2000年5月20日(土曜日) 大洗港

目標10目釣り??

先週は「南浜撤退宣言」をしたので、今週の行き先は悩みました。この時期の候補は、

というところですが、どれもそれほど釣れそうではありません。早朝は波も高そうなので、早々と、突堤案が消えます。

私が惹かれたのは、大洗新堤防(大堤防)。目標は「ヒイラギ」です。去年から追いつづけて、まだ釣れないヒイラギを釣りに行くため、大洗新堤防を提案します。

「でも、あそこ、浅くなってるらしいよ。」

「確かに、去年の秋行ったときも浅かったよ。でも、カンパチやヒラメが足元で釣れてたよ。」

「じゃあ、新堤防にする? イカも来てるかもしれないし、先端でイシモチ釣ってもいいしね。サビキにアジが来るかもしれないよね。」

「うん、メゴチやハゼはきっと釣れるよ。シャコもね。キスもいるかもしれないし。キス、メゴチ、ハゼ、ヒイラギ、シャコ、イシモチ、カレイ、アジ、イカ、フグ(^^) で、10目釣りだよ。これにヒラメ、マゴチで12目さ。」

と私にしては珍しく?前向きな展望を掲げて、とりあえず新堤防に決定です。波が高そうなので、一度中堤防から様子を見て、そこから見える新堤防の角を波が越えてないようなら行こうということになりました。新堤防は、中堤防対岸の角が一番弱いので、そこを波が越えてなければまず大丈夫なのです。

早速仕掛けの準備です。今日はヒイラギがメインなので、小型の針を使って5本針仕掛けを作りました。シャコが掛かっても切れないように、ハリスは3号のフロロカーボン仕掛けです。

アメダスと波浪情報をインターネットで調べて、つくばを朝2時に出発です。理由は、@先端の良い場所を確保する。A暗いうちに到着して、イシモチを釣る。B午後から雨なので、早く行って早く帰る。C貧乏なので深夜なら高速道路を使わないで済む。・・・からです(^^)

しかし、午前2時・・・つくばは大雨・・・

「おはよう」

「おはよう。雨だね。」

「うん。でもアメダス見る限り、今日の午後までは大丈夫だと思ったんだけどなあ・・・・特に、大洗周辺は一番降りにくいと思うよ。多分、この雨は一時的なものだよ。」

「波はどう?」

「だんだん収まりそう。昨日は一日中荒れると思ったんだけど、今日の予報を見ると良くなる方向だよ。」

「じゃあ、大丈夫だね。」

ということで出発です。雨は予想通り、石岡近辺でやみます。地面が乾いているので、まだ降ってないようです。

まず餌の購入のため、フィッシング大洗に寄ります。

「こんにちは。雨海さんはいらしゃいませんか?」

「今は鹿島ですね。12時頃に交代したんですよ。」

「雨海さんも大変ですねえ・・・・ところで、大洗新堤防では何が釣れてますか?」

「新堤はイシモチですね。」

「イシモチってことは外側ですよね。イカはどうですか?」

「船では釣れてるけど、まだ湾内では聞きませんね。イワシが入ってこないとねえ・・」

ということで、イカは望み薄のようです。やはりイシモチに賭けるしか無さそうです。そこで青イソメ購入です。

「この1000円のパックは500円の倍ですか?」

「倍以上入ってますよ。」

「Gakuさん、ここに書いてあるよ。60gと130gだって。」

「へえ、量が増えたんだあ。これだけ入ってるなら、1000円の1つでいいかな。」

「ええっ? Gakuさんには少ないよ。」

「だって、目的がヒイラギだから、房掛けなんかしないよ。」

「イシモチがいるかもよ」

「そっかあ・・・じゃあ、あと500円の1つね。途中で餌が無くなるほど悲しいことはないしね。」

ということで、餌を確保して大洗港に向かいます。まずは中堤防に行ってみると、驚いたことに、午前3時半だというのに、沢山の人がいます。

「人が多いね。何釣ってんのかなあ?」

「アナゴかな? イシモチはここじゃあ釣れないよね。」

「新堤防は大丈夫そうだね。」

「うん。波は越えてないね。」

と新堤防に向かいます。イシモチ定番場所の新堤角外側には数人の釣り人がいますが、釣れてはいないようです。この時点で薄明るくなり始めました。

「お、明るくなってきた。早く行かないと、今日一番可能性の高いイシモチに間に合わなくなるよ。」

と、急いで支度をして先端を目指します。

当たりは無いのに・・・船は多い(;_;)

