2004年113日 水曜日(文化の日) 

釣りは二の次

「パパ、明日は釣りに行くの? 

「う〜ん、どうしようかなあ・・」

「カレイの煮付け食べたいな。カワハギの肝和えも食べたい!!」

「行くとしたらカワハギ釣りだけど、釣れそうな気がしないんだよね。ただ、これをやってみたいから、行ってみてもいいとは思ってるんだけど」

「へえ、それ、面白そうじゃん。それ、やってみてよ。」

ということで文化の日の祝日、天気も良さそうだったので、長年計画していたことを実験するため海に行くことにしました。ついでにカワハギの実釣り調査です。

長年計画していたこととは、ビデオカメラで海底の様子を撮影することです。今回は初めてなので、ともかく撮影できるのかどうか実験です。

場所は、ビデオカメラを運ぶ都合もあり、車横付け出来る場所を選ぶことにしました。夜明け前に現場に到着です。

流石に車横付け場所だけあって、当然沢山の人が釣っていますが、入る隙間はありそうです。とりあえず観察しに行くと、ちょうど投げ釣りに10センチほどの小さなカレイが釣れていました。

「へえ、可愛いカレイですね。沢山釣れるんですか?」

「いや、これが初めて。夜の間は、アジとサバを釣ってたんだよ。サバはサイズのいいのが来るよ」

と言ってる傍から、サビキ竿の鈴がなっています。上がってきたのは15センチ弱のアジでした。

これを見てとりあえず、明るくなるまでの間、アジのサビキと投げ釣りをしてみることにしました。但し、今日は釣りを熱心にする予定はなかったので、コマセはありません。仕方ないので、サビキにオキアミをつけて垂らしてみますが・・・結局何も来ませんでした。

朝マズメのカレイを狙って、カレイ竿も準備します。2本作って、近場と遠くに投げ込みます。

小振りのカレイ

周囲が完全に明るくなったので、サビキは終了し、今度はカワハギ調査です。しかし、全くあたりがありません。色々と動き回りながら探ってみます。

カレイ竿の方は放置状態でしたが、しばらくして上げて見ると、30センチ弱のカレイが掛かっていました。小振りですが、カレイの煮付けには最適なサイズです。これであゆみにお土産が出来たので、一安心です。

この後は、カレイ竿は小型の10〜15センチのカレイの猛攻です。最初はリリースするつもりで、バケツに入れておいたのですが、針を飲み込んで救命できないやつが出はじめ、から揚げにすると美味しそうだという気にもなったので、キープすることにしました。

で、カレイ竿の仕掛けを1本は小型の針に換えました。すると、3本針に三匹掛かってきたり、1匹が針を三本とも飲み込んだりと、色々な状況で釣れました。

しかし、この木っ端カレイ釣りに熱中するわけにもいかないので、ともかく今日の主目的であるビデオ撮影をしてみましたが・・・・これは、なかなか難しいことが分かりました。水中での姿勢制御がなかなか出来ないのです。底の方に行ってしまうと、カメラは目視できないので、手探りで姿勢を直すのですが、どっちを向いているのやら・・・・ということで、一応実験は終了です。

左の写真はこの場所の海底です。左側に写っている魚はアイナメでしょうか。へち際を泳いでいました。

カワハギ発見

さて、この頃になると、ファミリーの釣り客が沢山やってきます。狭い隙間に沢山の人数でどんどん入ってくるので大変です。私の隣にも、おじいさん、おばあさんと娘さんの三人がきて、一人2本ずつ、6本の竿を並べました。お陰で、これ以降お祭りが頻発します。でも、こういったファミリー釣り場での釣りは久しぶりなので、お祭りもそれなりに楽しめました。

で、その隣の娘さんのちょい投げ竿に、何かが掛かります。上がって来たものを見ると・・・・なんと、カワハギです。ワッペンサイズで、体型的にはもしかするとウマズラかヨソギかもしれませんが、何れにせよカワハギです。これで急にやる気が出ました。投げ竿は放置し、カワハギ釣り再開です。

