Crabe カニの仲間 節足動物門十脚目 年中(冬)
価格帯:5〜10eur/kg

パリでカニといえば、やはりTourteauでしょう。このカニ、日本のイチョウガニに似ているので、ヨーロッパイチョウガニなどと呼ぶこともありますが、日本にはいない種類です。パリの魚屋ならどこでも見ることができますので、できれば生きているものを買ってゆでて食べましょう。身は日本のカニに比べると淡白で少し物足りませんが、カニ味噌の量が多く、こちらは楽しめます。つめは硬いのでハンマーやペンチなどがないと割るのが困難ですが、つめの中にはたっぷり肉が入っているので、これを食べない手はありません。

もう一種類、たいてい見ることのできるのが、Araigneeです。一見タラバガニに似ているようにも見えますが、足がちゃんと5本あるので、カニの仲間で、どちらかといえばタカアシガニに近くみえます。実際にはクモガニの仲間で、日本近海にも近似種は多いのですが、この種は生息していないようです。

味噌はTourteauに比べるとかなり少ないのですが、足などには結構肉が入っています。カニの肉を楽しむなら、TourteauよりAraigneeの方が良いかもしれません。但し、殻が堅いので、カニバサミは必須です。

最近増えてきたのがCrabe royal、本物のタラバガニです。これはロシアが太平洋で捕ったものを欧州に輸出しているためで、ジュネーブでは塩茹で済みの冷凍の解凍品を多くの店で見れるようになっています。ジュネーブでは英語の名前で販売されています。良く知られている通り、このカニは手足が片側4本しかないヤドカリの仲間ですが、市場ではカニとして扱われています。

Étrilleというカニも、秋に店頭で見ることができます。このカニは海岸の岩礁地帯やテトラの隙間などに多く生息する小型のカニで、一番後ろの足が平たいところから、ワタリガニ(ガザミ)の一種であることがわかります。海岸に行くと、干潮時にこのカニを捕って歩いている人を見かけることができます。

このカニは、そのまま食べるというより、Soupe de poissonの材料として使うことが多いようで、包丁で半分に切って、そのままスープに入れると、美味しい味が出るようです。

 

仏語名 英語名 日本名 学名 分布 コメント
Araignée de mer Spinous spider crab トゲクモガニ Maia squinado 大西洋  
Crabe Crab カニの総称   全世界 多種
Crabe royal King crab タラバガニ Paralithodes camtschaticus 北太平洋 ロシアからの輸入
Dormeur Dungeness crab (ダンジネスクラブ) Cancer magister 太平洋  
Étrille Swimming crab ワタリガニの一種 Portunus puber 欧州・地中海  
Tourteau Edible Crab イチョウガニ Cancer pagurus 欧州 日本のイチョウガニはCancer japonicus


Crabe royal(ジュネーブではKing crabの名前で販売)