2001年8月14日 火曜日 Dieppeでボウズを食らう

夏休み中に、パリから日帰りで行ける釣り場を開拓するため、パリから高速を使うと2時間程度で到着できるDieppeに行ってみることにしました。出発は朝8時頃です。高速を走っていた約一時間は快適だったのですが、 ルーエンの市内でちょと迷ったこともあり、結局到着まで2時間半ほどかかりました。

Dieppeはドーバー海峡に近いフランスの北岸です。このあたりは白い崖が延々と続く場所ですが、所々が河口で港になっており、その一つがDieppeです。漁港としても有名な場所で、このDieppe独自の魚の呼び方(Dieppe方言?)というのも沢山あります。

さて、到着後、まずは釣り具屋探しですが、これは結構簡単に見つかりました。さすがに夏の最中なので釣り具やさんも結構人気で、沢山の人が訪れていました。我々はブルターニュで学んだように地元のいそめを購入します。

港に近づくと沢山の人が釣りをしています。これはなんだか期待できそうです。何か魚が釣れてないかと、数人見て回りましたが、魚を持っている人はいませんでした。でも、これだけ沢山の人が釣っているのですから、きっと何か釣れるのでしょう。

早速釣りをしたいところですが、その前にトイレです(笑)。フランスの場合、このトイレが結構難問なのです。ここDieppeの海岸にも自動有料トイレはあったのですが、小銭が無かったので、20分ほど走って総合ショッピングセンターまでトイレに戻りました。

さて、トイレも済ませたのです、次の問題は釣り場です。写真のように沢山の人が釣っているので、入る場所がないのです。そこで対岸にわたってみることにしました。対岸はフェリー港です。
対岸への道はちょっと迷いましたし、立ち入り禁止らしいたてふだも有ったのですが、中に入っている人が沢山見えたこともあって、入ってみることにしました。

釣り場として適当なのは反対岸にあるメインの堤防に向かって垂直に飛び出した形の小さな堤防で、フェリー港を守る役目をしています。このDieppeはイギリス行きのフェリーの発着港なので、大型のフェリーが入港してきます。

中は釣り人も少なく釣りが出来そうでしたが、ここはフランス、やはり堤防の高さが並ではありません。写真のフェリーと比べてみても、堤防の高さが分かるのですが、干潮時だったこともあり、水面までは10メートル以上ありそうです。私はともかくあゆみには危険かなとも思ったのですが、お昼が近づいてお腹が空いていたので、ともかくここに陣取ってお弁当を食べることにしました。

あゆみはすぐにお弁当に飛びつきますが、私はとりあえず投げ竿を3本準備し、内側と外側に投げ分けてみることにしました。
とりあえず3本の竿に餌を着けて投げ終わったので、私も弁当にかかります。

弁当を食べながら周りを見ると、ここに来ている人々の釣り方は三種類です。一番多いのがわが家と同じ投げ釣りで、使っているのは、こちらの標準的仕掛けである胴突き仕掛けです。

二番目に多いのが浮き釣りです。餌は何を着けているのか分かりませんでしたが、日本のクロダイ狙いのような繊細さはなく、大ざっぱな浮きでした。

三番目は日本でいう投げさびきで、これは時々投げてみて、あたりが無ければ、しばらくその竿は上げてほっておくという使い方でした。どうもアジを狙っているようです。アジは群れが来ていれば釣れるということなのでしょう。一度、いかにも地元のオジサンという感じの人が子供を連れてきて、4〜5回だけ投げ、さっさと帰っていきました。ああ、地元だなあ・・・って感じです。

私はとりあえず投げ釣りで攻めますが、いずれの竿にもあたりは見られません。食事が終わったので私も自分の竿をあげてみたのですが、餌が完全になくなっているものの、魚の姿はありませんでした。どうも海底には餌取りが沢山いるようです。だからこそ、地元は皆胴突き仕掛けにして餌を浮かすのでしょう。私は天秤にしてみたので、完全に餌獲りの餌食でした。しかし、それにも負けず投げ釣りを続けます。

しばらく見ていると海面に小さな魚が沢山現れました。何の魚かはよく分からなかったのですが たぶんイワシの仲間でしょう。何とかこれを釣ってみたいと思い、早速トリックさびきを浮きに着けて投げ込んでみました。しかし、全く反応しません。小魚の群れは悠々と泳いでいくだけです。

ところが、しばらく見ていると、驚いたことが起きます。この魚をねらう別の魚が現れたのです。この大きな魚の魚体はほとんど見えませんが50センチ前後の魚が時々下からすごい勢いで浮き上がってきてこの小魚の群に突っ込むのです。この時ばかりは彼らもあわてて逃げまどっています

そこで今度はこの魚を釣ってみようと考えました。餌は家から持ってきたlancon(イカナゴ)です。この魚はbarの餌に使えるということなので買ってきたのですが、きっとこの魚も食いついてくれるのではないかと思ったのです。

早速カンパチの泳がせ釣りの要領で餌をつけ、小魚の群れの近くに投げ込んでみましたが・・・・結局ダメでした。

そうこうしているうちに、日本でよく見る事件がここでも起きました。堤防の近くを通った小船が、堤防の先端にいた人の竿を巻き込んで引っ張り落としてしまったのです。こういうのは世界共通なんですね(笑) 堤防のオジサン、慌ててボートに何か叫んでいましたが、後の祭りでした。

結局二時間ほど釣りをしましたが、全く魚の気配が無いのと、あまりに暑いので、釣りを中止し、dieppeの町を見て廻ることにしました。ここは昔からの港町らしく、町並みは夏に訪れたcroisicとそっくりでした。違うのはお土産やさんが殆ど無く、レストランばかりだったということでしょうか。

海岸に出てみると、そこは砂浜ではなく砂利海岸でした。フランスにはこの砂利海岸が多いのです。近くにあるLe Havreも同じような砂利海岸でした。泳いでいる人は少なく、殆どの人が甲羅干しという感じでした。

そしてその内側の広場には、移動遊園地が来ていました。なんとそこには、フランスであまり見ることのできないUFOキャッチャーが多量においてありました。喜んだのはあゆみです。もう釣りのことは完全に忘れ、UFOキャッチャーに夢中です。

ただ、フランスのUFOキャッチャーはなかなか取れません。一回1フランとか2フランとかなので、値段は格段に安いのですが、その分獲りにくくなっているようです。

結局20台以上の機械で遊んで、1個だけの釣果?に終わりました。この釣果に疲れたので、結局釣りは再開せず、帰宅することになりました。

今回の釣りは、完全ボウズではありましたが、他にも釣りをしている人が沢山いたので、ちょっと心が休まりました。次回の釣りは、多分来年の夏になるでしょう。

ではでは。