99年8月28日(土曜日) 鹿島港

あゆみ出撃!!

今週はきむさんも私も体調がイマイチです。特にきむさんは週の半ばから不調で、金曜までに完全に回復しなかったので、土曜は午後だけ出撃することになりました。私もそれにあわせても良かったのですが、夏休みも今週で終わりですし、「ファミリーフィッシング」と言いながら、最近はあゆみと釣りに行ってないので、たまにはあゆみを誘ってみることにしました。金曜夜、家に着いたところで、夜更しして起きていたあゆみに聞いてみます。

「あゆみ〜〜、釣り行かない?」

「何が釣れてるの?」

「サバだって。」

「きむさんは?」

「きむさん、風邪だから後から来るって。」

「ふーん。どうしようかなあ。夏休の宿題終わってないんだよね。」

「別に無理しなくてもいいけど。」

「やっぱり行く。朝起こしてね。8時ね。」

ということで、あゆみと約束したのですが、体調が悪いせいで寝坊します。結局上州屋で餌を買ってから出発することに決め、10時の開店に合わせて出発です。きむさんに電話をすると、きむさんも1時間遅れくらいで着きそうです。

結局上州屋で30分買い物をし、コンビニに2軒寄って、途中で道を何度か間違え・・・堤防についたのは12時過ぎでした。早速あゆみ用に自転車を組み立てます。堤防の入り口には、「立入り禁止」の大きな表示が出ています。

「この看板、全然役に立たないね。みんな入ってるもん。」

「でも、一応立入り禁止なんだよ。」

「ふーん?」

あゆみはどうも納得できないようです。

堤防に出てみると、あまり人はいません。先週のサバ爆釣情報で、今週は入る隙間も無いほどだろうと思ったのですが、どうもサバが釣れてないようです。

伊豫さんご夫婦に遭遇

テクテクと堤防を歩いていると、前方から、伊豫さんご夫婦がいらっしゃいました。

「こんにちわ。これからですか?」

「ええ。いかがでしたか?」

「朝方タチウオが釣れましたよ。あと、朝、ルアーの人たちにカンパチが釣れてましたよ。」

「カンパチですか。」

「ええ、でも、すごい人で、この位の隙間に人がずらーと並んで釣ってるんですよ。全然入る隙間がありませんでしたよ。」(この位の隙間というのは、右の写真でご夫婦の隙間を指してます。)

「へえ、それはすごい。サバはいないんですか?」

「ああ、サバは釣れてますよ。サバ釣るならあのへんがいいですよ。」

「へえ。ありがとうございました。」

ということで、サバのポイントを教えていただきました。

さて、ここから先、堤防上は、ボラとフグの死体でいっぱいです。あゆみが自転車の上から叫びます。

「えーん。フグひいちゃったよ〜〜〜交通事故だあ。」

「きをつけな。」

「どうして、ふぐを逃がして上げないのかなあ・・・」

「そうだね。」

あゆみには、ふぐを堤防に捨てる人の気持ちがわからないようです。「かわいそう」の連発です。

サバ釣れず、フグ救助隊大活躍!?

サバのポイントまで行くと、伊豫さんに教えていただいたあたりは人が多く、ちょっと入れません。そこで、その手前に陣取ります。確かに、ポツポツとサバが釣れている様ですが、我々の隣の人はフグばかりです。

「パパ。サバ釣って。早く。」

「はいはい。じゃあ、やってみようね。」

ということで、投げサビキをしてみますが、サバどころかフグも釣れません。

「私は、フグ救助隊してるね。」

あゆみは堤防上に捨てられたフグのうち、息のあるものを逃がして廻ります。

「ただいま3匹救助致しました!!」

などと、時々報告に帰ってきます。特に、隣の釣り人が、フグを釣るたびに堤防に捨てるので、あゆみがすぐに拾いに行って逃がします。そのうち、隣の方も苦笑しながら、あゆみにフグをくれるようになりました(^^)

しかし、そのうち救助隊に疲れた様です。

「パパ。私も釣る。浮き付きトリックサビキ作って。」

「でも、餌がオキアミしかないよ。」

「じゃあ、オキアミつけて。」

あゆみはこの竿で・・・・フグを釣ります。さっきまでフグ救助隊をしていたやつとは思えませんが、まあ、バス釣りと同じでしょうか。フグを釣ってはリリースしています。

きむさん到着、カンパチ出現!

