20144月中旬

今回の狙い

ジュネーブから戻って、ぜひお会いしたいのは、「ノビタの釣り天国」で有名なノビタさんです。昔から、様々な釣りやポイントをノビタさんに教えて頂き、新しい釣りに出会いました。昔から、年に一度はきむさんと一緒にノビタさんと釣るのが楽しみでしたが、大震災やジュネーブ赴任もあって、ここ数年お会いしていません。

ただ、茨城は釣り場が少なくなり、ノビタさんの釣りも段々と船釣りが増えてきて、船釣りをしないわたしやきむさんは、一緒に釣る機会を見つけるのが難しくなってきました。釣り場の減少でノビタさんが陸から釣りをするのはアジ釣り位です。

ノビタさんの船のカレイ釣りは、カレイ好きの私にはなかなか魅力的で、一度行ってみたい釣りなのですが、船はきむさんがだめなので、これまで実現しませんでした。

しかし、昨年はきむさんがボート釣りにデビューし、凪であれば船でも釣りができることになりました。大震災のおかげで小名浜でのカレイ釣りをしなくなった私は、カレイ釣りに飢えており、きむさんを誘ってノビタさんとの船カレイ釣りをしてみたいところです。

そこで、凪の日を選んでノビタさんと船でのカレイ釣りに行こうという計画を発動、年明け早々から、ノビタさんに連絡を取り、この時期のカレイ釣りを計画していました。

そして、ノビタさんから、マコガレイが釣れているという情報が入ってきました。早速実行日の検討ですが、きむさんの日程がタイトなので、行ける日が少なく、ピンポイントになりそうです。天気予報で、3日後の波の様子を観察すると、凪になりそうな予報です。実行決定です。

ノビタさんに連絡を取り、船の予約をお願いします。

ノビタさんは、仕掛けづくりの参考にと、事前に自作仕掛けを送って下さったのですが、この仕掛けは高度すぎて、とても同じものを作成するのは無理そうです。やむなく上州屋に行って、できるだけノビタさんの仕掛けの構造に似ている仕掛けを買ってきました。

船は5:00に集合とのことで、港集合は4:30、きむさん家集合3:20と日程が決まり、我が家発は2:30を予定します。

前日21:00にベッドに入り、早起きに備えますが、家内が寝るときの物音で目覚めてしまいました。午前1:00です。ゆっくり支度をして、2:00過ぎに出発しました。

初のカレイ船にワクワク

3:20分にきむさんをピックアップし、港に向かいます。

この港に来るのは、何年ぶりでしょうか・・・1999年の4月にここでチアユ釣りの見学をした記録があるのですが、釣りをしたのはさらにその数年前、1996年の夏以来です。茨城で釣りを始めて間もないころ、この港でサッパやウミタナゴを釣ったのは懐かしい思い出です。

予定より少し早く着いたので、トイレに行こうと記憶をたどってトイレを探しますが・・・ありません。ウロウロすると、別の場所にきれいなトイレが建築されていました。多分、大震災の津波で、トイレも流れてしまったのでしょうね。新しいトイレはとてもきれいでした。

4:30にノビタさんが到着。早速場所の確保です。既に、両舷のトモと左舷のミヨシの端は先客に取られていたのですが、右舷のミヨシは空いていたので、そこにノビタさんが入り、そのよこに私ときむさんが並ぶ形で、うまく右舷に三人並んではいることができました。

今日の乗客は我々3人を含め、7人とのことです。

5時前に船長が到着し、まず餌の配布がありました。青イソメ120gです。人によっては追加料金を払って倍量もらう人もいるようです。

餌の配布が終わると、船長さんが我々のところにやってきて、餌の付け方や釣り方を教えてくださいました。初心者には、こうして指導をしてくれるそうです。私は遊漁船は、娘とカワハギ船に2回と、沖縄でシイラ釣りをしたことがあるだけです。きむさんは本当に船釣りは初めてです。ノビタさんが船長さんに、我々が船釣り初心者であることを伝えておいてくれたようで、船長さんが誘いの仕方を実際にやって見せてくれました。

さて、レクチャーの後、5時過ぎに出航、まずは近場からやっていくそうです。近場と言われたので、すぐに到着するのかと思えば、船はどんどん沖に出ます。予想以上に沖に出るようです。結構うねりがあり、きむさんは辛そうです。

戦闘開始・・・でも釣れない

船は15分ほど走り、磯崎沖に到着。ここで一度目の釣りです。

早速仕掛けを投入します。仕掛けの長さは、潮の流れがあるときは長め、潮が流れないときは短かめが良いようですが、潮の流れがどうなのかよく分からないので、とりあえず長い仕掛けを使うことにしました。全長1mの三本針仕掛けです。先端の一本が無いと思えば、短い二本針仕掛けと同じなので、長い仕掛けは短い仕掛けを兼ねる・・・というのは、私の素人考えかもしれませんね。

小突き釣りというのも初めてですが、船長さんに教えてもらった通り、錘で海底を10回くらい叩き、その後そっと聞き合わせをする繰り返しです。海底は砂地で根掛かりはしないそうです。