先端に到着したときにはかなり明るくなっていました。早速1本だけイシモチ用の竿を作って投げ込みますが、当たりはありません。仕方がないので、ヒラメ狙いの竿を作って足元に放り込みます。もちろん、これにも当たりはありません。

しばらくすると、4人組がやってきて、近くで釣りを始めました。それ以外には誰も来る様子はありません。波はだんだんと収まってきました。

000520p1.jpg (6092 バイト)突然きむさんが叫びます。

「Gakuさん、タモある?」

「何?」

「イカが泳いでる。」

「ええっ?」

と慌ててタモを組み立てます。しかし・・・・組み立て終わったときには、イカは消えていました(^^;;;;

「イカがいるんだね。イカ釣りをやってみよう。」

と二人でイカ釣りをしてみますが・・・・・だめでした。

完全に明るくなった頃、大洗の漁船団の出航です。このうち、1隻が堤防ぎりぎりを通ります。きむさんの竿が巻き込まれて海に落ちそうになり、慌てて押さえます。

次は私です。慌てて竿は押さえますが、糸は根元から切られてしまいます。PEラインを100メートル、持って行かれてしまいました。その後も、時々漁船が近くを通るので、遠投できません。どうもこの辺り全体に魚がいないようで、漁船もあっちこっちをうろうろしているのです。

漁船の来ない合間を見計らって遠投でヒイラギ狙いを開始しますが、やはり当たりはありません。仕方がないので、4本の投げ竿を準備して置き竿にします。私は何時でも何処でも、投げ釣りをするときには大抵カレイを狙いますが、今日はヒイラギに徹するため、投げ竿のうち3本はヒイラギ狙いの上州屋18円仕掛けです。残りの一本は昨晩作った自作のシャコ兼用5本針仕掛けにしました。

しかし、周りは本当に浅く、どこに投げても水深3メートルほどです。しばらくしてシャコが1匹釣れ、ヘチでクサフグが1匹釣れた以外は、ヒトデのオンパレードです。このヒトデだけは毎回釣れてきます。重いので一瞬嬉しいのですが、すぐにヒトデと分かるので、あとは巻くのが重いだけです。

ただ、ちょっと不思議なのは、ヒトデの種類です。砂地に多いヒトデやモミジガイだけでなく、岩場などに多いイトマキヒトデが結構釣れるのです。しかし、根掛りは全くありません。さびくと砂紋が手に伝わってきます。それなのにイトマキヒトデが釣れるのは何故でしょう・・・・不思議ですね。

あまりに釣れないので、ぼんやりしていると・・・

「Gakuさん、いまあの竿に当たったよ。」

「波じゃないの?」

「当たりみたいだったよ。」

きむさんが指差したのは、ヒラメ狙いの竿です。で、上げて見ると・・・・餌のイワシの下半身が完全に食いちぎられていました。さて、犯人はヒラメか、イカか・・・・いずれにせよ、ちょっと期待できそうです。早速3本のヒラメ狙いの竿を近くに並べますが・・・・・結局ここの当たりもその一度だけでした。

きむさんは漁船を避けて、先端から撤退。100メートルほど遠方に移動です。私は道糸を沈めて漁船に対抗しますが・・・・やはり何も釣れません。後から来た4人組は、ヘチで小型のソイやアイナメ、投げで小型のメゴチなどを釣っていますが、やはりヒイラギは釣れないようです。

なぜかカレイ・・・・・・

8時頃になりましたが状況は変わりません。あまりに釣れないので、きむさんは移動した場所からも撤退を開始し、戻ってきました。きむさん、外側、内側、テトラの隙間と、あらゆるところを攻めたのですが、ダメだったようです。私はヒイラギ狙いの竿を先端から3方向に投げ込みます。

うち1本を上げようとすると・・・重い手応えです。しかし、重いのにはヒトデで慣れています。またヒトデか〜〜と思いながら巻き上げます。すると、途中で、魚の引きのような感触です。

「あれ? 魚かな?」

でも、まだ信じられません。2回目の引きで、初めて魚だと確信しました。

それほど強い引きではないので、一定のテンションで足元近くまで巻いてきますが、なかなか魚の姿は見えません。近づくにつれ、引きはどんどん強くなりますが、カレイとは違う、アイナメに近いけれどアイナメとも違う・・・ヌマガレイのような不思議な引き方です。なんだか分かりません。仕掛けは18円仕掛け(だと信じていた)ですから、無理は出来ません。ドラグを少し緩め、きむさんを呼びます。