程なくきむさんも到着し、投げサビキに参入です。でも、サバは釣れません。フグばかりです。私も、色々な場所で投げサビキを試してみますが、サバは釣れません。

しばらくして、隣の釣り人の置き竿に何か掛かったようです。竿を大きくしならせながら上がってきたのはカンパチ。どうもアジを泳がせていたようです。

カンパチを見せられてはサバの相手などしている場合ではありません。早速カンパチ釣り・・・といきたいところですが、まず餌のアジ釣りです。あゆみのトリックサビキに餌を付けて底近くを探ってみると、釣れたのはキタマクラ。トリックではフグの餌食になりそうです。そこで、普通のサビキに換えてみると、運良く10cm弱の、いかにも「カンパチサイズ」のアジが釣れました。その後も、ポツポツ釣れます。カンパチを釣った隣の方も、次の餌にアジを釣りに来られましたが、なぜか私のほうにしか釣れません。そこで、カンパチ釣りを見せていただいたお礼に、1匹進呈しました。このアジ、4匹釣ったところで、私にはぱったり釣れなくなりましたが、あゆみがその後を引き継ぎ、数匹釣ってくれました。

ついにカンパチ!!

さて、このアジを背がけにして泳がせます。しかし、当然、すぐにあたりが出るような釣りではありません。私はまた餌のアジ釣りに行きます。しかし釣れません。しばらくして、あゆみがやってきました。

「パパ。今、アジの竿の浮きが沈んで、糸がするする出たよ。」

「え、ドラグが鳴ってた?」

「うん。上げてみな。」

竿を上げてみると、確かにアジはいません。

「あゆみ、見てたんなら合わせてくれればいいのに。」

「だって自転車に乗ってたんだもん。」

折角のカンパチの当りを逃してしまったようです。仕方が無いので、またアジを付けて投げ込みます。今度は竿から離れずしばらく浮きを見ていると、ウキが勢い良く消しこみます。慌てて竿に飛びついて、合わせると、間違いなく重みがあります。サバの当りとは全く違う重量感と力強さです。

「パパ、釣れたの?」

「うん、掛かった。」

「タモいる?」

「うん、組み立てて。」

「え〜〜出来ないよお」

3号の磯竿ですから、竿は大きく曲がります。まるでヒラマサでも掛かっているかのようです。廻りの人が見に来ます。隣の人があゆみに替わって、慌ててタモを組み立ててくださいます。タモを組み立ててくださった、お隣の方、ありがとうございました。しかし、このカンパチ、以外と早く抵抗を諦めます。水面に上がってきたのは30センチ弱のサイズ。

「これなら抜けるよ。」

ということで、抜き上げて、初のカンパチをGetしました。このサイズだと、ショッコ(潮子)と呼ぶべきかもしれませんが、我が家ではカンパチはカンパチです。

「やったね。」

「うん。今日はカンパチが釣れたから満足。」

ということで、サバ釣りに戻ることにしました。

サバ釣りはバラシの連続

サバ狙いは、最初はウキ無しの投げサビキ。一投目に当りがあって、魚が掛かります。これは間違いなくサバの当りと、強引に引き寄せたのですが・・・・強引過ぎて足元でバレてしまいました。

ところで、このサバ、きむさんが釣ったのを見せてもらうと、やはりゴマサバのようです。マサバとゴマサバの区別は難しいのですが、体が丸く、黒点状の模様もあるので、多分ゴマサバでしょう。

周りでは急にサバが釣れ始めます。きむさんも2匹釣りました。そこで、私も浮き付きのサビキに換えることにしました。コマセカゴを付けて投込みます。さあ、釣ろうと思ったのですが、浮きが見えません。

「あれ?パパの浮きどこだっけ?」

「え?」

「もしかして、ウキ付けなかったっけ?」

「うん。ついて無かったよ。」

「あゆみ、気がついてたなら教えてよ。」

「だって、ウキ付けないで釣るのかと思ったんだもん。」

このままでは根掛りしてしまうので、慌てて上げます。するとなぜか、5cmほどのカタクチイワシが一匹釣れました。不思議ですね。

浮きをつけて投げ直すと、1投目でサバか掛かります。サバが暴れているのが見えます。しかし・・・・これもバレます。どうも今日はサバに見放されているようです。2回連続のバラシでサバ釣りの意欲が減退します。

またもカンパチ!!

