97年8月1日(金曜日) 鹿島港

今日は前々からの計画で、午後から仕事を休み、先日イシモチ釣りを一緒にした木村さん、久慈漁港で御一緒した喜多さん親子と待ち合わせをして、鹿島北新堤に半夜釣りに行きました。何しろ最近の北新堤は大人気で、平日でないと良い釣り座が確保できないのです。木村さんとは3時に堤防で待ち合わせたのですが、偶然にも鹿島釣り餌センターで偶然出会い、一緒に堤防まで行きました。

堤防に着いてみると、先週ほどではありませんが、結構強い南風が吹いており、内側の海面は荒れています。内側ではサバがぽつぽつ釣れているようですが、木村さんと私は投げサビキのサバ釣りをする予定はありません。この追い風を利用して、まず堤防の根元付近で外側向きの投げ釣りをしてみることにしました。狙いはキスなので、私は7号流線針3本の天秤仕掛けに青イソメをつけます。ここの外側は砂地で根掛かりはしないので、追い風に乗せて遠投し、ゆっくりさびいてみます。すると第一投めからアタリです。しかしキスにしては弱いアタリで、上げてみると案の定メゴチでした。

「木村さん、メゴチが釣れましたぜ」

「もうですか、早いですね。」

と言いつつ、木村さんも第一投です。私がメゴチをクーラーに入れ、餌を付け直しているとすぐに木村さんが戻ってきます。キス釣りをしていたはずなのに、なぜか手には2匹のサバ。

「キス仕掛けなのにサバが食ってきましたよ。仕掛が着水してすぐ引くとサバが掛かっちゃいますよ。」

私の方は当たりも分からないまま2匹目のメゴチ。しかし3匹目は明確な当たりで、本年初めて15センチほどのキスです。

「キス釣れましたよ。」

「やっぱりいるんですね。」

「私はキス釣れたんで、サバとワカシをやってみますね。」

今日は色々な釣りをやってみるつもりなのです。早速サビキしかけの下にメタルジグを付けた変形仕掛けにしてもう一度外側に投げてみます。今度は沈む前に巻き上げです。3投目でアタリがあり、サバ2匹。やはり廻りはサバだらけのようです。サイズは25センチほどで、以前とあまり変わっていないようです。

夕方になり、釣り座が混み始めたので、混む前に夜釣りに向けた釣り座を確保するため、堤防中ほどのテトラ崩れの辺りまで移動しました。移動途中であちこちを覗いてみると、サバのほかに、ワカシもぽつぽつ釣れています。しかしワカシの釣れている人の仕掛けをよく見ると、投げているのは弓角です。色はピンク。私も早速やってみたかったのですが、残念ながら今日はピンクの弓角を持っていません。仕方ないので青で挑戦です。これまた第一投からアタリがありましたが、釣れたのは又もサバ・・・・その後は弓角では何も釣れませんでした。

さて、暗くなり始めたので、まず堤防の内側と外側にそれぞれサンマの身餌をぶっこみます。実は狙いはカサゴで、これが今日の私のメインの狙いなのです。しかしテトラ崩れの辺りは相当先までテトラがあるらしく、根掛かりで仕掛けを取られてしまいます。結局すべての竿を内側にぶっこむ事にしました。2本を足元に捨て錘式で、あと2本を50メートル程先に、1本針のしもり浮き付き仕掛けで投げ込みます。

この頃喜多さん親子が到着です。喜多さんは初めての北新堤防なので、今日は定番の投げサビキに挑戦です。お二人で開始するや否やサバをどんどん釣り始めます。入れ食いとまではいきませんが、周期的にアタリの波があるようです。

「江藤さん、違うものが釣れましたよ。」

突然喜多さんから声が掛かります。

「え、ワカシですか??」

暗闇に浮かぶシルエットは20センチほどのワカシタイプです。しかし・・・

「あ、アジだ。木村さん、アジが釣れてますよ。20センチ位の」

「ええっ、アジですか。私、アジ釣りたかったんですよ。」

「私もですよ、アジが釣れるならやらなくっちゃ。」

二人で慌てて投げサビキの準備を開始します。その間にも喜多さんのところにはサバに混じってアジが釣れています。木村さんは早速準備を終了し、第一投を投げますが、私はコマセを移動前の場所に忘れてきたことに気づき、それを取りに戻ったため大幅に時間をロスしてしまいます。木村さんのサビキには30センチ近いアジも来ていましたが、私がサビキの準備を終えた頃にはすっかりアタリが途絶えてしまいました。

「時合を逃がしちゃったようですね。」

「そうですね。アジっていつも1時間くらいしか釣れませんものねえ。」

しかし、このままでは悔しいので、夜釣りのアジ釣りに向けて浮き釣り仕掛けを準備しました。電気浮きに浮き下を2メートルほどにして、オキアミ餌で入れてみると、早速アジが釣れました。

「やったね。やっぱり夜は浮き釣りですよ。」

と言ってみたものの2匹目はサバ、3匹目も・・・そしてアタリが途絶えます。喜多さん親子はたっぷりのサバとアジをお土産に、ここでお帰りになりました。その後しばらくサビキには当たり途絶えます。

しかしこの頃から、足元の身餌の投げ釣りにドンコがポツポツ来始めました。そこで餌を交換しようと、アタリのなかった竿を上げようとすると根掛かりの感触です。捨て錘仕掛けなので、錘は諦め強引に抜き上げると、あがってきたのは何とムラサキウニです。

「こんなもん釣れちゃいましたよ。」

「釣れたんですかあ」

「上げたところで外れたんでよくわかんないんですけど、サンマ食ってたみたいですよ。」

ウニは草食と信じていたのですが不思議です。本当にサンマを食っていたのかどうかは不明です。その後今度は50メートルほど先に投げた竿に明確にアタリが出ます。早速合わせて巻き上げると魚の抵抗が伝わってきます。しかしその感触はおなじみのあいつです。予想通り上がってきたのは、50センチほどの・・・・

「アナゴだあ。」

「でもちょうどいいサイズですね。」

「まあ、食べるには一番美味しいサイズですよね。」

これを最後にアタリが遠のきます。周りにも当たりはないようです。

「ちょっと偵察にいってきますね。」

今回はこの木村さんの偵察に大変お世話になりました。2度目の偵察から帰ってきた木村さん・・

「あの電気点けてるとこ、すごいですよ。水族館状態でアナゴや太刀魚が泳いでて。」

「じゃあ、われわれもやってみましょうか。」

早速ランタンを明るくして海面を照らしてみます。しかしフグは来るものの他の魚の姿は見えません。しばらくして、電気を点灯していたグループが帰ってしまいます。

「あっちが消えたから来るかもしれませんね。」

と言っているうちに来ました来ました。最初に来たのは50センチほどの太刀魚です。悠々と泳いでいます。ちびアナゴも来ました。フグではない魚も5匹くらい群れになって泳いでいます。早速ルアーや身餌で太刀魚を狙いますが食ってくれません。しかし木村さんがサビキをしてみると、アジが釣れました。早速私もオキアミ餌のアジ釣り再開です。しかしアジの群れは小さく、2人で2〜3匹ずつ釣るとアタリが無くなってしまいました。太刀魚はその後も何度か姿を見せたのですが、結局釣れませんでした。

1時過ぎに納竿としましたが、今日の私の釣果はアジ(20センチ)3匹、ドンコ2匹、メゴチ2匹、キス1匹、アナゴ1匹、サバ6匹、それにウニ1個でした。狙いのカサゴと太刀魚は釣れませんでしたが、まあまあ楽しい釣りでした。次回は、あの水族館釣りに再挑戦したいものです。