Bulot | 巻貝の仲間 | 軟体動物門腹足綱 | 年中(秋から春) |
価格帯:様々 |
パリで最も代表的な巻貝といえば、Bulet(バイガイ)でしょう。大抵の魚屋には置いてあり、値段も安く美味しい貝です。日本ではツブガイと呼ぶ地方もあります。リットル単位で取引されます。
小型のマキガイの仲間のBigorneauも多くの魚屋で見ることが出来ます。これもゆでて爪楊枝で食べると、酒のつまみにぴったりです。
マキガイの仲間として忘れてはならないのがOrmeau(アワビ)です。マキガイには見えませんが、れっきとしたマキガイで、殻をよく見ると、巻貝だった頃の痕跡を見つけることが出来ます。パリのアワビは日本のトコブシに近く、小型ですが、身は柔らかく値段も日本に比べると格段に安いので、日本では滅多に食べることの無いアワビを、割と気軽に楽しむことが出来ます。
アワビは、先のとがった包丁を殻の縁から差し込むようにしてはがすと、簡単に殻から外すことが出来ます。内部のうち、緑色の肝も、刺身で美味しく食べることができます。但し、肝の端にある茶色い液体部分は苦いので、この部分は取り去って捨てるようにしましょう。身の部分は硬いので、薄く切って食べます。固い部分と柔らかい部分がありますので、好みで食べ分けるといいでしょう。
Berniqueは日本ではジンガサとかカサガイと呼ばれ、あまり食べることはありませんが、釣りえさとしては良く使われています。よく洗ってから塩茹でにして食べると美味しいようです。
ニューカレドニア島の読者の方から、現地で売られているSauteursという貝が美味しいので名前を知りたいというメールがあり、調べたところ、この貝は日本でも採れるマガキガイでした。中身を取り出して、身だけを販売しているようですね。パリやジュネーブで販売されているのを見たことはありませんが、フランス領で販売されているので、図鑑に入れておきます。マガキガイに近いソデガイは大西洋に生息するようです。
Sauteursの身
仏語名 | 英語名 | 日本名 | 学名 | 分布 | コメント |
Bernique | Limpet | ジンガサ | Patella spp. | 全世界 | カサガイとも言う。塩茹ででおつまみに。 |
Bigorneau | Winkle | タマキビ | LITTORINIDAE | 大西洋 | 少し大型のものはVigneauxと呼ぶこともある |
Bulot | Whelk | バイガイ | Buccinum undatum | Buccinとも呼ぶ。日本のバイガイはBabylonia japonica | |
Lambis | Conch | ソデガイ | Strombus spp. Busycon spp. |
大西洋・北米 | Bigorneauに似ている。 |
Ormeau | Abalone、Ormer | アワビまたはトコブシ | HALIOTIDAE | 大西洋・大西洋 | 販売しているのは小型のものが多いが美味 |
Sauteurs | Strombus | マガキガイ | Strombus luhuanus | 西太平洋 | strombes bouche-rougeとも |