海釣り用トレーラブルボート比較

今現在、日本で海用のトレーラブルボートを新艇で買うとすると、以下のようなボートが候補になるでしょう。これらは普通免許で運転できる総重量750kg以下のボートです。一部は軽トレーラーでも運べますが、安全性や安定性を考えると、普通小型トレーラーで運ぶのがよさそうです。

この中で関東エリアで利用者が多いのは、マリンモーター社のNEOシリーズと湘南高圧タンク工業のパーフェクターシリーズです。パーフェクターには少し小さい13と11もありますが、この二機種はカートップで運ぶ人が多いようです。辻堂加工のエボシシリーズにもカートップ用だけでなく、トレーラブル対応の機種があります。

会社名 船名 全長(f) 重量(kg) 最大馬力
ヤマハ BS16CC 16 385 40
マリンモーター NEO374 12.5 150 18
NEO390 13 220 30
NEO450 15 290 55
ホープボート pukapuka PZ-410LWC 13.6 250 20
雷神 R-1700CC 17 420 60
雷神 R-500CB 17 435 60
シュガーレイマリン ハンマーヘッドSR140HH 14 320 50
123TOMBOY 13 246 30
辻堂加工 EBOSHI 150 15 230 20
湘南高圧タンク工業 PF16 16 150 15

 

それぞれの売りは?

これらの中から選択するには、まず、それぞれの船の「セールスポイント」を確認する必要があります。

マリンモーター:NEO

関東地区で人気のNEOは、374なら軽トレーラーに載せて軽で牽引可能、390なら軽トレーラーに載せて普通車で牽引可能です。このトレーラブル専用設計がNEOの売りと言えるでしょう。450は普通トレーラー普通車牽引必須ですが、コンソール内にトイレを設置するスペースもあります。

湘南高圧:パーフェクター

パーフェクターはスパンカーの効きの良さが特筆ものです。その分乾舷が浅くなるのですが、バラストタンク方式で前部に海水を導入することで安定させています。不沈安定性(レベルフロテーション)という独特の浮沈構造を持っているのも特徴です。ただ、元々設計的にはカートップで、PF16はトレーラブル仕様もあるものの、やはりトレーラブル専用として開発されたものに比べると、トレーラーでの使い勝手は悪そうです。トレーラに載せつつも、砂浜で下ろしたい、といったニーズには最適な船です。

ホープボート

ホープボートにはトレーラブルできる多くの種類のボートがありますが、やはり普通免許で運転できる最大サイズを使って作り上げた雷神が最も魅力的でしょう。2機種の17フィート艇の中でもR-500CBの方はコンソール内にトイレを設置できるのが売りです。しかし、大きくて重くなっているのはやむを得ないところで、普通の駐車場ではこの船をキープすることはできません。価格もヤマハのような大メーカー品を除くと、最も高くなってしまいますね。福岡県北九州市の会社ですが、全国に販売網があるので、入手は容易です。

シュガーレイマリン

シュガーレイマリンのハンマ―ヘッドは、グッドデザイン賞を取ったこともある独特のスタイルを持つ船です。高速で走りつつ、静止安定性も高いという、ドリームハルと呼ばれる船底形状を採用しています。大分別府の会社なので、購入もそこから直接になり、受注生産なので、入手までに時間がかかるのが欠点です。ハンマーヘッドを小型化した123tomboyは、操縦席を一番前に設置した独特のデザインを持っています。最近ではホープ社が、一部の機種で操縦席を一番前に持ってくるデザインを採用しているようです。

今回エボシとヤマハは早々に検討候補から外しました。エボシはやはりカートップが魅力で、エボシのトレーラブルを買うなら、パーフェクターの方が良いと思いました。ヤマハの船は私のニーズとは違い、スポーツ・バス釣り用なのです。ヤマハは以前は海釣り用のフィッシングメイトシリーズにトレーラブルボートで使える14フィート(FW14EX)、17フィート(FW17EX)の二種があったのですが、販売をやめてしまったようです。

なお、これ以外に、インフレータブルボートをトレーラーに乗せて運ぶというオプションもあり、結構快適そうなので、候補の一つとして加えておくことが必要です。トレーラに載せるとしたら、折角ですからやはり最大サイズのインフレータブルボートで、エンジンは一人で何とか持ち運び可能(26kg)な、マーキュリーの混合2サイクルエンジンのシープロ9.8が魅力的ですね。

さて、どれを買うか?

