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2015年4月中旬

今回の狙い

四月は毎週末の天気悪く、出撃のチャンスがありません。結局稚鮎への出撃は出来ないまま、稚鮎のシーズンは終わってしまいました。稚鮎の情報も少なく、あまり釣れていないようです。

悪天候で釣りに行けないので、色々と工作です。ボート用に強力な磁石を使った餌投入器も作りました。竿受けの「受太郎」と一体化し、8本針まで対応できます。これで長いハリスの仕掛けも使い易くなります。

もう一つの工作は魚探振動子の付け直しです。前々回に新しい振動子に変え、左のようにトランサムに取り付けました。これで、深場まで見えるようになったものの、取り付け位置の関係で、泡切れしやすくなってしまいました。そこで、取り付け位置を変更し、右写真のようにして、ボートの下に半分入り込むようにしました。これで泡切れは減少するはずです。

この変更の効果を試してみたいので、ちょっとボートで出たかったのですが、この週末も風が強くてだめそうです。

義弟からは、週末に出ないのかとお誘いのメールが来ていましたが、風が強そうだし、日曜はきむさんと潮干狩り計画があるので、無理に出なくてもいいかな・・・・・と思っていました。義弟は、朝だけでも出るようです。

ところが、前日になって、天気予報が徐々によくなります。何とか午前中だけであれば出せそうです。

結局夕方の天気予報を見て、出撃することに決めました。場所は浅場から深場まであるいつもの内房です。魚探の試験が目的なので、釣りは色々状況をチェックするだけにしようと準備します。

今日は四月初のボート日和(午前中だけですが)土曜なので、この状況なら、ネットでいつも見ている「中年ゴムボート海釣り釣行記」の3.5馬力さんもアジのチェックに来ていそうな気がします。そこで、日の出に合わせて出れるように、早起きすることにしました。

一応前日夕方に義弟にも出撃するとメールしたのですが、返事が無いので、今回は久々に(今年初めて)一人で出船できる準備を整え、釣り場に向かいます。現地には4:30到着です。

現地でボートを組み立て終わり、メールをチェックすると、義弟からメールが入っています。今こちらに向かっているようです。そこで電話です。

「おはよう」

「あ、今日来るの? 何時頃来るの?」

「もうとっくに着いて、ボート組み立て終わったから出るとこだよ。」

「こっちも市内に入ったから、もうすぐ着くよ。」

「じゃあ、待ってるよ。一緒に出よう。」

ということで、義弟の到着を待つことにしました。

現地にはFRPボートの二人組が二組いますが、3.5馬力さんっぽい人は居ません。

そこに、トレーラーでゴムボートを牽引した人が到着しました。これは、3.5馬力さんのHPでコメントしているbaronさんに違いないと声をかけてみたところ、やはりbaronさんでした。

baronさんはゴムボートをトレーラブルで運んでいることは知っていたのですが、引っ張っている車が軽であることは、今日初めて知りました。この組み合わせは理想的ですよね。高速でも普通車料金で乗れるので、休日割引も使えますし、羨ましいシステムでした。やはりマンションから一戸建てに引っ越そうかなあ・・・・・

ということで、3.5馬力さんには会えなかったものの、baronさんといろいろお話できて良かったです。

さて、義弟もすぐに到着します。

しかし、ここで大問題が発覚します。今回取り付け方法を変更した魚探の振動子がドーリーと干渉して取り付けられないことが分かったのです。ドーリーを上げるときに干渉しないようにとは考えたのに、ドーリーの定常状態で干渉することは全く想定していませんでした。大失敗です。

