Rascasse カサゴ カサゴ目フサカサゴ科 年間通じ供給(秋から冬)
価格帯:7-10eur/kg

Rascasseは日本のカサゴ、メバルなどフサカサゴ科の魚の総称として使われており、多くの種類がこの名前で販売されています。最もよく店頭で見られるRascasse du Nordは魚類図鑑で調べる限りは最もメバルに近いのですが、実際に売られているものは北方系のアラスカメヌケが多いようです。また、単にRascasseと書かれている場合は、メヌケやオキカサゴなどの深海系のカサゴを指す場合が多いようです。

店頭では、年間を通して冷凍の大型のものが販売されていますが、秋になると、15センチほどの小型のRascasseが店頭で見られることもあります。これは日本のキンキ(標準和名:キチジ、仏語名:Sebaste Kinkin、学名:Sebastolobus macrochir)に似ているのですが、身が少し硬くキンキほど美味しくはありません。

なお、このフサカサゴ科の魚のうち、フサカサゴの仲間(フサカサゴ、オニカサゴなど)だけはChaponの名で売られていることもあります。つまり、Rascasseとは、フサカサゴ科の魚のうち、フサカサゴ的でないものと言えば良いでしょう。

Rascasseは基本的にカサゴと同じ仲間なので、日本料理によく合う、美味しくて日本人向きの魚です。当然煮付けが最も美味しいのですが、小型のものが手に入った場合は、丸のままのから揚げも絶品です。刺身も淡白な白身で美味しいのですが、冷凍物が多いので、刺身に出来るものを入手するのはなかなか困難かもしれません。

まれにRascasse blancheと表示されているのは、日本のミシマオコゼに近いUranoscopeです。日本ではかまぼこの原料、欧州ではスープdeポアソンの材料として扱われる雑魚ですが、新鮮ならば薄造りでおいしい刺身にもなるようです。通常は煮つけか鍋物に使うのが良いでしょう。背中に尖った棘があるので、料理をするときに取り除きます。なお、この魚の英語名”Stargazerは星を見る者という意味で、この魚の目が常に上を見ていることに由来します。この形状から、Viveの仲間として扱われることもあります。主要種の学名はUranoscopus Scaberです。

仏語名 英語名 日本語名 学名 分布 コメント
Chapon Scorpionfish フサカサゴ Scorpaena spp. 大西洋・地中海 Rascasse rouge その他数種。
Rascasse Redfish フサカサゴ科の総称 SCORPAENIDAE 全世界 種類が多い
Rascasse du Nord Redfish
Scorpionfish
メバル・ソイ Sebastes spp. 北大西洋・北極海 Sébasteとも呼ぶ。メヌケも含む。種類が多い。日本のメバルはSebastes spp.
Rasscasse brune Black scorpionfish クロフサカサゴ Scorpaena Porcus 大西洋 ソイに似ている。この名で売っているのは見たことが無い
Sébaste Chèvre  Redfish アカメバル Helicolenus dactylopterus 大西洋、地中海 種としてはユメカサゴ(Helicolenus hilgendorfi)に近い
Uranoscope Stargazer ミシマオコゼ URANOSCPIDAE 大西洋・太平洋 Rascasse blancheと呼ばれるものは地中海産。

  

CHAPON

Uranoscope