ボート購入には、新品を購入する方法と、中古を購入する方法があります。マリーナなどに係留する大きめのプレジャーボートでは、最初の一艘は中古購入が普通でしょう。

トレーラブルボートの場合、本体は中古でもいいのですが、耐久性が少し低いエンジンは、できれば新品の方がいいですね。逆にトレーラーは新品を買ってもすぐに痛むので、中古でも同じという考え方もあります。多くのトレーラブルボートではトレーラーは船とのマッチングを考えて専用トレーラーになっており、一体販売なので、本体が中古だと、トレーラー、エンジンも中古となるのが普通でしょう。

トレーラブルボートの中古は数が少なく、通常の中古ルートではめったに見ません。ヤフオクなどにたまに出品されるので、それを見つけて応札するのが中古を購入するには一番近道でしょう。

しかし、それではなかなか希望のものを買うことはできません。

今回私は退職金が入って、ちょっとお金があったので、新艇を購入することに決め、選定を開始しました。

候補としたのは以下の5種+トレーラブルインフレータブルボートの6種です。

私にとって良い点 私にとって悪い点
マリン
モーター
NEO374 軽トレーラーを軽で牽引できる。価格が安い。 全体に少し小さくて狭い。
マリン
モーター
NEO390 軽トレーラーに乗る。乾舷が高い。 Vハルなので静止安定性が心配。
ホープボート 雷神 R-500CB 牽引最大サイズ。トイレが積める。 大きすぎて保管が不便。価格が高い。
シュガーレイマリン ハンマーヘッドSR140HH 高速性と静止安定性の両立。デザインが良い。 オプション付けると価格が高くなる
シュガーレイマリン 123TOMBOY 静止安定性。デッキが広い。 運転席が前で快適か不明
ジョイクラフト JES404+SeaPro9.8 高い静止安定性。安価。どこでも出航できる。 耐久性が不安。イケスがない。

 

当初軽自動車で牽引することも考えていたので、NEO374か、トレーラブル・インフレータブルが候補でしたが、いろいろと調べていくうちに、軽自動車で牽引するのはいろいろな面で問題が多いと分かりました。

牽引用自動車を先に選ぶ

そこで、普通車で牽引する計画に変更です。まず車探しです。車は荷物がたくさん載るミニバンで、4WDの設定があること、ヒッチメンバーが売られていること、を条件に探します。ただし、買い物にも使う家庭用なので、家内が乗り降りしやすく、社内が快適であることも重要です。

当初目を付けたのは、三菱自動車のデリカD5です。この車はミニバンとSUVの両方の機能を持った車で、ボート牽引などには最適です。早速この車を見学に行きますが、やはり車高が高くて家内が乗り降りするのが大変なことと、サードシートをリアのウインドウ部分に持ち上げて格納するタイプなので、結構重くて大変なことが分かりました。

日産のセレナはサードシートの格納がウインドウまで持ち上げずに床の両端に立てる方式なので、格納は楽ですが、その分荷物室が狭くなります。両立するのはトヨタ系か、ホンダの新型ステップワゴンのように、サードシートを床下に格納できる車種しかありません。こうして色々現物を見ているうちに、家内がセカンドシートの快適さから、トヨタのエスティマを気に入ってしまいます。エスティマは、ハイブリッドなら電動4WDなので、私のニーズも満たします。ハイブリッドは燃費もそれほど悪くならないので、同乗するきむさんにガソリン代の分担で負担を掛けないのも利点です。ということで、新しい車はトヨタエスティマハイブリッドの中古を購入することしました。

試乗艇を決定

ボート保管場所は、当初は霞ケ浦周辺のボートヤードに預けることを考えていたのですが、私の退職金と、今のマンションとの売却を前提に、家内が一戸建ての新築を検討し始めたので、そこにボート用の車庫を作ってもらうことにしました。となると、大きすぎる雷神も対象外となります。

いろいろ調べていくうちに、シュガーレイマリン社のハンマーヘッドがいろいろと評判が良いことが分かりました。雷神ほど大きくないのに、静止安定性、高速性、燃費など総合的に考えると良さそうです。ただ、やはりまだ少し大きい感じがします。

そこで注目したのが同じシュガーレイマリン社が販売している123tomboyです。実は、当初は運転席が前にある奇抜なデザインから、このサイズならNEO390の方が良いと思っていたのですが、いろいろ調べていくうちに、きむさんとのタンデム出航が大半の私の場合、デッキが広い123tomboyの方が圧倒的に価値が高いと思うようになりました。静止安定性なども抜群ですし、NEOより重いけれど燃費は良さそうです。マリンモーター社のNEOは価格面は魅力なのですが、HPの更新がほとんど行われないので、会社として不安です。

逆にシュガーレイマリン社は、調べれば調べるほど面白い情報と良い評判が出てきます。九州の大分で、このハンマーヘッドという画期的ボートが生まれ、123tomboyにその技術が継承され、積極的な宣伝活動なしに、口コミメインで全国に販売を広げているのは、それだけ製品性能に魅力があるということで、この製品を開発したシュガーレイマリン社の研究もしてみたいと思うようになりました。

ということで、購入艇候補はシュガーレイマリン社の123tomboyに絞られました。しかし、活字情報だけで決めることはできません。館山湾で、稀に123tomboyを見ることがあるのですが、話を聞くのは難しそうです。ついに大分のシュガーレイマリン社まで試乗に行くことにしました。

メールして試乗の可能性を聞いたところ、日程を調整していただき、試乗させていただけることになりました。

試乗の様子は次回ご報告します。

 

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