Lançon イカナゴ スズキ目イカナゴ科 7月前後(?)
価格帯:3-5eur/kg

日本ではあまり店頭で見ることの無い魚ですが、実は釣り人の間では有名です。メバル釣りなどの釣餌として欠かせない魚だからです。内湾の砂底に大群で生活し、昼は中層、夜は低層に分布しています。

この魚、パリでは通常夏にだけ魚屋で見ることができます。これには理由があります。

実は、この魚は夏の高水温期には砂の中にもぐって、冬眠ならぬ夏眠をする性質があるのです。このため、夏に潮の引いた砂浜で砂を掘り起こすことで、まるで潮干狩りのように、この魚を採取することができるのです。この魚が、夏の一時期にしか店頭に出てこないのは、そのためでしょう。

ただ、ごく稀に、春にも大型のÉquilleが店頭に出ることがあります。これも同じ方法で採取しているのか、それとも網で獲っているのかは不明です。

この魚、我々人間の食べ物としてはマイナーな存在ですが、北方海域での生息量は多く、降海型サケ・マス類や海鳥類の重要な餌となっています。イカナゴのおかげで美味しいギンジャケが育つわけです。

さて、この魚、人間の食べ物にはならないかというと、そんなことはありません。実は瀬戸内海地方では、このイカナゴを釜揚げや佃煮として食べており、特にイカナゴの幼魚の佃煮はクギ煮として珍重されています。多分、同じような方法で美味しく食べられるのではないでしょうか。

仏語名 英語名 日本名 学名 分布 コメント
Cerelle Smooth sand lance イカナゴの一種 Gymnammodytes cicerellus 大西洋・地中海  
Équille Grrater sandeel イカナゴの一種 Hyperoplus lanceolatus 北大西洋・欧州  
Lançon Sandeel イカナゴ類の総称 AMMODYTIDAE 大西洋・北海沿岸 Équille、Cicereleなどを含む。日本のイカナゴに比べると大型になる。