2002年518日 土曜日 イカの刺身

珍しいものが少ない・・・

「東京からパリにボスがやってくる」イベントは終わったものの、さすがに一週間毎日2時間睡眠だったので疲れきってしまいました。それでもやっぱり土曜日はベルサイユです。

このところ、ベルサイユの魚屋も、これといって珍しいものが出ません。ウニはほぼ終わってしまったようで、一軒だけかなり高い値段で売っていました。今期最後のウニということで、これをまず1キロ買います。

今の時期は青物が豊漁のようで、サバ、アジ、イワシは店頭に新鮮なものが多く出ていますが、家内が胃を壊しているので、青物は食べたくないといいます。そこで、今日の焼き物は久々の太刀魚にすることにしました。

今日の太刀魚はかなりの大型で、店頭にはまだ三匹もあったので、他を見てから買おうを思っていたら、前にいたフランス人のおばさんが、その太刀魚を二匹買ってしまいます。この大型の太刀魚を二匹買うとは、何に使うつもりなのでしょうか。何はともあれ、慌てて最後の一匹を購入しました。太刀魚はフィレ状態にしたものは他の店でも売っていますが、丸物で売っているのはこの一軒だけなのです。

余談ですが、魚の中には、フィレ状態でしか販売されているのを見ることがないものが多くあります。例えばタラの仲間のJulienne(Lingue)などです。太刀魚やLingueなど、長い魚はフィレにした方がよく売れるのかもしれませんね。

さて、焼き物が決まりましたので、次は刺身ですが、刺身に向いた鮮度のよい魚がなかなか見つかりません。あちこち探したところ、いつもはほとんど買わない店で、小型のマグロのトロが売っていたので、これを買うことにしました。ところが、驚いたことにこの店、同じマグロでも、トロの部分を高く売っているのです。

まあ、マグロの切り身(Thon en Tranches)がキロ27ユーロ、マグロの腹身(Ventre de Thon)、つまりトロがキロ29ユーロですから、その差は僅かですが、それでも、値段を換えて売っている店に出会ったのは初めてなので驚きました。

これで刺身にする魚も手に入りましたが、太刀魚とマグロではイマイチ面白みがありません。そこで、もう一つ刺身の材料としてイカを買って見ることにしました。といっても、いつもよく買うヤリイカ(Encornet)ではなく、Seicheです。このSeiche、パリではコウイカとか、モンゴウイカと呼ばれることが多いのですが、見た感じはコウイカというよりアオリイカに近い感じです。これを確かめてみたかったので、一度買ってみたいとは思っていたのです。それに、コウイカであれば、2〜3日置いた方が刺身に向いているので、鮮度をあまり気にしなくてもいいのです。

これで刺身の材料は揃ったのですが、最後に、もう一つだけ珍しいものを買ってみることにしました。マテガイです。マテガイは日本でも採れますので、ご存知の方も多いと思いますが、何故か私はこれまで一度も食べたことが無かったのです。そこでこれを1キロ買ってみました。写真の量で一キロです。

以上で、買い物は全て終りました。

イカの刺身が絶品

さて、夕食のおかずは、太刀魚の塩焼き、マグロとイカの刺身、それにイカとマテガイのバター焼きに決定です。

まず太刀魚ですが、先日、このページを読んでくださった方からメールを頂いた中に、太刀魚の内臓に寄生虫のアニサキスを発見したという情報があったので、今日買った太刀魚も内臓をよく調べてみたのですが、アニサキスは見つかりませんでした。ただ、太刀魚はアニサキスが寄生するサバやイワシが大好物ですから、アニサキスに寄生されていても全く不思議ではありません。だから太刀魚は刺身では食べないのでしょうね。ともかくいつも通り塩焼きにしました。

イカはやはり私の予想通り、コウイカよりアオリイカに近い種類でした。甲のサイズがかなり小さく、身がたっぷりでした。Casseronの名前で売っている小型のイカは、どう見てもコウイカですので、これとは別種なのでしょう。

身の皮を剥ぎ、刺身にしたところ、すごく柔らかくて、久々に美味しいイカの刺身を食べることができました。内臓と足の部分はマテガイと一緒にバター焼きにしました。

マテガイのバター焼きは、正直言ってイマイチでした。イカの方が美味しいので、どうしてもマテガイが堅く、味もよくなく感じてしまうのです。イカと一緒に料理したのが失敗だったかもしれませんね。マテガイは炒めるとスープがたくさん出るので、このスープをうまく使う料理を考える必要がありそうです。

また、日本のマテガイは砂抜きをする必要はありませんが、こちらのマテガイは砂が入っていることも多いので、料理の前に手で皮をむき、身を取り出して洗ってから料理した方がよいようです。その時に、ついでに内臓の黒い部分も取り去っておくと、美味しく食べることができるかもしれません。

いずれにせよ、マテガイ料理は要検討です。

今期最後のウニスパゲッティ

さて、ウニは次の日にウニスパゲッティになりました。さすがにシーズン終盤のうにだけあって、身はたっぷりで、今にも崩れそうな状態でした。今回のレシピは3月16日のものと同じですので省略です。あゆみはこの生クリームを使ったウニスパゲッティが一番好きなようで、今回はあゆみが自分で作りました。

さて、来週は、もう少し珍しい魚があると嬉しいのですが・・・・

ではでは。