しかし、何度かの小突きの後、上げようとすると上がりません。すっごく重くて、ゆっくり上げようとすると、少しずつ上がっているようです。

魚ではありません。船長さんがすかさず「釣れたか?」と声をかけてくれます。

少しずつは上がっているので、何かは掛かっている・・・・と思ったのですが、よく見るとドラグが緩んで糸が出ています。実は全く上がっていなかったようです。で、ドラグを締め直してあげようとすると、全く上がりません。

「いや、根掛かりみたいです」

「ここは長がりはしないぞ。タコだよ」

「あ、そうかも・・・・」

と言ってさらに上げようとしますが、突然外れます。タコだったのか、根掛かりだったのか・・・いずれにせよ、船中最初のお騒がせをしてしまいました。

結局この場所では誰も釣れず、次の場所に移ります。でも、次の場所もダメです。船長さん、今回は見切り早く、さらに次の場所に大きく移動します。

三度目の正直でカレイ

三度目の場所では、当たりが出始めますが・・・・どうもフグっぽい当たりです。ノビタさんが早速フグを釣っています。

そして、私にもついにかかりました。あたりから予想した通り、ショウサイフグです。

6:15

このフグ、最も先の針を思いっきり針を飲み込んでおり、外せるとは思えなかったので、針を切ります。そこに、昨日準備した、緑色のカレイ針+夜行玉+淡水真珠の針を付けます。その後、何度かフグが当たりますが、針掛かりしません。ノビタさんにはフグが掛かるのに、私には掛からないので、そこは何か差があるのでしょう。

そうこうしているうちに、フグとは違う当たりがありました。聞き合わせたところ、乗っています。フグよりずっと強い引きです。

ノビタさん「お、釣れたか?」

「何か釣れました。」

ノビタさん「カレイじゃないの?」

「フグとは違いますけど、よく分かんないです。」

船長さん「それはカレイだよ。」

船長さんは、竿の曲がり方や抵抗の仕方で分かるようです。上がってきたのは、確かにカレイ、それも40センチ超の良型でした。

船長さんが手際よくタモ入れしてくれます。

「わあ、ありがとうございます。カレイが釣れてうれしい」

ノビタさん「すごいね。船中で最初の一枚かも。」

他の方の様子は見ていなかったのでわかりませんが、ともかくカレイが釣れて一安心でした。

投げ釣りで上げるときと違って、カレイが抵抗するのがダイレクトに伝わるので、カレイの引きとは思えませんでした。これが上から釣る船釣りのカレイなのですね。

6:28

このカレイ、さきほど付け替えたばかりの一番先端の針を思い切り飲み込んでいたので。またハリスを切ります。夜行玉か淡水真珠に効果がありそうです。どちらに効果があったのか確かめるため、次は淡水真珠と金玉の仕掛けを付けてみました。

そのすぐ後に、きむさんにも何か大物が掛かりますが・・・これはホシザメでした。

タコフィーバー

さらに沖に場所替えです。ここから5回目の流しになりました。

暫くして、きむさんに何かかかったようです。きむさん、すぐにタコだとわかったようです。船長さんもタコだと言っています。上がってきたのは500gほどの食べごろのタコでした。

そして、私の竿にも重みが出ます。これは相当の重さです。船長さんがこれは良いタコだ、と言ってくれたのですが、上がってきたのは、大きな石を3つも抱えた、500gほどのタコでした。

この後、タコフィーバーになります。ノビタさんにも、一番後ろの人にもタコです。まるでタコ釣りをしているかのような状況になります。

私も二匹目のタコを釣りました。ノビタさんはムシガレイを釣っています。

そして、また、あの当たりです。前回よりは軽いものの、カレイだと確信します。

上がってきたのは35センチほどのマコガレイでした。こんどは真ん中の針にかかっていました。

美しい魚隊に惚れぼれです。沖のカレイだからでしょうか、模様も綺麗です。

二匹目のマコガレイが釣れて一安心です。7:22でした。

この直後、ノビタさんにも良型のマコガレイが来ました。この場所はカレイがいるようです。

他にもポツポツとカレイが上がり始めました。

うねりで辛そうだったきむさんも、うねりが収まり、徐々に復活モードです。

その後、他の釣り人にポツポツとカレイが釣れるので、船長さんも流し続けてくれます。

船は移動しているのに、潮と同じ速さで移動するおかげで、糸が真下に出て小突きやすくなります。

船長さんがトラブルやお世話で運転席を離れている時間が長くなると、糸が斜めに出始めて釣りにくくなるので、船長さんの操船の価値の高さを感じることができます。

カレイ釣りは、船長さんの力量が50%の釣りだそうです。技や経験も腕も必要ですが、半分は船長さんの力ということですね。今回お世話になった船長さんは、カレイ釣りの百戦錬磨だそうです。

