97年10月4日(土曜日) 鹿島港

土曜日は、これまで行ったことの無い、鹿島港北方、大竹海岸方面の突堤群に行ってヒラメ釣りをしようということになり、前日の金曜日、筑波の上州屋で木村さんと待ち合わせをしました。ここでまず狙いの突堤を決定、イワシ餌を確保した後、もう一つの餌であるどじょうを買うべく、スーパーやまうちに向かいます。しかし、やまうちのどじょうは売切れ。ここから我々の計画に暗雲が漂い始めます。

土曜は朝8時半に木村さんと待ち合わせてつくばを出発。途中、利根川沿いの道路で警察のスピード違反の取り締まりがありましたが、いつも安全運転の?我々は難なく通過し、10時頃鹿島釣り餌センターに到着しました。しかし、アイナメ釣り用にと思った赤イソメは売切れです。仕方が無いのでちょっと遠回りでしたがカミスフィッシングセンターまで行ってなんとか赤イソメを確保し、目的の突堤に向かいました。

突堤に到着後、まず先端まで歩いて様子を見て廻ります。根元辺りではアイナメ狙いのブッコミ釣りをしている人が一人。他には釣り人はいません。しかし結構波が荒く、下の方には下りれないので、取り込みには少し苦労しそうです。取りあえず私はヒラメ狙いのブッコミ、木村さんはアイナメ狙いのブッコミから開始します。

「あれ? ほら、猫がいますよ。」

突堤の中ほどに、どこから来たのかかわいい猫がいます。

「ほんとだ、いつ来たんでしょうね」

「気が付きませんでしたね」

と、この時はこれで終わったのですが、予想もしなかったことが起こります。餌を涼しい日陰に置くため、四角いテトラの穴の真中に入れておいたのですが、いつのまにかイワシの餌箱がひっくり返っています。中を見ると空っぽです。

「あ?イワシが無い。あ、猫だ。猫にイワシ食われちゃった。」

「ええ?どうしたんですか?」

「このテトラ、下がつながってて、そこに猫が住んでるんですよ。で、イワシ全部食われちゃいました。」

「そりゃ大変だ。全部ですか?さすがにイソメは食わないんですね。」

一緒に置いておいたイソメは無事です。しかし、思いもしない餌取りに邪魔をされて、イワシ餌のヒラメ釣り計画は挫折してしまいました。

さらに、突堤周りは根掛かりの連発で、毎回仕掛けを失います。流れも相当早く、置き竿での釣りは難しそうです。で、ついに諦めてイソメ餌で遠投したところ、15cmサイズのイシモチが釣れました。

これを見た木村さんは本格的にイシモチ釣りに参入です。胴突き仕掛けでアタリを楽しみながら、小型ながら次々とイシモチを釣り上げていきます。私はイシモチは先週も釣ったので、あまり興味が湧かず、アイナメ釣り、回遊魚狙い、カレイ狙いなどに浮気をします。しかし、いずれも高い波と速い流れでうまくいきません。午後には波も高くなってきたので、イシモチ狙いも一段落した木村さんに場所替えを提案、昼食後鹿島灘漁港に行くことにしました。

鹿島灘漁港到着は午後2時半頃です。外側の高い堤防に上って、また周りの様子を見て廻ります。釣り人は多いようですが、ほとんど何も釣れていないようです。我々は、ちょうど空いていた船道向かいの釣り座を確保し、投げ釣りをすることにしました。まず、底の様子を知るために、錘だけをつけて投げてみます。すると、根掛かりは全くなく、するするとした感触です。砂地のようでもあり、泥地のようでもあります。しかし、泥地のような重さが無いので、砂地と判断し、天秤仕掛けでイソメ餌をなげ込みました。

しかし、しばらくして上げてみると、餌は全く無く、仕掛けはぐちゃぐちゃで、枯れ草のゴミがたくさん付いてきます。つまり底には枯れ草のゴミが多量に溜まっており、その中に甲殻類(多分かに)の餌取りがいるようです。これでは釣りにならないと、外側に投げてみますが、こちらは根掛かりの嵐です。で、またも移動。今度は新浜の堤防に行ってみることにしました。

新浜の堤防に着いたのは4時半頃。北新堤のおかげで波はあまり無いのですが、時折大きな波が来ます。そのため、期待していたヘチ際の釣りは難しそうです。ちょうど夕方になったので、回遊魚狙いもしてみますが、結局当たり無し。午後6時、ここも諦め、イシモチ釣りで既に満足状態にある木村さんを無理矢理引き連れ、最後の場所として中央公共埠頭に行くことにしました。

しかし中央公共埠頭は車の横付けが可能なので、雨模様の日の大人気場所です。到着してみると、ほとんどスペースがありません。釣り人のバケツの中にはカワハギが2匹。他はあまりよい釣果はないようです。我々は結局テトラ越しに投げることにしました。

テトラ越しに遠投3本、近場1本で攻めますが、餌は取られるものの魚は来ません。私にフグが1匹来ただけで、あとはヒトデだけです。1時間ほど粘りますが、状況は好転しそうもありません。この頃から雨も本格的になってきました。

8時半頃、ついに納竿することにし、最後に余った餌をたっぷりつけて投げ込みます。置き竿にして周りを片付け最後に1本ずつ上げていくと、重い感触です。ヒトデかとも思いましたが、少し違うようです。で、真っ暗闇の海から上がってきたのは、何とシロギス。それも22cmの良型でした。何とか終了間際にまともな魚が釣れてほっとしました。

結局今日の釣果はイシモチとシロギス1匹ずつでした。やはり釣りでは流浪の民はいけませんね。もう少しゆっくり腰を落ち着けて釣るべきでした。