ということで、まず船を海に出し、ドーリーを跳ね上げた後に、振動子を取り付けることにしますが、この取り付けに苦労してしまい、結局出航は6時になってしまいました。

まずはイカ釣り場

今日は最初にアジを見に行く予定でしたが、運転を任せている義弟はアジ釣り場ではなく西に向かいます。

「あれ?アジはあっちだよ。」

「最初にちょっとだけイカやらせて。イカは他の人が釣り始める前の、朝の一投が重要なんだ。」

「なるほどね。じゃ、最初はイカでいいよ。私もイカ釣りの準備しよう。」

ということで、竿に餌木を付けます。

イカ釣り場は近いので、五分ほどで到着。義弟が前回イカを釣った場所に入り、イカ釣り開始です。

しかし・・・・釣れません。

20分ほどイカ釣りをしたものの、当たりもなく、諦めてアジ探しに行くことにしました。

アジ釣り場チェック

今日は風も波もなく、快適な釣り日和です。

近くには、海上自衛隊の巡洋艦が雄姿を見せていました。

アジ釣り場は、まだ経験不足でよく分からないのですが、とりあえずこの辺というあたりに入ります。

時折魚探には反応があります。

早速私はオキアミ餌で流してみます。

義弟はタイラバです。

しかし、釣れません。餌は全部なくなっています。群れは通るのですが、小魚なのでしょうか。針まで食わないようです。

今日の水温は15度以上あるので、アジなら食うと思うのですが・・・・・

暫くして、やっと小さなあたりが出ます。

これはアジの当たりじゃないなあ・・・と思いつつ巻き上げてみると、良型のクラカケトラギスでした。

餌取りの原因はこいつだったようです。餌が底についていたのですね。

トラギスは美味しいのでとりあえずキープしますが、アジの望みはうすそうです。

深場用にサバの身餌を作りたいとも思ったのですが、こういう時はサバも来ませんね。

結局40分ほどでアジを諦め、深場方面に移動することにしました。

ちなみに、新しい魚探の振動子は、泡切れもなく確実に底を取ってくれます。これで地図つくりがはかどりそうです.

しかし、取り付け方法は再考が必要です。どうすればドーリーに干渉しないか悩むところです。

ムシガレイ狙い

次に到着したのは60〜80mライン。ここではアオイソメでムシガレイとホウボウを狙います。7:20分です。

今回準備した5本針仕掛けは、先の2本は伊勢尼などのマダイ系の針で長ハリス。3本目にトリプルサルカンを入れて万能針、手前の二本はムツ針でカレイ・アジなどに対応します。この仕掛けに、オキアミとアオイソメを付けます。

この5本針仕掛けは、仕掛けが長いので、ボート上では絡みやすいのが欠点でしたが、今回の仕掛け投入器はなかなか快適に使えました。

しかし、今日は風が殆どないので、船がどちらに進むか、流してみないとわかりません。

で、浅い方に進むと思っていたら、深い方に進み始めました。

でも、そのまま暫く流していると・・・竿に当たりが出ます。

カレイが来たかな? と上げてみると赤い魚です。うれしいオニカサゴ(イズカサゴ)でした。

サイズは20センチほどで、遊漁船だとリリースサイズですが、久々のオニカサゴだったので、ありがたくキープさせていただきました。

これに味をしめ、早速二投目です。

今度は小さいあたりです。

何かな・・・・と思ったら、ヒメでした。

これはリリースです。

再度60mラインに戻り流し始めましたが、風が北風から東風に変わり、思った方向に流れません。

結局、カレイ、ホウボウ狙いは失敗でした。

「折角だから、300mまで行かない?」

「そうだね。振動子のチェックにもなるしね。なにやるの?」

「イカ」

「ああ、深場のイカかあ」

義弟は根っからイカ釣り好きのようです。

20分ほどかけ、地図用のデータの少ないところを通りながら300mに向かいます。

300mに挑戦

「今何メートル?」

「220mだね。」

「折角だから300mまで行こう。」

「いいよ。魚探が追従するかな・・・・」

「どこまで見えるの?」

「カタログスペックだと600mだけど、海水だと半分かな」

「じゃあ、300mは見えるね。」

ということで、300mまで行ってみます。一応魚探は追従しています。

そのまま深い方向に流れていくと、310mでロストしました。

一度ロストすると、復帰に1分程度必要なので、やはり300m位が実用範囲だとわかりました。

8:30分、300mの釣り開始です。錘は180号です。この重さを付けてしまうと、天秤仕掛けでは当たりが殆どわかりません。ともかく底物を狙いたかったので、底まで仕掛けを降ろします。

今日は風がないので、ボートが殆ど流されず、錘が真っ直ぐ落ちます。

300mの水深に340m糸を出して底が取れました。これは感動です。300mではっきり底が取れたのは初めてです。

しかし、錘が180号だと本当に当たりは分かりません。なんとなく重くなったような気もするのですが・・・・・

よく分からないので、10分ほどして上げてみることにしました。

ビクビクという引きは無いのですが、何かついているような感触です。

5分以上かけて巻き上げると、ボラのような魚がお腹を上にして浮いてきました。

勿論ボラではありません。体型はキスのようです。

この魚、深海釣りの定番外道として、よく写真を見るのですが、名前を思いだせません。

これに似た体形の外道としてクロビシカマスは思い出したのですが、これは違います。これは仕掛けに白い粘着液が付く嫌われ者です。今回も仕掛けにその粘着液が付いていました。