この広い海の中で、カレイがいるピンポイントを確実に見つけてくれるようです。

私はその後は一匹フグが釣れただけで、なにも釣れません。隣ではノビタさんがフグをバシバシ釣ってます。フグでもいいから釣りたいって気になってきます。

一荷釣りで初のムシガレイ

これまで、二匹のフグはどちらも真ん中の針にかかってきました。カレイは真ん中と下の針です。一番上の針には何もかかりません。

フグを釣りたければ、餌を動かさずに空中で浮かせて待っていればよい気がします。そこで、小突きを少なめにして、餌を長く動かさずに待ってみることにしました。しかし、やはりフグは釣れません。針がカレイ向けに大きくしてあるのもフグが釣れない原因でしょう。まさかフグ釣りに苦労するとは・・・・でも、さすがにフグのために仕掛けを交換するわけにもいかないので、カレイ仕掛けで耐えます。

暫くして、動かさないでいた仕掛けを動かそうとした瞬間、激しい当たりがあります。これまでのカレイの当たりとは違います。重さもあるのですが、暴れる強さはそんなに強くありません。

不思議な感じで、何が釣れたのだろう・・・と上げてみると、カレイです。それも一荷です。

ノビタさんがタモを入れ、奇跡的なタモワークで、さっと二匹ともすくってくれました。まるで手品のようで感動しました。

8:21

一番上の針に40センチほどのマコガレイ、一番下の針に30センチほどのムシガレイです。

これまでムシガレイは釣ったことが無かったので、図鑑に新種追加です。うれしいですね。

一番上の針にカレイが掛かったのも初めてでした。それでこれまでと違った激しい当たりと感じたのですね。

しばらく沈黙の時間にきむさんが復活

さて、カレイが4匹釣れたので、一安心。これでもう打ち止めでも大丈夫です。

こういう気持ちが行動を鈍くするのか、この後急にカレイが釣れなくなります。ここまで、ほぼ一時間ごとにカレイが釣れていたのですが、突然ストップです。

フグだけはポツポツと釣れます。釣り場が悪いのか、腕が悪いのか・・・・ここで船長さん、一旦陸地側に大きく戻ります。

暫くして、またフグのような当たりがあります。

針掛かりしたので、フグと確信して巻き上げ始めましたが、どうも重いのです。しかし、大きく引く感じではありません。

何が釣れたのだろう・・・・と思っていると左舷側の人から声が掛かります。

「こっちとお祭りしてるよ」

「あ、そうですか。それで重いんですね。すいません。」

「そっち、もう上がる?」

「ええ、もうすぐ上がります。」

「じゃ、そっちで上げて外して」

ということで、重いのはお祭りのせいでしたが・・・上がってきた仕掛けには、ちゃんと魚が付いていました。フグではなく、カナガシラです。一番下の針でした。

9:45

カナガシラも、これまで釣ったことが無かったので、嬉しい釣果です。写真集に追加です。

この後、きむさんにもカレイが来始めます。船長さんもご満悦です。

カナガシラから30分後、私も二時間ぶりにりにカレイが釣れます。今回は一番上の針です。

これでそろそろ終わりかな・・・・と思って時計を見たら、まだ10:20分。まだ一時間以上あることが分かって、驚きました。そろそろ腕がパンパンで、小突くのも限界になってきました。

カレイ釣りフィーバー

船長さん、ここで大きく船を動かし、また沖に出ます。一度目に最も沖に出た場所と同じ程度まで出て、新ターン開始のようです。

この流しの間に、船長さんは各人を回って、フグの処理をしてくれるのです。手際よく頭と内臓と皮をむいて、肉だけにしてくれます。ショウサイフグですから、肉だけなら食べても大丈夫です。もちろん自己責任ですけどね。

また沖に出たので、波が荒くなったせいか、きむさん再度の不調のようで、竿を出さずに船長さんと話をしています。

私は、お金を払ってる分、最後まで頑張らなくてはと、痛い腕を引き下げ、再度小突き再開です。

底の様子を探りつつ、深い場所に仕掛けを落とすようにします。ここから、カレイが連続して釣れます。マコガレイ三枚、、ムシガレイ一枚を一時間ほどで釣りました。このうち3枚目の良型マコは、なんと餌を3つとも食べていました。私の合わせが遅れた証拠ですね。

聞き合せでカレイの当たりを感じ、食わせて針にかけてあげる瞬間に、カレイが底に潜ろうとする感覚がカレイ釣りの醍醐味ですね。この感覚を最後に十分楽しむことができました。

12:00に沖上がりで、12:30には港に戻りました。船長さんが氷を配ってくれ、さらに手を洗う水と石鹸まで用意してくれました。

今日の釣果

ということで、今日の釣果は、マコガレイ7匹(35〜43)、ムシガレイ2匹、カナガシラ1匹、タコ2匹、フグ7匹でした。

マコカレイは家内がご近所に配って、残りは刺身、塩焼、煮つけになりました。

ムシガレイとフグは干物にしました。フグの干物は美味しかったです。

タコも一匹はご近所に行き、残りはゆでて食べました。

初の船カレイ釣りは、ノビタさんと船長さんの指導のおかげで、十分満足できる釣りになりました。確かに陸から一日かけて一枚釣るカレイ釣りをする気が無くなる気持ちがよく分かりました。でも、一万円の出費は痛いので、何度も来ることは出来そうもありません。次にノビタさんとご一緒するのは何釣りかな・・・

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