2002年1月20日 日曜日 新種・珍種色々

今週は久々に土曜にAuteuilのマルシェに出かけてみたのですが、残念なことに、いつも二軒ある魚屋さんのうち一軒がお休みでした。そのためか、もう一軒の魚屋には長蛇の列ができており、マルシェの外まではみ出しているような状況で、とても並ぶ気にはなりません。

売り物を見ても、珍しいのはソウダガツオくらいで、他にはそれほどめぼしい魚も無かったので、ここで魚を買うのは諦めました。夕方カルフールでも魚屋を覗いてみましたが、メバチマグロがあっただけで、他にめぼしいものも無く、メバチもちょっと悪くなっていそうだったので購入しませんでした。

で、結局今週も日曜にベルサイユのマルシェに行くことになりました。

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日曜11時半、ベルサイユのマルシェに到着です。今日は何故か買い物客が多く、魚屋も混んでいます。

まずはいつも通り、全ての魚屋を見て廻ります。

まず発見したのは、依然として謎の魚であるaiglebarです。(写真右下) 

今日は顔が近くで見れたので、ゆっくり観察してきましたが、どうもアカメに近い魚だという気がしてきました。

欧州には、アカメ科の魚で、アフリカ原産のナイルパーチが流通しているはずで、もしかすると、このaiglebarはナイルパーチかもしれません。正確にはまだ分りませんが、とりあえず図鑑にナイルパーチを追加しておきました。

同じ場所に、もう一種珍しいのがいました。シイラです。(写真左上)

販売名は、やはりDorade Coryphèneでした。切り身で売られていますので、バター焼きなどで食べると美味しいでしょう。

さて、場所を変えてみると、またも珍しいのがいました。正統なるbonite(笑)、ハガツオです。パリの魚屋でboniteの名前で販売しているのは、殆どがヒラソウダで、ハガツオが売られていることは滅多にないのですが、今日は正真正銘のハガツオでした。販売名は、Thon boniteでした。(右写真)

ところが、このBonite、切り身のコーナーでも切り身になって売られていたのですが、何故か販売名はThon blancとなっていました。(左写真)

元々欧州では、というより、日本以外では、カツオとマグロを区別せず、カツオはマグロの一種として扱うのが普通なのだそうです。スーパーに売られているマグロ缶も、中身は大抵カツオだそうで、カツオをThonと呼ぶのは間違いではありません。でも、同じ魚屋で、置いてある場所が違うだけで呼び名まで変わってしまうのは面白いですね。

さて、今日は珍しい魚が多いなと思いながら、さらに別の魚屋に行くと、ついに新種発見です。

販売名はEmpereur(皇帝)で、見るからに深海魚といった顔つきの魚です。一匹ではなく4匹店頭に並んでいましたので、大漁に入荷したのでしょう。

この魚、実は大西洋での漁獲高は結構大きい魚で、キンメダイ目ヒウチダイ科の魚です。図鑑のキンメダイのページにこの魚を追加しておきました。

食べ方は不明ですが、キンメダイと同じようにして食べればよいのではないでしょうか。フランス料理のレシピのページにも名前が出ていましたので、フランス人にとってはそれほど珍しくない魚なのかもしれません。

さて、今日はこれで珍しい魚は終りかなと思ったら、まだいました。Pargeです。日本でもヨーロッパマダイの名で知られており、マダイによく似た種です。

マダイに似た魚としてはPageotが一般的で、沢山流通しているため、このPagreを見ることは稀ですが、今日は珍しく二匹も入っていました。隣にいたフランス人のおばさんたちが、魚屋の店員さんに、「あの魚は何か?」と聞いていましたので、フランス人にとっても、あまり見ることの無い魚なのでしょう。

この魚の写真も図鑑に追加しておきました。

ということで、今日は図鑑の充実が大きく図られ、有意義な魚屋廻りでした。

さて、最後に、本来の目的である魚購入です。結局今日は買いたい魚も無かったので、長年の懸案(笑)であった、Dorade Griseに挑戦することにしました。ちょうど今日はDorade Griseの良いものが沢山入荷していたのです。

今日のDorade Griseは、サイズによってキロ当たりの単価が異なっており、小さくて一番安いものはキロ3ユーロ弱なのに、一番高いものはキロ5ユーロ近くします。といっても、いつも買うDorade Royaleに比べれば半値以下ですから、全く問題ありません。ということで、今日はこの一番高い、一番大きいDorade Griseを買って帰ることにしました。

さらに、カタクチイワシを1キロ、ウニを1キロ買って、今日の買い物は終わりです。

Dorade Griseは片身を刺身に、もう半身を塩焼きにして、頭やアラはお吸い物になりました。結論として、刺身の美味しさは、Dorade Royaleとあまり変わらず、結構脂ものっていて、赤い鯛の仲間のPageotよりはずっと美味しいのですが、塩焼きは鯛の味とは一味違う、ちょっと癖のある味でした。お吸い物はDorade Royaleと同様、美味しくできました。

ということで、Dorade Griseも新鮮なものが入荷していれば、今後、購入対象に加えても良さそうです。

カタクチイワシは新鮮だったので、刺身、塩焼き、煮付けの三種類で食べました。久々のカタクチイワシの刺身もなかなかの味でした。

でも・・・・・ウニは今日ははずれでした。(^^;;; まあ、こういうこともありますね。

ではでは。