97年12月31日(水曜日) 日立港

さて、今年の竿納めは、あゆみの希望もあって、日立港ですることにしました。年の瀬の31日、日立お魚センターに寄るついでの釣りです。筑波発は8時。まずお約束通り第五埠頭に行って、犬に餌をやります。さすがに大晦日だけあって第五埠頭付近には釣り人はいません。でも駐車場には結構車が止まっているので、沖堤防にはかなりの人が渡っているようです。

今日は何とかカレイが釣りたかったので、まず第一埠頭の久慈漁港側に行ってみます。しかし今日は第一埠頭に2隻も貨物船が入港しており、立ち入り禁止区域内での釣りは不可能です。仕方が無いので久慈漁港に行ってみると、こちらも釣り人はまばらで、一度釣ってみたかった赤灯横も空いています。

「あゆみ、今日はあそこの灯台の横で釣るぞ。」

「どうして?」

「そこならカレイが釣れるかもしれないし、風があっても隠れられるからだよ。」

ということで、赤灯台の横に陣取ります。

「あゆみ、どれで釣るの?」

「昨日作った私のキンキラの仕掛けに、中通し錘付けて。」

「ほいほい。餌は?」

「うんとね、赤イソメ1匹」

「おいおい、そんな勿体無いことしないで。赤イソメは高いんだから。アオマムにしてやるから。今日は青コガネもあるぞ。」

「アオマムは嫌い。上の針が赤イソメで下の針が青イソメね。」

「はいはい。」

「今日は競争だからね。どっちがたくさん釣るか。竿3本ずつね。私の三脚も出してよ。」

「はいはい。」

ということで、二人で竿を3本ずつ並べて釣り開始です。あゆみは20メートルほどのチョイ投げで、私は70メートル前後の駆け上がりに投げ込みます。

「ぱぱ、ハゼが釣れたよ。」

早速あゆみがサビハゼを釣ります。パパの方には何も釣れません。仕方が無いので、竿を4本にします。

「パパずるい!、私ももう1本竿出す。」

「だって、お前の竿、もう無いよ。」

「これでいいの。」

といって取り出したのはルアー竿です。ルアー竿に投げ釣り仕掛けを付けて投げ込みます。

その後もあゆみはポツポツとサビハゼを釣りますが、パパの方には釣れません、しばらくしてやっとマハゼが1匹釣れます。

「ほら釣れたぞ。マハゼだぞ。」

「パパいいな、結構立派なマハゼだね。」

「まいったか?」

「ふんだ。」

と言っているうちに、あゆみの方にもマハゼが掛ります。

「えっへん。マハゼだぞ。参ったか」

「はいはい。偉い偉い」

今日は二人でハゼ釣り競争になってしまいました。カレイは全く来ません。足元近くで探ってみると、釣れるのはフグ。フグだけはいつでも釣れますね。時折重いものが釣れますが、私は海藻、娘はヒトデです。ヒトデがいると言うことはカレイも近くにいるはずなのですが・・・

「パパ!大変だ。ハオコゼが釣れた。」

「ええっ、触るなよ。」

「これハオコゼかなあ?ちょっと違うような気もするけど。」

「ああ、これはアサヒアナハゼだ。」

釣れていたのは小型のアサヒアナハゼでした。ちょうどハオコゼと同じサイズでエラを立てていたので、確かに一瞬はオコゼに見えます。

「これはリリースしてもいいんだろ。」

「だめ、競争なんだから。」

哀れアナハゼ君は競争のカウントのためキープされてしまうことになりました。まあ、針を飲んでいたので、リリースしても無駄だったとは思いますが・・・

「私は5匹で、パパは3匹だから、私の勝ちだね。」

「まだ終わってないぞ。」

「パパ、特別大サービスで、カレイが釣れたら2匹分にしちゃる。」

「2匹じゃ逆転できないじゃん。3匹にしてよ。」

「うーん、まあいいや。じゃあ3匹ね。」

娘の情けを受けて最後の挑戦です。餌もほぼ無くなってきました。でも釣れません。

「あゆみ、餌が無くなってきたからもうおしまいにしよう。」

「へへへ、じゃじゃーん。」

「あ?それ青コガネじゃん。」

「隠しといたのさ。これ私の餌だからね。つかっちゃやよ。」

「はいはい、わかりました。」

娘はいつのまにか卑怯者に育っていました。困ったもんだ。(なんだとお!!!:あゆみ談)で、結局そのあとあゆみは3匹追加し、8対3で、哀れパパの負けとなりました。

「腕の差だね。」

「いや、パパはカレイを狙ってたからしょうがないのさ。」

「それって言訳だね。」

娘にいじめられるパパです。

「賞品は何にしようかなあ。」

「えー、商品なんか約束しなかったじゃん。」

「勝ったんだから賞品くれるでしょ。」

「分かった。じゃあ、日立お魚センターでかずのこ買ってやるから。」

元々買う予定の正月用品で賞品をごまかしてしまうところは、パパの方が悪者かもしれませんね。ということで、3時には納竿して日立フィッシングセンターに買い物に行きました。狙いのアンキモも見つかり一安心です。数の子も買いました。

「パパ、あれ食べたい。ボタンエビの刺身。あれ買って。」

「高いじゃん」

「今日勝ったんだから、いいでしょ。あれが賞品。」

「仕方ないなあ・・・」

結局娘に高いエビの刺身を買われてしまい、最後までやられまくった1年でした。さて、98年の釣りはどうなることでしょう・・・・