じでしたが、持ち帰りは、カレイと、オキタナゴ2匹、ウミタナゴ1匹、シャコ1匹に、きむさんからもらった巨大ウミタナゴとドンコが加わりました。ちなみに、豆アジは一部は生き餌釣りに使われましたが、結局全く当たりが無く、生かしバケツに入れておいたものも含め、全てリリースしてきました。

この写真で見ると、きむさんの釣ったウミタナゴの大きさが分かりますね。問題は食べ方です。

ウミタナゴは白身の魚なのですが、いまいち味に特徴が無く、どのような料理にしても、不味くはないのですが、それほど美味しくもないのが特徴です。ネットでいろいろ調べてみると、ナメロウにするのが一番良いようです。

ドンコは、当然肝が重要で、この2匹でも写真のようなたっぷりと肝が取れます。この食べ方も色々とありますが、肝と身を和えたナメロウが旨いようです。

ということで、偶然にもドンコとウミタナゴの美味しい食べ方が一致したので、この両者を一緒にしてナメロウを作ることにしました。ドンコの肝入り、ドンコとウミタナゴのナメロウです。

これはとてもおいしくできました。ただ、深夜に作ったので、翌日はこれを焼いて、サンガにして食べました。

カレイは輪切りにして、半分は塩焼、半分は煮つけにしました。巨大卵も肝も煮つけで旨く、ほくほくの厚身を楽しみました。