「その竿当ってるよ。」

ちょうどそのとき、またアジの泳がせにあたりです。隣の人が慌てて教えて下さいました。今度は25センチ弱の小型のカンパチ。でも、2匹釣れたので、まだ釣れそうな気がしてきました。そこで、私はカンパチを専門に釣ることにします。今日は体調がイマイチなので、動くのに疲れたのも、泳がせ釣りに徹した理由の一つです。ちょうど隣の人も帰ったので、泳がせ釣りの竿を2本出して待ちます。近くの人がこの状況を見にきました。

「カンパチですか?」

「ええ。」

「アジが良く手に入ったね。アジがいればカンパチは釣れるよね。」

「ええ。でも、もうあんまり無いんですよ。」

「でも、活き餌の効果は絶大だからねえ。それだけ元気なアジならすぐに来るよ。」

と言ってるそばからウキが消しこみます。カンパチ3匹目Getです。この餌を付けかえると、もう予備の餌がありません。そこで、私は餌を釣りに行くことにしました。しばらく餌釣りをしていると、あゆみがきます。

「きむさんが、カンパチ釣り続けたほうがいいって言ってるよ。」

「そう? でも、餌が無いよ。」

「私が釣って上げるよ。」

「じゃあ、お願い。」

とあゆみに竿を渡し、泳がせ釣りをしていた場所に戻ると、ちょうどきむさんがカンパチを上げていました。しかし、きむさんはサバ釣りをしていたはずです。良く見ると、手に持っているのは私の竿です。

「あれ?カンパチ掛かってたの?」

「うん。竿が落ちそうだったよ。」

「そうなんだ。きむさん、それきむさんが釣ったんだからきむさんにあげるよ。サバが釣れたら交換して。サバいっぱい釣ってね。」

ということで、カンパチの代わりに、きむさんの釣った鯖をもらいました。

あゆみは順調にアジを釣ります。ウキも使わない、純正のサビキです。おかげで元気な餌が溜まります。その元気なアジに5匹目がきました。カンパチは、釣れるたびに近くの人が見に来ます。

「やったね。5匹目だね。」

「すごいですね。仕掛けが違うのかな? 棚の差かな? あ、腕の差ですかね?」

わざわざ腕と言って下さったのは嬉しかったのですが、この釣りは腕の差では無さそうです(^^;;;。

「多分、餌の差ですよ。このサイズのアジが手に入れば釣れますよ。」

といいながら、また元気なアジを付けます。どうもこのサイズのアジ、堤防の根元の方では相当釣れていた様で、この後、このアジを持って何組かがカンパチ釣りにやってきました。

6匹目は、また3号の磯竿に来ます。これまでにない良い引きで、ドラグから糸がどんどん出ます。折角の機会なので、この引きを存分に楽しみます。そして、あゆみにタモ入れの練習をさせて、上がったのは35センチほどのカンパチでした。結局上がったカンパチは全部で6匹(うち一匹はきむさんが上げた)でしたが、泳がせ釣りでこれだけ数が出るとは思いませんでした。あゆみのアジ釣りとの連携の賜物ですね。やはり活き餌でのカンパチ釣りは確率が高そうです。

隣ではルアーを投げつづけている人が、遂に一匹カンパチをGetします。ルアーの腕があれば、アジがいなくてもカンパチが釣れるのですが・・・・

夕方は定番のタチウオ

さて、夕方になって、あちこちでタチウオが釣れ始めました。あゆみ偵察隊が自転車で堤防を廻って偵察をしてきます。

「パパ、タチウオが3匹釣れたよ。太刀魚釣って。」

「もう帰ろうよ。」

「いや、太刀魚。」

「はいはい。じゃあ、一匹釣ったら帰ろうね。」

ということで、太刀魚釣りに参入。なんとか一匹釣ります。荷物を片づけ始めていたきむさんも参入して、すぐに釣ります。これで、やっとノルマを果たし、今日の釣りは終了となりました。道具を片付けて、荷物を組み立てます。午後6時半終了です。

「パパ、コマセの残りはどうしたの?」

「海に捨てたよ。」

「袋は?」

「ここにくくりつけてあるよ。」

「よしよし。」

あゆみはフグだけでなく、ゴミを捨てるのにも結構うるさいのです。このあゆみが、帰り際、堤防の入り口の看板を、再度見て言います。

「この「立入り禁止」の看板、「釣りをしてもいいから、堤防にフグを捨てるな。」に換えて欲しいよ。」

「ははは。それはいいね。」

ということで、久々にフグ救助隊の出動した今日の釣りは終わりました。持ち帰りは、カンパチ5匹、サバ1匹(きむさんが釣ったもの)、タチウオ一匹、カタクチイワシ一匹、餌になり損ねたアジ数匹でした。

さて、来週はイシモチを釣りに行きたいと思っています。しかし、今年のイシモチはどこも不調。どこに行くか迷うところですね。

ではでは。