「タモお願い。」

「え?何?」

「まだ見えないから分からない。」

「サメ?」

「サメかあ・・・そうかも。こんな引きは初めて。」

「仕掛けは?」

「18円仕掛け。だから切れるかも。」

「強そうだね。カレイかもよ。」

「何だろう・・・」

000520p2.jpg (10441 バイト)と巻き上げます。すると、姿が見えました。カレイです。

「カレイだ。いいサイズだね。」

と、きむさんがタモ入れをしてくれました。

「40cmはあるね。」

「うん。いいサイズだ。あ、これイシガレイだよ。」

「あ、本当だ。」

「だから引きが違う感触だったんだ。ヌマガレイみたいだって思ったんだよね。」

「あれ? 18円仕掛けじゃないね。」

「あ、本当だ。この竿は5本針仕掛けだったんだ。」

確かに、仕掛けは自作の5本針仕掛けでした。それでハリスが切れなかったのでしょう。ラッキーでした。

「餌は?」

「青イソメだけど、1匹だけで、ほとんど垂らし無し(^^;;;;」

「事故みたいなもんだね。」

「うん。偶然の事故だねえ・・・とても、もう一匹釣れる気はしないね。」

といいつつも、40cmクラスのカレイ確保に満足です。

000520p3.jpg (7614 バイト)しかし、結局それで今日のドラマは終わりでした。9時過ぎにはきむさんの「魚がいない」宣言が出て、撤退を開始します。撤退は10時頃でした。帰り道、中堤防を覗くと、人で一杯でした。皆さん何が釣れたかな?

旭村?那珂湊??

「これからどうする?」

「波も収まってきたし、旭村の突堤というのに行ってみる?」

「Gakuさん、まだ釣りたい?」

「別に僕はいいけど。」

「風が強くなって来たから釣りにくそうだよね。」

「確かにねえ。」

「那珂湊にしない?」

「那珂湊?」

「魚市場。」

「あ、そうかあ(^^)」

ということで、那珂湊魚市場に行くことになりました。

000520p4.jpg (8105 バイト)まずは、きむさん曰く、「茨城県で一番良く釣れるポイント」である、湾奥排水口周りの見学です。ここはいつでも釣り人がいます。釣り人のバケツの中には良型のハゼがたっぷり入っていました。

排水口の前にはボラが群れていました。このボラをトリックサビキやギャング釣りで釣っている人がいました。釣って食べるのでしょうか? 外人さんもいました。

ハゼは環境汚染に強く、住んでいる場所の匂いが移りにくい魚なので、この場所のハゼでも美味しく食べることができると思いますが、ボラは餌を海底の泥と一緒に食べるので、あっという間にその場所の匂いが体に移ってしまう魚です。多分、ここの排水口周りのボラは不味いと思うのですが・・・・・

市場では前回と同じく、カツオが大安売り。それに並んで50〜60センチほどのマグロが売っています。「メジマグロ1匹1000円」などの表示が並びます。

「マグロ買って帰ろうか。」

「そうだね。でも、これ本当にメジかなあ・・・違う気がするなあ。」

「そう? メジじゃなかったら嫌だなあ。」

「おじさん、これ本当にメジマグロ? ひれが長いけど、ビンチョウじゃないの?」

「いや、メジマグロだよ。」

魚屋さんにそう言われては、反論できません。でも、なんだかヒレが長すぎるような気がします。ただ、マグロは釣ったことが無いので(^^;;;、私の知識もあいまいです。

「ま、メジじゃなくてもビンチョウじゃなければ、そんなに味はかわらないよ。」

「じゃあ、一番安いの買う?」

000520p5.jpg (10666 バイト)ということで、二人で2匹1500円のマグロを買って帰りました。一人750円です。

自宅で調べたら、やはりこのマグロ、クロマグロの子(メジマグロ)ではなく、メバチマグロでした。那珂湊の市場で「メバチマグロ」の名前を思い出さなかったのが敗因でした。まあ、メジマグロという呼び方は俗称なので、茨城ではメバチマグロの子供もメジマグロと呼ぶのかもしれませんね。メジマグロの写真は「茨城で釣れる魚図鑑」に載ってますので、興味のある方は見て比べてください。

このマグロ、味は良かったので満足です。ま、メバチも夏はメジより美味いといわれるマグロですからね。

これで今日の釣行は終わり。12時過ぎに那珂湊を出発すると同時に雨が降り出しました。

「予想通り、雨だね。止めて良かったね。」

ということで、釣りは早朝だけでしたが偶然カレイが釣れたので、満足しました。

来週はどうしようかなあ・・・・