99年10月2日(土曜日) 鹿島港

東海村の事故もあり、今週はきむさんがいない事もありで、釣行をやめようかとも思ったのですが、土曜の夜に遅くまで起きていたい事情があったのと、東海村の事故が幸いにもすぐに収束して外部への影響がほとんど無かったので、あまり大げさに扱っては、逆に不安を煽るだけになるので、地形・風向・海流などを勘案して、事故の影響が全く考えられない南のほうに釣行することにしました。ただ、一人で釣りに行くときは釣れないと気力が切れてすぐに帰りたくなっちゃうので、気力の切れにくい場所でないと駄目です。そこで、鹿島某堤を選択しました。

まずは(ムツ)

堤防到着は2時前。一人なので結構時間が掛かり、釣り場到着は3時頃でした。先端には誰もいません。確かに、ここは沖過ぎて、夜釣りではあまり釣れない場所なのです。私は、まずは太刀魚を狙って、餌釣りをしてみます。これがしたくて、暗いうちに釣り場に入ったのです。タチウオの餌釣りは今年の8月21日に東海村で一度やってハマりました。この時は、最初は餌を食っている魚が何か分からなかったので、1本針でしたが、今日は最初からタチウオを狙っているので、ワイヤーハリスを使った2本針仕掛けです。

これにイワシをつけて投げます。まずは9月11日にも太刀魚を釣った外側に投げてみますが、結構波も高く風もあるので釣りにくい状況です。当りもないので、諦めて、今度は内側に投げます。すると、ウキが、スーッと水中に消えます。

(お、いるじゃない。)

てっきり太刀魚だと思っているので、少し待って合わせます。一度目は空振りでしたが、二度目に何かが乗りました。

(うん?軽いぞ?太刀魚じゃないのか?)

暗闇で、良くわかりませんが、上がってきたのは普通の魚の体型です。

(ん?フグか? でも鳴かないぞ。 あ、きっとドンコだ。ドンコならイワシ食うよなあ・・・・な〜んだ。 あれ?違うぞ。ムツだあ。でかい。)

上がってきたのは20センチを軽く超えるムツでした。これまで、ムツは10cmクラスの幼魚しか釣れた事がなかったので、このサイズのムツを見たのは初めてです。もちろん、もっともっと大きくなる魚ですが、基本的には深いところにいる魚ですから、陸っぱりでは限度と言える大きさでしょう。

(このサイズのムツがいるなら、もっと釣りたいぞ)

ムツが釣りたいのに(アジ)

しかし、イワシ餌でのムツ釣りは、なかなかうまくいきません。元々タチウオ用に作った仕掛けですから、ムツ釣りは無理があるのかも知れません。それに、相手がムツならイワシよりオキアミの方ガ良く食いそうです。そこで、サビキタイプの仕掛けを使って、オキアミ餌と組み合わせてみることにしました。

3本針にオキアミの餌を付け、これを足元に垂らしてみます。錘が沈んで、ウキが立つのをぼんやり待っていると、突然竿をひったくる当りです。これは油断していたので合わせが遅れてしまいました。

(今のはなんだあ?むつのあたりじゃないぞ。)

再度餌を付けなおし、投入です。すると、ウキが勢い良く消しこみ、なかなかの引きです。しかし、上がってきたのは、やはりむつではありませんでした。20センチを軽く超える良型のアジでした。

(アジかぁ・・・むつの方が良いなあ・・・・ムツの煮付けが食べたいから、あと何匹かムツが欲しいなあ・・・・)

と思いつつ、イワシ餌とオキアミの両方で釣りつづけます。結局、稀にはムツが釣れるのですが、ほとんどはアジでした。徐々に明るくなっていく中で、一時的にはアジの入れ食いもありましたが、明るくなると同時に終結しました。

結局ムツは4匹しか釣れませんでした。

狙いもしない(ウミタナゴ)

さて、この頃になると、先端は釣り人でいっぱいです。皆さんサビキをしゃくりあげています。どうも、狙いは豆アジで、それを餌にしてカンパチを狙うようです。私も、夜中に釣れたアジは大きくて、カンパチの餌にならないので、マメアジを釣るため、針の小さいサビキを準備して、足元でアジを狙います。

(前回はこの辺にマメアジがいたよなあ・・・お、当りだ。乗った!!)