意外な大物

ともかく、カワハギは、へち際ではなく、10メートルほど投げ込んだ辺りにいるようです。そこで、集中的にそのあたりを攻めますが、当たりはありません。一度だけあたりがあったと思ったら、20センチほどのアイナメでした。これはリリースです。

日が高くなってくると、木っ端カレイのあたりも止まってきました。小型のメゴチ以外は、ヒトデばかりが掛かるようになってきました。前夜から釣っていた人たちは帰り始め、隣のファミリーも、そのあいた場所に移動していきました。そこで、私はそのファミリーのいた場所で、徹底的にカワハギを攻めてみることにしました。

カワハギ仕掛けを20メートルほどに投げこみ、誘いながら当たりを待ちます。時折小さな当たりはあるものの、なかなか食い込みません。で、あたりに合わせて最初に釣れたのは、久々に見るチャリコでした。これもリリースです。

次の当たりで掛かったのは、おなじみ木っ端ガレイ。どうもカワハギはいないようです。たまにキスのような引っ張る当たりもあるのですが、これは針がカワハギ針のためか、針掛りしませんでした。

そうこうしているうちに、小さなあたりに合わせたところ、何かが掛かりました。しかし、あまり機敏に動きません。「なんだあ?」と思っていると、意外と強い引きをし始めます。しかし、アイナメとも違います。仕掛けがカワハギ狙い用の細い仕掛けですので、無理は出来ません。ゆっくりやり取りしながら寄せてくると、平べったいものが見えます。「カレイかヒラメかな?」と思いますが、すぐに見えなくなります。

カレイかヒラメであれば、どう考えても抜けるとは思えなかったのですが、タモが組み立ててありません。ちょうどその時、帰ろうとしていたお隣さんが様子を見に来て下さったので、お願いします。

「すいません。あそこにタモがあるんですが、それ組み立ててもらえませんか?」

「ああ、いいですよ。何が釣れたんですか?」

「分からないんですけど、平べったいので、カレイじゃないかと思うんですが・・・糸が0.6号なんで、無理が出来ないんです。」

早速、その方がタモを組み立てて下さる間に、再度魚を浮かせます。すると・・・・

「あ、ウズバハギだ」

「え? ウズバハギ? そんなのが鹿島にいるんですか?」

「ええ、5年位前には沢山入ってきて、カッタクリ釣りで釣れた事もあったんですよ。」

「へえ、磯場では見ることがあるけど、湾内で見るのは初めてだなあ。」

と会話している間にタモが組みあがったので、タモ入れです。

「寄せますから、よろしくお願いします。」

タモ入れにも成功し、久々のウズバハギに対面しました。45センチ程度の、少し小型のウスバハギでした。

「へえ、これ美味しいですか?」

「ええ、カワハギほど肝は大きくないんですけど、美味しいですよ。今日はカワハギが釣りたくて来たんですよ」

「じゃあ、合わせて釣ったんですか?」

「ええ、カワハギ仕掛けで。さっき、隣にいた人がカワハギ釣ったので、カワハギがいるって分かったので狙ってみてたんです。」

「ああ、私もあれを見て、こんなところにカワハギがいるんだって思ってたんですよ。」

やはり、皆さん廻りを見ているですね。こういうファミリー場所は、混雑している分、みんなが色々な釣り方をしているので、それが参考になるという利点はありますね。ちなみに、スキップバニーをしている人、ヒラマサの籠釣りをしている人もいましたが、当たりは無いようでした。

この後もしばらく、2匹目を目指して頑張りましたが、当たりも無いし、お土産も十分なので、納竿としました。

結局、今日の釣果は、

カレイ 1匹

木っ端カレイ 12匹

ウズバハギ 1匹

リリース:アイナメ、チャリコ、メゴチ

でした。

カレイは、木っ端も含め、予定通り煮付けに、ウズバハギも予定通り肝和えになり、あゆみに面目が立ちました。

ちなみに、撮影の方は予想以上に綺麗に写ることが分かりました。姿勢制御の問題さえ解決できれば、面白そうです。データが溜まったら、いつか公開する予定です。

ではでは。