まあ、外道ですが、新種ですから嬉しいですね。

上陸後に図鑑で調べてみると、これはオオギスとか沖ギスとか呼ばれる魚で、標準和名「ギス」でした。

高級かまぼこの原料だそうで。小骨は多いものの美味しい魚だそうです。ヒメやエソとともにさつま揚げにするのが良さそうですね。

ギスはアオイソメを食っていました。ちなみに、一番先端のオキアミ餌には、小さいドンコ(チゴダラ/エゾイソアイナメ)が掛かっていました。

ドンコは茨城の釣りでは定番ですが、最近釣っていなかったので、ちょっと嬉しいですね。

当然のように、口から浮き袋が飛び出た状態で上がってきましたので、救命不可能ということで、これもキープしました。

200mで嬉しい釣果

そのまま流されて、水深は200m程度になりました。

ここで、また竿が重くなります。

半分疑いつつ、巻いてみます。

すると、赤い魚が3匹、水中からあがってきました。

ノドグロカサゴと呼ばれるユメカサゴです。

二匹がアオイソメ、一匹はオキアミを食っていました。二匹は小さめですが、一匹は良型です。

三匹で暴れたせいか、仕掛けはぐちゃぐっちゃになっていました。

ユメカサゴは美味しいので、嬉しい釣果です。

一度に三匹釣れるということは、群れで暮らしているのでしょうか。カサゴは一匹オオカミのイメージがあったのですが、面白いですね。

この釣果に気を良くして、再度狙ってみます。

暫くすると、また重くなります。

何か掛かったかな・・・・と思って巻きはじめますが、途中で重くなった理由が分かります。

道糸に流れ藻が絡みついていたのです。

やはり巻き上げても魚は付いていません。しかし、何か藻のようなゴミが付いています。

なんだろう・・・・とよく見ると、カニでした。手足が長いのでクモガニ科の仲間だとは思いますが、勿論正式名称は分かりません。

写真でも分かるように、オキアミを口にくわえ、もう一匹を手に掴んでいます。オキアミ餌を食いに来たようです。

あとで色々調べたところ、ミズヒキガニが一番近そうです。とりあえず、その名で写真集に入れておきました。

これを最後に、深海の釣りは終わることにしました。結局ここでは一時間半を使いました。

最後にイカ釣り

これで私の目的は達したので、義弟の好きなイカ釣りに戻ります。ちょうど風も南風に変わり、これから海が荒れそうです。浅場に戻った方が賢明です。

地図つくりのデータを集めつつ、イカ釣り場に戻ります。

10:20分からイカ釣り開始です。

私は、イカ釣りはあまり好きではないので、深海で使った仕掛けそのままで、錘だけ替えて、底を探ってみますが、当然なにも釣れません。

義弟の方も苦しんでいます。

風が強くなってきて、ボートが流されるようになったので、シーアンカーを入れ、ティップランで釣りますが、当たりが無いようです。

結局12:00で予定通り納竿としました。

上がったところでbaronさんやFRPボートの方とまた会えたので釣果情報を交換しましたが、今日は皆さんイカはダメだったようです。アジも釣れていませんでした。

今日の釣果と成果

ということで、今日の釣果は、オニカサゴ1、ユメカサゴ3、クラカケトラギス1、ドンコ1、ギス1、ヒメ1(リリース)でした。

ギスは干物に、他は煮つけになりました。

ところで、ギスを捌いたところ、お腹の中にこんなものがありました。金色のピカピカですごくきれいな内臓です。最初は卵巣か精巣だと思ったのですが、白子が別途あったので、それは違います。で、調べてみると、浮き袋だそうです。

深海魚の浮き袋、この金色が、深海に住む上での何かの力を発揮しているのかもしれませんね。

ギスの干物はなかなか良い味でした。小骨がある場所を知っていれば、よけて身を取ることができるので、何ら問題ありませんでした。

次回ギスが釣れたらヒメやエソもキープしてさつま揚げ作りに挑戦します。

 

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