しかし、針掛りした獲物は、とてもマメアジとは思えない強い引きです。

(やっぱり大型のアジしかいないのかなあ・・・あれ? アジの形じゃないぞ? あ、ウミタナゴだ。)

釣れたのは25センチを超える良型ウミタナゴでした。

遂に釣った(カワハギ)

(ウミタナゴがいるなら、もう少し欲しいな。)

ということで、同じ場所を狙います。すると、ねらい通り、またも強い引きです。

(お、また来たぞ。今度の方が強いな。さらに大きいウミタナゴかな・・・・あれえ?なんだあ?  お!!!カワハギだあ!!)

ということで、苦節一年?? 遂にこの「鹿島某堤防」でカワハギを釣りました。この釣り場に来るようになった切っ掛けは、カワハギが釣りたかったからなんですよね。(昨年12月の釣行記参照(^^;;;) でも、ず〜〜〜っとカワハギだけは釣れず、9月にきむさんはウスバハギを釣ったものの、私はカワハギから見放されていたのです。でも、遂に釣りました。これも20センチを超える良型です。

柳の下の、残りは(メジナ)

(やった。もっとカワハギを狙おう。)

マメアジ釣りの事は完全に忘れて、カワハギ狙いです。しかし、世の中、そううまく行くものではありません。柳の下にどじょう・・・ならぬカワハギは2匹いませんでした。(いたけど釣れなかった・・・が正しい(^^;;;) 次に釣れたのは、軽い手応えで、15cmほどのメジナです。もう少し大きいといいのですが・・・

餌になった(シマダイ)

そして、これも15cmほどのシマダイと続きます。

この後は、10cm未満のシマダイばかりが掛かるようになります。ちょうどその頃、カンパチ狙いをしていた人が1匹目のカンパチを釣り上げます。

(お、カンパチはいるんだ。でも、餌がないぞ。あ、シマダイじゃあ駄目なのかな?)

カンパチ狙いに焦った私の犠牲となって、通常ならリリースされる10cm未満のシマダイが、餌になることになりました。しかし、結局カンパチはシマダイを食いませんでした。

どうしてもアジが釣れず(ドンコ)

シマダイでカンパチを釣る自信はなかったので、さらにサビキを続けます。すると、今度はさらに弱い当り・・

(お、これはマメアジじゃないか?やったね。・・・・あれええ違うぞ。  なーんだ、ドンコだ。)

上がってきたのは10cm弱のドンコ。サビキでドンコが釣れるとは・・・でも、シマダイよりは美味しそうですよね。早速カンパチ釣りの餌になってもらいました。でも、結局ドンコでもカンパチは釣れませんでした。

投げ釣りには第一投げで(マコカレイ)

さて、アジが釣れず、カンパチ釣りには余り期待が持てません。メタルジグや弓角も投げてみましたが、全く反応なし。あれだけいたサバも、全て姿を消したようです。その代わり、水面には20センチ弱のサヨリの大群です。まじめにサヨリを釣れば結構釣れそうでしたが、サイズが小さいし、今日はサヨリ釣りの仕掛けは持ってきていないのであきらめました。一部の人は、このサヨリでカンパチ狙いをしていました。確かに、回遊魚は、その場所にいる魚で狙うのが鉄則ですよね。

私は、サビキ釣りで小型のシマダイ以外が釣れなくなったので、諦めて投げ釣りをしてみることにしました。この場所では久々の投げ釣りです。仕掛けは先週紹介したオリジナル仕掛けです。

この投げ釣りには第一投から魚が乗ります。手応えは、久々に感じる、ビク・ビクです。

(お〜、これはカレイの引きだなあ。きっとカレイだな。ほ〜らね。)

ということで、30p弱のカレイをGetしました。

でも、それ以降は(フグ)

しかし、この後は投げ釣りは不調です。沿岸は大型のフグの山のようです。投げ釣りの針全てにフグが掛かってくるか、若しくは針が噛みきられて無くなっているかです。結局このフグの猛攻に嫌気がさして、投げ釣りは数投で止めることにしました。

初めて釣った(イサキ・・・ウリボウ)

