2003510日 土曜日 Sarはイマイチ

トロで迷う

 先週の揚げ物禁止令による腹痛(本当はもっと他に色々理由がありそうですが・・・)も治って、やっぱり魚が食べたくなったので、今週末もベルサイユに行ってきました。

ベルサイユの魚も、日々変わってきています。

マグロのいいものが沢山入るようになりましたし、久々のHirondelle(シマガツオ)も売っていました。この魚、一時日本にもかなり輸出されたようですが、日本ではあまり売れず最近は殆ど輸入はされていないようですね。パリの店頭でもあまり見ませんし、それほど売れないようで一週間くらい店頭に出たままのことも多いので、購入はちょっと躊躇ってしまいます。

今日の新種は、貝類の中で発見しました。Bernique(ジンガザ)です。

このジンガサ、日本では、堤防やテトラポットに沢山張り付いていて、カサガイなどとも呼ばれ、釣りの餌として使われることもあります。実はこのジンガサ、ある種の釣り用の特効餌らしいので、こうして魚屋で売っているとすごく便利なのですが、日本では食用にすることは少ないようで、魚屋で売っているのを見たことはありません。

食べ方が気になるところですが、まあフランスですから単純な塩茹でで食べるのでしょうね。日本では漁村で地元の人が味噌汁にして食べるのが普通ですが、酒蒸しにしても美味しいようです。

もう一つ、面白いものが出ていました。Veau de Marの顔です。

Veau de Marについては、ゴマアザラシ(Veau Marin)ではないかとの説もありましたが、やはりサメでした。鰭が前向きに飾られ、まるでぬいぐるみのサメのように可愛いですよね。こういう遊び心が日本の魚屋にも欲しいですね。

さて、今週のポイントはトロです。

今回は、結構朝早く出てきたので、トロも何箇所かのお店で売っています。トロは売れるのが早いので、朝早く行かないと売切れてしまうのです。

狙いをつけたのは、2箇所の店です。どちらもキハダマグロと思われますが、一方は鮮度は良いものの、脂の乗りが悪く、イマイチトロらしくありません。もう一方は脂の乗りはいいのですが、鮮度が少し悪そうです。

どちらにすべきか悩んで、両方の店を往復していたら・・・上の写真のトロのほうが売れてしまいました。買ったのはやはり日本人の女性でしたが、まさか腹身を半分にせず、まるごと買っていくとは思いませんでした。あれだけの量の腹身を買ってどうするのでしょうね。ちょっと食べきれないと思うのですが・・・・

で、自動的にもう一つのお店でトロを買うことにしました。このトロ、脂の乗りは良かったのですが、なぜか味がイマイチだったので、ネギトロにして食べることにしました。

Sarに挑戦

さて、今週の挑戦は、Sarにしました。Sarはタイの一種で地中海産のタイですが、これまで一度も買ったことがありません。今日は新鮮な大型のSarが沢山出ていましたので、これを買ってみることにしました。

いつものDorade Royaleと同じように刺身と、スープにしてみましたが・・・・刺身はDorade Royaleとそう変わらない美味しさです。ただ、やはりDorade Royaleにはない臭みがあります。スープにすると、さらにその臭みが強くなるようで、イマイチの味でした。

値段からするとDorade Griseよりは高いので、ちょっと期待したのですが、やはりDorade Griseと同じと思ったほうが良いようです。刺身にするなら、やっぱりDorade Royaleですね。

ちなみに、赤いタイの仲間のPageotは、身が柔らかく刺身にするのが難しいのですが、Sarのような臭みは無いので、スープや塩焼きには向いています。

この臭み、種に固有のものかも知れませんが、もしかすると、天然物と養殖物の差かもしれません。以前Dorade Royaleの天然物を買ったときに、同じような臭みがあったことがあるのです。Dorade RoyaleとPageotは養殖物が多いので、臭みがないのかもしれませんね。

結局次の日にSarをムニエルにしてみたところ、臭みも取れ、すごく美味しいムニエルになりました。やはりフランス料理向きの魚ということなのでしょうか・・・・

 

ではでは。