97年6月14日(土曜日) 日立港、磯崎

日立港

今週は我が家の水槽の住人を増やすために、磯にイソギンチャクを取りに行くことになりました。でも、イシモチの状況も確認したいし、その上第五埠頭でサバが釣れるとの湊さんのホームページの情報もあり、色々やりたいことが山積みです。ただ、土曜日は台風の余波で波が高い上に、午後4時までに帰宅しないといけないのです。で、結局午前6時に出発。7時からまず日立港第五埠頭の船着き場でサバを通常のサビキとトリックサビキで狙ってみました。でも、全然釣れません。

「場所替わろうよ」

5分であゆみが言い始めます。あゆみは、この場所ではあまり釣れたことがないので、この場所は嫌いなのです。その上、犬に餌をあげるのはこのあと、と言ってあるので、余計早く移りたいようです。とりあえず他の人のバケツを覗いてみると、一家族だけ稚アユを数匹バケツに入れています。早速隣に入って釣ってみますが、だめ。その家族は稚アユ用のパニックサビキを使っているようです。

余談ですが、釣れている人の隣が空いているときは、そこに入ってテクニックを学ぶのが一番ですよね。子供にも見せておけば、次から子供も釣れるようになります。

結局ここでは1時間でフグ2匹に終わりました。釣具屋さんの前で犬に餌をやった後、本命の久慈川側に移動しました。でも移動途中で、ベテランっぽい人と見物人の不吉な会話が耳に入ります。

「イシモチが来ますか?」

「全然駄目、1匹も来ない」

でも、我が家は気にしません。本当は五目釣りを狙って、一番河口まで行きたかったのですが、既に先端の方は混んでおり、先週頂いたメイルでイシモチは浅い辺りが良いとの情報もあったので、ちょうど対岸の防波堤が一番近づいている辺りで釣ることにしました。

準備を始めたところで、10メートルほど上流のグループが50センチ近い魚を釣り上げました。

「あゆみ、何か釣れたぞ、見てこい。多分ボラだと思うけど」

こういう時に、大人が走って見に行くのは恥ずかしいので、あゆみを斥候に出すのは我が家の常套手段です。あゆみの斥候能力(魚の知識)は普通のファミリーよりは上だと思います。でも、戻ってきません。仕方がないので叫んでみます。

「あゆみ、どうした、何が釣れたの?」

「わかんない」

現地でも誰も分かっていないようです。

「あゆみが知らない魚なんて珍しいじゃん」

2週連続でこのせりふを言ってしまいました。

(ちなみに、先週の魚は、湊さんのご助言で、ムスジガジと判明しました。湊さん、ありがとうございました。)

行ってみると、ニゴイです。確かにここはニゴイが良く釣れると聞いていましたが、釣れたのを見たのは始めてです。

「ああ、ニゴイだ」

「食べられるんですか?」と、釣ったグループの女性。

「川の魚だけど、食べようと思えば食べられるよ。」

「コイコクになるかなあ」

「それはちょっとわかんない。コイじゃないからなあ」

結局、その魚がその後どうなったかは知りません。

さて、戻って釣り開始です。この場所は久しぶりなのですが、底の状態も相当変化しているようです。このためポイントを探ることを目的に、複数の竿を出して置き竿式で釣ることにしました。仕掛けは私の竿が定石通りイシモチ胴付き仕掛け、あゆみの竿は流されにくいスパイク天秤を使った天秤仕掛けにしました。餌は青イソメとサンマの切り身です。

早速あゆみの竿にあたり。私の方が先に気づいたので、私が上げると、情報通り「フグ」。やはり相当フグがいるようです。2匹目もフグ。餌取りも活発です。餌取りはフグとカニのようです。

しばらくして、あゆみが自分の竿を慎重に上げています。上がってきたのは立派なイシモチ(ニベ)。サイズは25センチ位です。その後も私の竿はフグばかりなのに、あゆみの竿にはポツポツイシモチが掛かり、2時間で3匹確保しました。周りも釣れているのはほとんどフグかカニで、イシモチは1匹しか見ませんでした。

「今日は、私はイシモチが釣れて、パパはフグだけだったぞ。えへん」

胴付き仕掛けが置竿式では不利とはいえ、本日は完敗です。

磯崎の磯

午後は磯遊びの予定だったので、本日の釣行記はここで終わるはずだったのですが…

11時に日立を出発し、磯崎の磯に向かいました。事前の情報通り、磯崎港は工事中で入れません。少し南側に車を止めて、イソギンチャク探しです。あゆみは膝まで水に入って探しています。

「パパ、うつぼがいる」

突然あゆみが叫びます。

「うつぼ?うそ。」

「ほら、そこ。顔出してる。」

確かに、深さ30センチほどの磯溜りの石の下から魚が顔を出しています。でも、何の魚だか良く分かりません。

「釣ってみようか。」

「うん」

この手の魚は目の前に餌を落とせば食うはずです。早速車に戻り、浮き釣り用のハリス付き袖針10号を1本と、近くに落ちていた小枝で即席の釣竿を作り、青イソメを付けて戻ります。

で、頭の前に落とすと、予想通り食いつきました。意外に強い引きで上がってきたのは、ダイナンギンポ。30センチ以上あり、これまでにない大きさです。

「やったああ」

あゆみは大喜びです。周りからも注目を浴びてしまいました。手にしている竿は小枝ですから、ちょっと恥ずかしいものがあります。でも、釣れることが分かると釣りたくなるのが釣り人の性ですね。

「パパは釣りしてもいいかい?」

「いいよ、私はイソギンチャク探すから」

娘の許しが出たので、娘の短竿を使って、30分ほど磯の穴釣りをしてみました。で、ダイナンギンポをもう1匹と、カサゴを2匹釣り上げることができました。狙った穴は、全て足元の深さ30cmくらいの磯溜りです。こんなところでまともな釣りができるとは思っていなかったので、感動しました。

ということで、今日はサバは駄目でしたが、予定通りイシモチが釣れ、予定外にカサゴが釣れたので、短時間の釣りながら、満足の一日でした。

帰り際に平磯漁港も覗いてみましたが、漁港内の小堤防で、小型のクジメとアナハゼがぽつぽつ釣れていました。

本日の釣果 イシモチ3匹、ダイナンギンポ2匹、カサゴ2匹

来週以降のイシモチ釣りが楽しみです。