さて、ちょっと落ち着いたので、遠方を見ると、どうもM・Tさんらしき人影が見えます。とりあえず竿を置いて、早速そこに行ってみます。

「こんにちわ。」

「ああ、来てたの」

「いかがですか?」

「今日はシマダイ。もう2杯目だよ。」

といって、M・Tさんが指差したバケツの中には、20センチクラスのシマダイと7センチほどのウリボウ(イサキの子供)が沢山入っています。

「へ〜、シマダイがいい型ですね。」

「そう。良く釣れるよ。ちょっと休憩しないと、クーラーが一杯になっちゃうよ。」

「ところで、このイサキ、カンパチ釣りにちょうどいいサイズですね。」

「次に釣れたらあげるよ。」

「私もイサキを釣った事がないので、釣りに来ます。」

ということで、一旦戻って、竿を1本だけ持って再度M・Tさんのところに行きます。浮き下や場所などをM・Tさんに教わり、投込むと、釣れました!!ウリボウです。M・Tさんからも頂いて、7匹ほどのウリボウを確保。早速カンパチ釣りに戻ります。

カンパチ狙いの餌になっていたドンコとシマダイをリリースして、イサキをつけます。後は待つだけです。この頃には徹夜の影響で相当疲れていたので、泳がせ釣りはちょうど良い休憩になりました。

ところで、M・Tさんのクーラーの途中経過が右の写真です。シマダイの型がいいので、羨ましいですね。ウマヅラハギも釣れたようです。私もこの場所で1匹だけ、まあまあのサイズのシマダイを釣りました。

さて、イサキによるカンパチ釣りは結局敗退。イサキは骨が硬いので、カンパチは嫌いなのかもしれませんね。でも、この時間帯は、アジを使っている廻りでもあまり釣れていませんでした。回遊魚は、カンパチ以外はカツオが1匹だけ上がりましたが、ほぼ終結したようです。

引きは良かったのに(ネンブツダイ)

結局10時前にはカンパチ釣りを諦めて、1本のウキ釣り用の竿を残して納竿です。この1本竿を持ってM・Tさんの釣っている場所まで移動します。ここで、もう少しシマダイを確保して帰ろうという作戦です。

「シマダイの様子はどうですか?」

「当りが止まってね。釣れなくなったよ・・・」

「そうですか・・・投げ釣りはいかがですか?」

「今のところアナゴ2匹。もう少しアナゴが欲しいな」

とM・Tさんと話をしながら準備をし、先ほどと同じ仕掛けで釣り再開です。しかし、確かに当りが減っています。やっと何投目かに当りがあったのですが、上がってきたのはネンブツダイでした。

カワハギ狙いは(ササノハベラ)

あまりにあたりがないので、諦めて、最後に青イソメでへち釣りをしてみます。しかし、フグの仕業で、針が、1本、2本となくなっていきます。釣れるのは、フグとササノハベラだけです。

ところで、このササノハベラ、最近アカササノハベラとホシササノハベラの2種に分類する論文が出たようです。その分類上は、ここで釣れるのはホシササノハベラですが、まあ、ササノハベラで十分ですよね。ササノハベラはべらの中ではキュウセンに次いで美味しい魚なので、喜んでキープです。サイズも20cm超の良型です。

結局、12時頃までここで楽しんで、餌がなくなったので納竿としました。

今日は、途中からカンパチなどの回遊魚を諦め、雑魚の五目狙いに走りましたが、おかげで色々な魚が釣れて、楽しい一日でした。

釣果は、アジ(15〜25cm)15匹、ムツ(20〜22cm)4匹、シマダイ(小型〜18cm)多数(持ち帰り2匹)、ウミタナゴ(25cm)1匹、マコカレイ(29cm)1匹、カワハギ(24cm)1匹、ササノハベラ(20cm)3匹、メジナ(15cm)1匹、ドンコ1匹(リリース)、ウリボウ6匹(リリース)、フグ多数の11目釣りでした。どれもサイズがいいので、クーラーが重くなりました(^^)

ちなみに周囲では、カンパチ、サヨリ、アナゴが釣れており、ウスバハギも泳いでいました。やっぱり鹿島は魚種の宝庫ですね。カツオは1匹だけ釣れていましたが、迷いガツオのようですね。

さて、来週はきむさんの大好きな場所に行く予定です。沢山釣れるといいなあ・・・・特にイシモチが釣りたい。イシモチの干物に惚れてしまった(^^;;;